細川モモ
予防医療・栄養コンサルタント。一般社団法人ラブテリ代表理事。両親の闘病をきっかけに予防医学を志し、米国で栄養疫学と出会う。09年に日米の専門家チーム「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。働く女性のための「まるのうち保健室」の立ち上げや、女性の健康を支える社会環境づくりに取り組み、複数のアワードを受賞。生理用品No.1ブランド“ソフィ”の生理管理アプリを開発協力。
堀ママ
漢方薬剤師。出雲大社参道で90年続く老舗漢方薬局の4代目。薬学部を卒業後、薬剤師となったのち、東洋医学・漢方の根本療法に魅力を感じ、方向転換。本場中国の漢方医から学ぶ中、不妊に悩む友人の相談を受けたところ、漢方で妊娠したことに感動し、婦人科系の分野、なかでも不妊症を専門とするようになる。女性を勇気づけるメッセージをオネエ言葉で綴ったインスタグラム(@hori_mama_)でも大人気。
生理の「ふつう」を知っておけば、「なんかおかしいな」に気づける
細川モモさん(以下、モモ)
堀ママさんはじめまして! よろしくお願いします。今日は「堀ママ」って呼ばせていただいていいですか?
堀ママさん(以下、堀ママ)
もちろんよ~♡ あたしは「モモちゃん」って呼ばせてもらうわね。早速だけど、モモちゃんは生理痛ってあったの? あたしはゲイだから生理痛はないわけだけど。
モモ
私は生理痛が全然なかったんです。生理の前兆もまったく感じなかったくらいで。PMSもありませんでした。
堀ママ
モモちゃんは幸せな生理ライフだったのね。いいと思うわ! それなのに、なんで生理の本を書こうと思ったのかしら?
モモ
私が代表を務めているラブテリ トーキョー&ニューヨークでは、20~40代の女性を対象に妊娠力と健康に関する研究を複数行っているのですが、進めているうちに栄養状態がもっとも悪いのは働く女性だと気づきました。それが大きなきっかけでしたね。特に生理痛やPMSに悩んでる女性たちがとっても多かったんですよ。
堀ママ
わかるわ~。あたしの漢方薬局は婦人科系専門で、あたしは不妊の相談が多いんだけど、これまでお聞きしてきた5万件のお悩みの中でも、生理痛やPMSがしんどいですっていう若い女性は多かったわ。
モモ
生理痛やPMSって「病気じゃない」から、生理に関するデータも少ないですよね。でも、婦人科系の病気のサインに自分で気づくためにも、比較できる情報があればいいのにってずっと思ってて。それで、『生理で知っておくべきこと』では6年かけて収集したビッグデータを使って、「ふつうの生理ってなんだろう?」というところから調べてみたんです。
みんなの「ふつうの生理」を調べたアンケートでは、「生理痛がある」が約72%。生理が続く平均は「3~7日」、生理周期は「25日~38日未満」が一番多い結果に。
※出典「京都保健室調べ」一般社団法人ラブテリ(『生理で知っておくべきこと』P29から抜粋)
堀ママ
こういうデータ、すごく貴重だと思うわ。年齢で見ても、10代は女性ホルモンや成長過程の影響で生理痛が重い女の子が多いけど、20代、30代と年齢を重ねるごとに生理痛って本来は和らいでいくはずよね。それなのに、年齢とともに痛みが強くなっていく場合は「なんかおかしいな」と思ってほしいわよね。子宮内膜症とか子宮筋腫とか、婦人科系の病気が隠れてるかもしれないから。ふつうと違うかもって感じたら「早めに病院行きなさい!」って、声を大にして言いたいわ。
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病気じゃないからといって、我慢すべきものでもない