連載 VOCE’s BOOK 話題の著者に訊く

『なんで家族を続けるの?』が話題の内田也哉子さんが語る、ゴーイングマイウェイで進むためのコツ。

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なんで家族を続けるの? 内田也哉子さん

内田也哉子さん/Yayako Uchida
内田也哉子さん/Yayako Uchida

エッセイ、翻訳、作詞、ナレーションのほか音楽ユニットでも活動。19歳で俳優・本木雅弘さんと結婚。著書に『会見記』、樹木希林さんとの共著『9月1日 母からのバトン』、『こぐまとブランケット 愛されたおもちゃのものがたり』(翻訳)など。

【今回のテーマ】親や彼が私の外見に干渉してきます!

メイクやヘアスタイルがしっくりしたときのうれしさ。自分では気に入っているのに、周りから突っ込まれたら? ゴーイングマイウェイで進むためのアドバイスは?

自分のワクワクする気持ちや楽しさを忘れないで

「いつもはお化粧をしなくて。髪型はアシンメトリーを楽しみたいと思っているので、ここの毛束を切ってみたらどうかしら? なんて、私から美容師さんに提案してトライ。“私を素敵にしてください、お任せします!”という感じではありません。失敗するときもあるんですけど、ワクワクできる遊び心を持っていたいなと。イギリスに住んでいた5〜6年間は自分に合う美容院がなくて、旦那さんに切ってもらっていました(笑)。人任せにしない、自分の感性に従うって大事なこと。それは両親からも旦那さんからも影響を受けています。大人として『〜べき』という規律を守っていくためにも、遊びやちょっとした余裕、ハズしが助けになると思います」

自分の美しさを人任せにしない! そんな内田也哉子さんのスタイルや価値観はどのように形成されたのでしょうか。母は女優の樹木希林さん、父はほぼ自宅にいなかったミュージシャン内田裕也さんという、特殊な家庭環境で育った内田さん。思春期は切ない思いの連続だったといいます。でも、大人になった今、肯定できるポイントもたくさんあるそう。

「たまに会う父は、私のことを見つめてくれているというより、俺はこういう人間だ! わかるか? という一方的なコミュニケーション。でも、思春期に私が映画を好きになったとき『俺と話が合うな』と喜んでくれたり、『お前は女優にならなくてよかったと思う。お前がお前の人生のフィールドに向かっているのを気に入っているぞ』と言ってくれたことが、数少ない褒め言葉でしょうか。母からもふと『也哉子と話していると、面白いわ』と。親子だからつながっている、という愛情や褒め言葉はなかったぶん、大人として一個人として対等に感受性や生き方を認めてくれた瞬間がありましたね」

自分で転んで痛い思いをする、自分で選択させる、そんな環境で内田さんは育ってきたようです。美しさは生き方そのもの。世間一般の価値観に縛られすぎると、失敗して転んでも起きられない。内田さんの外見や雰囲気は、生き方そのものが映し出されているよう。自分の感性にしっくりくる美しさを育てていきたいですね。

なんで家族を続けるの? 内田也哉子 中野信子

『なんで家族を続けるの?』
内田也哉子・中野信子著
¥935/文春新書

『週刊文春WOMAN』で大反響の連載がついに登場。“普通じゃない家族”の子だった内田さんと中野さんの縦横無尽な対談は、あらゆる家族問題に悩む私たちの大きなヒントに!

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