「芸人でイケメン」の難しさを
チャラ男キャラが変えてくれた
ーーお笑いの世界では、容姿が優れていることが時として仇になることもあるかと思います。意図せずアイドル的に持て囃されてしまったり、りんたろー。さんもお話しされてたようにコンビ間に格差を生んでしまったり。藤森さんはいわゆる“イケメン枠”だったと思うのですが、そういう葛藤を感じたことはありますか?
藤森「いや、これ、自分からは答えづらいですね(笑)。確かに、昔は吉本の男前ランキングとかにも入れてもらってたし、最初の頃はそういうやりづらさもあったかもしれないです。僕ら、デビューしてすぐに番組のMCをやらせてもらえる機会があって」
りんたろー。「それ、すごいっすね……!」
藤森「それが、当時の僕らって芸人としてはまだ何者でもなかったのよ。ただ事務所から与えてもらった椅子に座って、何もできないまま実力不足を露呈していただけ。先輩たちも、正直どう接していいかわからなかったと思う。『藤森ってどういうヤツなの?』『どういうイジりしていいの?』『結局、何ができるの?』って。そういう意味ではずいぶん迷惑かけちゃった。ただ、それから5、6年経ってチャラ男キャラを打ち出すようになってからは、先輩にもどんどん絡んでもらえるようになったんだよね。で、その時に気づいたのが、“ビジュアル”と“チャラ男”は相性いいんだってこと。イケメンかどうかというよりは、見た目をキレイにしておくということと、とても相性がよかった」
りんたろー。「あー、それはわかる気がします! チャラ男がヴェールの役割を果たすんですよね。一枚かけておくだけでお笑いがやりやすくなるという」
藤森「そうそう。それまでは、『男前だから遊んでるやろ、モテるやろ?』って言われても、『いやいやいやそんなことないっすよ』ってキレの悪い返ししかできなかったのが(笑)、チャラ男ってなってからは『あったりまえで〜す! 女の子はみんな僕の彼女で〜す』って言える。正直、すごいラクになったよね」
いろいろやれるのが芸人のいいところ。
それぞれの芸人に美学がある
ーーチャラ男というキャラが、笑いとカッコよさの繋ぎ役になってるんですね! お二人はそれぞれ歌やお芝居など、お笑いを軸にしつつも、それとは別にアーティスト活動とか俳優活動とか、“カッコよくあるべき場”を持っているのも似ていますよね。
藤森「いろいろやれるのは芸人のいいところだと思いますよ。とくに僕らは漫才やコントで評価されてきたコンビじゃないので、そこに変なコンプレックスはないです。お笑いやってると思われたいとかも今さらないですし。きちんと生きてやりきって、結果的に生き様がお笑いって思ってもらえたらいいかな。ただまぁ、ちゃんとネタやってる人の方が尊敬はされるよね」
ーーそういうところはあるかもしれないですね。
藤森「それでいうとEXITは漫才ちゃんとやってるのがキモになってるよね」
りんたろー。「でも、僕は藤森さんみたいな自分でフィールドを広げていく動き方には憧れますよ。どちらかといえば僕はそっち側だと思うし。そういう芸人さんになりたいなって思ってます。もちろん、ネタで劇場にめっちゃ立ってる芸人さんもカッコいいです。どっちの美学もあるし、どっちも正解だと思う。それに究極、どっちもやったっていいですもんね」
藤森「いや、本当そうだよ! EXITは両方やれるのが素晴らしいと思ってるよ」
次回、「二人に美容のこと、互いのこと、10問10答!」
【プロフィール】
藤森慎吾
1983年生まれ。2003年、明治大学在学中に中田敦彦と「オリエンタルラジオ」を結成。11年に「チャラ男」キャラで再ブレイク。近年は俳優としても活動、2020年にはオンラインサロン「FILLLLAGE」も開設するなどマルチに活躍中。
【YouTube】藤森慎吾のYouTubeチャンネル
【Twitter】@chara317megane
【Instgram】fujimori_shingo0317
りんたろー。
1986年生まれ。2008年4月、東京NSCに14期生として入学。2017年末に兼近大樹を誘い、お笑いコンビ「EXIT」を結成。ネオ渋谷系チャラ男漫才と称するしゃべくり漫才のツッコミを担当。ネタ作りも担う。
【Twitter】@rinnxofficial
【Instagram】@Rin_the_Sky
【note】https://note.com/rin_official
【YouTube】EXIT Charannel
【TikTok】@rintaro_official
【りんたろー。個人YouTube】EXITりんたろー。のYouTubeチャンネル
撮影/土屋文護(tron) スタイリング/EIJI TAKAHASHI(ACUSYU) ヘア/SHOTARO(SENSE OF HUMOUR) メイク/遠藤真稀子(UM) ディレクション/三谷徹 取材・文/山崎恵
Edited by 大森 葉子
公開日: