明日のことを心配するよりも今この場所で与えられている役割を100%やりきることを大切にしたい
「完璧な両立は無理」と分かったときに、じゃあどうするのがベストだろうかと、ずいぶん考えました。それで辿り着いたのが「物事を“1日単位”で考える」という方法。たとえば、今日はVOCEの撮影があるから、この撮影で120%の力を出し切ることが最優先。スタジオにいる間は目の前の自分がやるべきことに全力投球します。
でも夕方自宅に戻ったら、そこからは100%主婦。そのときにいる場所、置かれた場所でやるべきことを一生懸命やるだけ。それでいいんだなって思えるようになりました。今までだったら「撮影で使ったリップの色どうだったかな」とその日をクヨクヨと反芻してたんですが、それもしない。帰ったら離乳食づくりに全力をかけて、そのあとは台本読んで、って……。時間は有限だからそのときに全力を発揮できたら、それでいいんだって思えるようになりました。もし反省することがあったら、それはきちんと次に生かそう――。今はそういう気持ちでいます。
人生で初めて“完璧じゃなくていい”と思えるようになりました
私、すごく“完璧主義”なんです。かつては台本も一週間前には完璧に暗記してないと! という感じでしたが、子育てしながら……となると、翌日のセリフさえ不安に思うことも。そうなると今度は睡眠時間を削らなくちゃ! って。睡眠はしっかり6~7時間取って、肌も完璧に整えた状態で本番に臨むのが理想だけれども、それはもう難しい。今は撮影前日にセリフを覚えて、睡眠は3〜4時間だけ。子どもには手作りご飯をつくるけど自分は宅配で済ませちゃう。でも、それでいいかもって最近は思うんです。以前の私が今の私を見たら「雑すぎる!」って思うかもしれないけど(笑)、家庭も仕事も百点満点なんて絶対に無理。きっと同じ年代で同じ悩みを抱えている読者の方も多いと思いますが、“完璧じゃなくてもいいんだ”と少しずつ思えるようになってきました。理想通りにいかなくても「まあ、いいや」って。手を抜く方法はまだ分からないけど、頑張りすぎないことも大事ですね。「インプットしなきゃ!」と力んでいたときよりも自然に、いろいろな経験を積めている気がします。
撮影/吉田崇 ヘアメイク/SAKURA(まきうらオフィス) スタイリング/林峻之(UNFORM) 取材・文/前田美保 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー
Edited by 並原 綾
公開日: