教えてくれるのは…
ビューティサイエンティスト 岡部美代治さん
通称“スキコン”を筆頭に名品を多数生み出した研究者。現在はコスメを化学的に分析するスペシャリストとして活躍。
ビューティジャーナリスト 吉田昌佐美さん
温かさと厳しさをもって美容界を見守り、鼓舞する「肌の母」。コスメへの愛がぎっしり詰まった記事にファン多数。
◆遂に実現したシワ改善コスメ
シワを改善する効果が認められた薬用第一号!
リンクルショット メディカルセラム〈医薬部外品〉20g ¥15000/ポーラ
シワの内部までピタリと密着。真皮まで届き、コラーゲンなどの分解酵素を抑制するニールワンを配合。
レチノールはシワに効くという事実を明確化
エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム S〈医薬部外品〉 15g ¥5800(編集部調べ)/資生堂
純粋レチノールを配合し、深いシワをも改善。柔らかなテクスチャー。
岡部「今期イチバンのニュースといえば、やっぱりコレ。ポーラが日本で初めて“シワを改善する”効果について、きちんとした研究と技術開発、データ検証を行うという王道で承認をとり、薬用化粧品に新たな可能性を切り開いたのは歴史的!」
吉田「ホントに! 多少のシワなら、肌がうるおってふっくらしても目立たなくなるし、表面の古い角質がはがれ落ちてもなめらかになる。今までシワに対する効果って曖昧だったけど、それを明確にしたことで、新しい効能効果の時代に入ったと思う。」
岡部「ポーラに続いて、資生堂はもともとシワ対策の本命として大切にしてきたレチノールが本当に効くと決着をつけた。これらがいい意味で起爆剤になって、シワ改善効果が認められるコスメがどんどん増えていくと思う。」
吉田「ポーラのニールワンにしろ、資生堂の純粋レチノールにしろ、シワに対する効果は信じて間違いない。久しぶりに有効成分っていう切り口にワクワクするし、コスメを選ぶときにあらためて有効成分がひとつの目安になっていくのでは!?」
◆美白というより肌色向上
心地よくなじみ、澄んだ肌色をスピーディに
ホワイトロジスト ブライトエクスプレス〈医薬部外品〉40ml ¥15000/コスメデコルテ
コウジ酸にプラスして、色ムラをつくるメラニンの塊を粉砕するアプローチを搭載。シャバッとした感触でなじみも◎。
肌色の美しさを多方面から引き出す意欲作
クレ・ド・ポー ボーテ セラムコンサントレエクレルシサン〈医薬部外品〉40ml ¥15000/資生堂インターナショナル
肌色を美しくするべく肌の質感も追求。濃密な液がメラニンを防ぎ、角層の質もアップ。
ストレスに負けない強さを育み、均一な肌色に
イーブン ベター ブライター ミルキー ローション〈医薬部外品〉 100ml ¥6900/クリニーク
メラニンの生成を抑え、排出を促すと同時に、外的環境による刺激を鎮め、炎症をブロック。ふっくらとした透明肌へ。
吉田「美白トレンドはシミよりも肌色よね。コスメデコルテのようにシミ美白が強みだった美容液でさえ、肌色のクオリティを上げるという目的が加わり、点も面もという流れが顕著。」
岡部「美白コスメが得意なのは“シミの改善より予防”ということにみんなが気づいてきたというのもあるだろうし、くすみの方がより複数の原因がかかわるから厄介で、悩む人が増えているよね。」
吉田「確かに小麦色に焼いていた私たちと違って、VOCE世代は、きちんと紫外線対策をしているから、シミよりどんより系の悩みが気になるのね。」
岡部「そして、今、求められているのは、肌色の白さではなく美しさ。美白ケアの概念も“メラニンを消すだけではなく、トータルで肌色のクオリティを上げて明るく光らせる”というように、またひとつ次の段階に進んだ気がする。クレ・ド・ポー ボーテもそういう最新美白の代表作。」
吉田「均一な肌色を目指すクリニークもそうね。」
◆平成のロングセラー候補
長寿の研究から生まれた肌のヘルスケア美容液
ブルー セラム 30ml ¥12000/シャネル
エイジングに抗うのではなく寄り添うみずみずしいプレセラム。長寿の地域に生育する植物成分が細胞レベルで働きかけ、イキイキとした肌を保つ。
肌の水分保持能を改善する名品候補の本命
ONE BY KOSÉ 薬用保湿美容液〈医薬部外品〉60ml ¥5000(編集部調べ)/コーセー
みずから潤いをつくる肌に導くライスパワーNo.11配合。洗顔後の肌にすっとなじむ。
吉田「最近つくづく思うのが、平成になってから時代を超えて愛されるロングセラーが生まれていないってこと。」
岡部「その一因はメーカー側にもあるかな。今は、リニューアルすると売れるみたいな風潮があって、もちろんしてもいいんだけど、ガラリと変えるのは考えもの。」
吉田「ユーザーとしては、どう変わったのか把握できないまま、どんどん新しいのが出てくる感じよね。今の30代って、健康と美しさはイコールなことをよく知っていて、根本から美しくならなくては、ととても現実的で堅実。だから確実にイイものを使いたいという思いが強くて、名品好きが多い気がする。」
岡部「なるほどね。ラインではなく“ピンで立つ”というのがロングセラーの条件だと思うけど、そういう意味では今年はコーセーをはじめ、いっぱい“種”がある。」
吉田「シャネルのブルーセラムも候補よね。年代、肌悩み、そして性別まで超えて使えるものが、これからのスキンケアの方向性。名品が出てくる予感がする。」
岡部「うん、ロングセラーが生まれる機運が高まってるね。」
撮影/嶋田礼奈(人物)、金栄珠(静物) 取材・文/楢﨑裕美
Edited by 藤平 奈那子
公開日:
この記事に登場したコスメ(3件)