相方も絶大の信頼をおく
“風を読む力”が磨かれた理由
ーーチャラ男として、美容男子として、お互いに「負けられない」みたいな気持ちもあったりしますか?
りんたろー。「あんまりないですよねぇ、バチバチするみたいなの」
藤森「ないですねぇ。とくに僕はもう事務所も離れたし(笑)。芸人同士の熾烈な競争みたいなのからは離脱しちゃったんで」
りんたろー。「それでいったら、先輩なのに藤森さんの後輩を緊張させない雰囲気がすごいと思っていて。後輩にむだに敬わせない雰囲気というか。だから、こちらもむだに緊張しないで済む、というか」
ーーたしかに、先輩・後輩関係の芸人さんってもう少しピリッとした雰囲気あるのかと思ってました。
藤森「昔は僕も、自分の派閥を作ってトップに立って、後輩から『兄さん!』って慕われる、みたいなのに憧れはありましたよ。仲良い後輩も何人かいたので、見よう見まねでやってみたこともあった。けど、全然。みんな舐めてくるんですよね(笑)。『あ、俺そういう人間じゃないんだ』っていうのは早い段階で受け入れた気がしますね。先輩というよりは年上の友達みたいな感じが、後輩も居心地いいんでしょうね」
りんたろー。「とは言いつつ、学ばせてももらってますけどね。自分に必要なものをちゃんとセレクトしていく感じなんか、本当にすごく勉強になる」
藤森「え、何それ?(笑)」
りんたろー。「美容もそうだし。あとは、はたして事務所って必要なのかな?とか」
藤森「ちょっと、やめなさいよ! だめよそんなこと考えちゃ。まじで事務所は必要だよ!? ワハハッ」
りんたろー。「いや、自分には事務所が必要だと思うけど、じゃあ、藤森さんに必要かっていったら僕にはわかんないし。『今後、チャラ男キャラをどうやって、どこまで削ぎ落としていくのか?』とかも観察しています」
ーーなるほど、既成概念にとらわれずニュートラルに動いていくところがお手本になると。
りんたろー。「そうそう、そうなんですよ」
ーー藤森さんのことを、相方の中田敦彦さんが“究極の風見鶏”と評しているのをYoutubeで拝見しました。「とにかく“風を読む力”がすごいから、僕はそれを見て動けばいい」と。
藤森「ああ、言ってくれてましたね。でもウチの相方もりんたろー。も、ネタを書く人だから。そういう人はいざという時もゼロから生み出す力があるけど、僕はそういう力が全くないので。何かしらの、誰かしらの力を借りないと生きていけない。だから“風を読む”みたいな感覚を知らず知らずのうちに磨いていたのかもしれないですね。ただ、結果的に(相方の)パートナーとしてはそれがよかったかもしれない。それはEXITもそうだと思うけど」
りんたろー。「それは、そうですねえ」
ーーりんたろー。さんも、EXITで風見鶏的な役割も担っていますよね。プレイヤーだけでもマネージャーだけでもなくプレイングマネージャーのイメージです。
りんたろー。「うーん、どうなんだろ? そうなんですかね。自分では、プレイヤーとマネージャーの部分、どっちが長けているのかはわからないです。その瞬間、瞬間で使っている頭が違う気もするし……切り替えているのかもしれません」
藤森「とにかく優しいよね、りんたろー。は。“人柄”が一番の魅力じゃないですか。チャラチャラしてても根はオラついてないっていうのが、見た目にもちゃんと伝わってくるでしょ。そういうのって、本当に大事ですからね」
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「芸人でイケメン」の難しさを、チャラ男キャラが変えてくれた