以前は、“最悪の想定”ばかりしていました
今は、「いい未来だけ思い描こう」と決めています
──一年前のインタビューの際に「産後、間を置かずに戻ったけど、仕事復帰、ちょっと早かったかも」ポツリとつぶやいていた北川さん。改めて当時の心境について伺った。
「絶対にキャリアを失いたくないという気持ちがベースにありました。でもそれと同じくらい、私自身の事で周りに迷惑をかけたくないという思いが強くて。仮に私がドラマを降りるということになったら、そこにどれだけの人数の方が関わっていて、どれだけの影響が出るのか。“穴を開けられない”という気持ちが一番大きかったですね。それは女優という仕事だけでなく、会社勤めの女性も同じ気持ちだと思うんです。もし、自分の代わりに入ってくれた人が優秀だったら、その子でいいじゃんってなるんじゃないか……。今思えばネガティブな考えなのですが、必死だったんです」
──そう言って一息つくと「意地になってたんですね」と微笑みながら続けてくれた。
「ずっと第一線でやっていくのが一番の目標ですが、求められなかったらしょうがない。もちろん求められるための最大限の努力は怠らないつもりですが、考えすぎるのはよくないなって。今までは常に“最悪な想定”をして落ち込まないように予防線を張っていたんですが、最近は“いい未来”だけを想像するようになりました。今日も無事に終わった、明日もいい撮影になりそう……って。ポンと休みができても焦らず、空いた時間で次の仕事で披露できる何かを勉強しようと思えるように。気持ちの切り替えこそが、何かを“両立させること”にとって大切なんだって思っています」
撮影/吉田崇 ヘアメイク/SAKURA(まきうらオフィス) スタイリング/林峻之(UNFORM) 取材・文/前田美保 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー
Edited by 並原 綾
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