今回のゲストは元宝塚歌劇団・雪組娘役トップスターの真彩希帆さん。望海風斗さんとのコンビは宝塚歌劇団随一の歌唱力を誇り、宝塚を代表するハーモニーと評されました。天真爛漫な笑顔が似合う真彩さんですが、誰よりも努力家でしっかりと自分を見つめている凛とした女性。今回は真彩さんのオフの時の過ごし方をお聞きしています。
「謎の女」役に飲み込まれなくてよかった
真彩希帆さん(以下 真彩さん)
やっぱりすごく不安になってしまう時があって、自分の心に波風を立てないように瞑想をするようになりました。毎朝3分瞑想すると、神経が研ぎ澄まされた感覚になるんですよ。自分の心に偽りなく過ごせるようになったような。
美夢
瞑想、いいですね。
真彩さん
自分の心と向き合うようになって、「喜び」だけでなく「怒り」や「悲しみ」という感情にもフタをせず、認めてちゃんと感じる、そして自分の心と対話することができるようになりました。退団公演のお稽古が始まる前に、そういった自分自身がずっと避けてきた感情を受け止めることができたから、最後に『f f f -フォルティッシッシモ-』でいただいたお役、人間ではない「謎の女」を演じられたのだと思います。
美夢
「謎の女」役は難しそうでしたよね。
真彩さん
苦労しましたね。また自粛期間中に突然時間ができたことで、それまでは自分の生活はオンしかなかったのですが、オンとオフを切り替えられるようになりましたね。
美夢
トップさんは本当に忙しいものね!
真彩さん
そうですね。そして私は憑依型とかではないのですが、役に飲み込まれちゃうようなところがあって。スイッチをオフにすることができないから、和物のお芝居のときは洋食を全く食べないとか、貧しい役のときはご飯を全然食べなくて痩せすぎてしまったりとかしてしまって。
美夢
そこまで! ストイック……(驚)!
真彩さん
下級生の頃はいただいた役に合わせてメイクや服装はもちろん、食事や生活もその役のようにしないと、その役をちゃんと演じることができないって思っていたんです。そうしているうちにそうすることが自分の中の当たり前になってしまってずっとオン状態だったんですね……。でも退団公演の前にオフにすることを覚えられて良かったです。「人類の不幸」と言われる「謎の女」の役に飲み込まれていたらどうなっていたか……(笑)。
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「真彩希帆さんが、今、ハマっている曲は?」
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