これからは「コンビは二人ともキレイ」が売れる!と思った
ーー少し前は大笑いしていたネタなのに久々に見たら全然笑えなかったというように、「笑い」ってものすごく時代の空気に左右されますよね。だからこそ芸人さんには時代を読む力が求められると思うのですが、藤森さんは20代の頃から、後輩芸人さんに「スキンケアと歯のメンテナンス、脱毛はやっておいた方がいい」とアドバイスしていたそうですね。そしてそれが今も“藤森さんの教え”として若手芸人さんの間で受け継がれている、と。
藤森慎吾さん(以下、敬称略)「芸のことは何にも教えられなかったですけどね(笑)。人前に出る以上、やっぱ見た目って大事ですから」
りんたろー。さん(以下、敬称略)「さすがっすよね。僕なんかがこんな言い方したらアレですけど、着実にちゃんと老けますもんね、みなさん(笑)」
藤森「そう、ちゃんと老けるのよ(笑)。自分がTV見ていた時、『この人、昔からこんな清潔感なかったっけか……?』ってびっくりして。それだけでちょっとチャンネル替えようかなって思っちゃう時が当時あったんだよね。あぁ、これは芸を磨くだけじゃなくて、見た目気にかけるのも大事なんだな、と」
りんたろー。「それでいうと、僕の場合は相方が男前じゃないですか。ちょっと前のお笑いってコンビのどっちかがイケメンだと、二人の“対比”で笑いとるようなところがあったんですよね。イケメンがもう一人をイジったり、イジられる方も自分のこと“じゃない方”みたいな言い方をして。でも僕、そういう笑いの取り方ってこれからは少なくなるのかなって何となく感じたことがあって。はたと気づいたんです、『これ、俺がキレイになった方が仕事増えんじゃねーか?』って」
藤森「すごい! EXITは絶対それが成功したよね。いや、もうないもん、男前が相方を捕まえて『いや、お前ブサイクやないかい!』みたいなツッコミするの。見てて不快になることはあっても、面白くはならないよ」
りんたろー。「でも、そういうのが長らくスタンダードでしたよね」
藤森「そのスタンダードな方法も採れたはずなのに、“二人ともキレイになる”って方向に持っていったのは、戦略的にすごい正解だなって思ったよ、俺は。日々進化していくEXITを戦々恐々と見てたもん」
りんたろー。「いや、ちょっと何言ってんすか(照)」
藤森「本当だよ。『うわ髪色やったかー』、次は、『えっ、ネイル塗るんだ!?』って。僕がチャラ男を掲げた時は、そこまでの発想はなかったからね」
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相方も絶大の信頼をおく“風を読む力”が磨かれたワケ