舞台に立った時にきれいだったら下級生上級生関係なくお客様に見てもらえる。
美夢
その美意識の高さは下級生時代からなのでしょうか?
壱城さん
どうですかね。でも星組に配属されて、湖月わたるさんを筆頭にスーパーかっこいい上級生の方がたくさんいらして、歌とか踊りとかお芝居とかそんなにすぐに湖月さんのように男っぽくかっこよくなれない、コツコツ努力するしかない。「すぐにできることは何だろう?」と考えたときに「メイクだ!」って思ったんですよ。
美夢
やっぱり下級生時代から意識が高かったんですね。
壱城さん
舞台に立った時にきれいだったら下級生とか上級生とか関係なくお客様に見てもらえる。だから家でたくさん練習しました。色んな方のスチールを買って、真似してみたり。そうすると、自分の顔のことも分かってくるし、どんどん上手くなるんですよ。
美夢
やはり並々ならぬ努力が……。
壱城さん
そのうちにファンの方にも「メイク上手ですね」と言われることが増えて、下級生からも「メイク教えてください」と声を掛けられるようになってきて。そうするともっときれいになりたい、メイクが上手くなりたいって思うんですよね。自分はそういう存在でありたいっていつも思っていましたね。
美夢
在団中一番メイクにこだわった役は?
壱城さん
『太陽王』という作品のモンテスパン夫人ですかね。
美夢
登場したときの印象がすごく強かったのを覚えています!
壱城さん
ありがとうございます。当時の資料を読み込んでいるとモンテスパン夫人って“絶世の美女”と記されているんですよ。それはもう誰よりもきれいじゃないといけないな、と。
美夢
説得力のある配役です。何か参考にしたものは?
壱城さん
娘役のメイクもたくさん研究してやってみたのですが、結局普段の自分の男役メイクをベースに、少し引き算した感じになりましたね。その時、娘役のメイクってリップがすごく大事だなって思いました! 男役ってベージュ一択な感じですが、娘役はリップの色みで結構印象が変わる。だから色んなリップを塗ってみてベストなものを探しましたね。
美夢
現役の下級生に伝えたいですね。
壱城さん
あと女役をするって分かった時からすごくダイエットしました。やっぱり細いときれいに見えるんですよ。ドレスを着たときに出るデコルテのラインとかも美しくないといけないなと思ったので、かなり絞りましたね。
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宝塚、現役時代の美容のこだわり!