「いつも頑張りすぎているので、自覚的にゆるめることを実践してみませんか?」と、りんたろー。さんのメンタル強化のため、今回のシリーズの講師は根来(ねごろ)秀行先生。ハーバード大学医学部、ソルボンヌ大学で客員教授を歴任し、多くのメジャーリーガーや大御所芸能人に、アドバイスを行っているスーパードクターの登場です。
爆笑を取り続けることができるのは、交感神経のおかげだった!?
りんたろー。さん(以下、敬称略)「僕はこれまでみていただいたトレーナーや整体の先生方に『交感神経が高いですね』ってよく言われるんです。交感神経が高いと体のどこかが悪いということなのでしょうか?」
根来秀行先生(以下、敬称略)「自律神経はご存知ですか?」
りんたろー。「聞いたことはありますが、実のところ深く理解していません。どっちが高いほうがいいとか、低いほうがいいとかもわからないです……」
根来「自律神経は目に見えないので、わかりづらいですよね? 簡単に説明しましょう。自律神経は文字通り、自ら体を律している、つまり調整している神経です。今こうやって話している間も、心臓は動いていて呼吸をしています。このように人間の生命を維持するのに必要な機能を制御しているのが自律神経です。この自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、この2つが対になってバランスをとりながら体を調整しているんです」
りんたろー。「僕はずっと交感神経が優位だって言われてきたってことは?」
根来「なるほど。交感神経、副交感神経をそれぞれ山と仮定すると、2つの山は高くなったり、低くなったり、山の形を変えながら体を調整しています。2つの神経のうち、しゃべったり、面白いことを言ったりすると交感神経が上がるんですね」
りんたろー。「お笑いで爆笑をとりっぱなしだから交感神経が高かったんだ!(ドヤ顔)」
根来「それも考えられるかもしれません(笑)。日中、活動的な行動を後押しするのが交感神経で、闘争の神経と言われています。一方、リラックスしているときや、行動にブレーキをかけるときに働くのが副交感神経です。常にどちらかだけが働いているのではなく、一日の中で2つの神経がバランスをとりながら働いています」
りんたろー。「交感神経が高めの僕でも、一日中交感神経が高いわけじゃないんですね?」
根来「そうです。自律神経のバランスは時間とリンクしています。全身の細胞は60兆個あるんですが、すべての細胞に時計遺伝子が入っているんですよ」
りんたろー。「へえーーーー! すごい!」
根来「自律神経はこの時計遺伝子、いわゆる体内時計によってコントロールされていて、約24時間サイクルで働く体内時計は『サーカディアンリズム』と呼ばれるリズムを作り出します。このサーカディアンリズムにのっとって、活動的な日中は交感神経の山が上がり、18時頃から交感神経の山が下がり、副交感神経の山が上がってきます。この交感神経の山と副交感神経の山がきちんと上がったり下がったりできているのが健康な人です」
りんたろー。「なるほど!」
【交感神経と副交感神経のバランス】
根来「そのおかげで、日中は交感神経が上がって面白いことも言えるし、ネタも考えられます。そして、夜は休息モードになって眠くなるのは副交感神経の働きです」
りんたろー。「交感神経と副交感神経の働きには、そんな違いがあったんですね」
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夜、副交感神経が上がらないために増える「コロナうつ」