前編では、VOCEのスタッフによるメンズメイクを初体験したニューヨークに、「芸人に美容は必要か?」をテーマにインタビュー。この後編では、現在レギュラー5本を抱える売れっ子芸人となったニューヨークが、「売れること」についてどう考えているのかを聞きました。
「芸人として売れる=たくさんの人が知ってる状態」(屋敷)
ーー「ニューヨークは売れた」という前提でインタビューをさせてください。まず、一番「売れたな!」と実感できた出来事はなんですか?
嶋佐さん(以下、敬称略) やっぱり、レギュラーが始まったことと、『踊る!さんま御殿!!』みたいなゴールデンのけっこう華やかな番組とか、中居さんがMCの『ザ!世界仰天ニュース』とか、いろんなタレントがいる番組に芸人枠で呼んでもらった時ですかね。その前に出演した『秘密のケンミンSHOW極み』や『メレンゲの気持ち』とかもそうですね。そういう番組は今まではなかなかなかったので。
屋敷さん(以下、敬称略) ちょっと質問からズレた答えになるかもれないですけど、以前トリプルファイヤーの吉田(靖直)さんと、『クイックジャパン』の取材で「売れるって何?」というトークライブをやったんです。そこでは「結局、みんなが『売れた』と思ったら『売れた』ってことなんやろな」と話してたんですけど、その帰り道に「もっとシンプルやな」と、自分の中で結論が出ました。つまり芸人が売れるってことは、知名度が上がることなんですよね。例えば、みちょぱと3〜4年前に番組で一緒になった時は、テレビを見てる人からしたら俺らは「誰やねんこいつら」やったから、みちょぱに敬語で話してたんです。でも最近は、タメ口で話すようにしています。その方が、見ている人にとって違和感がないから。それこそなにわ男子のメンバーと喋る時も、(『まだ、アプデしてないの?』)カメラの前ではタメ口で話してます。『イコノイ、どーですか?』でもアイドルのコに“ちゃん付け”してます。それは、視聴者が俺らのことを知ってくれてる前提になったからやと思います。
ーー屋敷さんはJTの広告にも起用され、スペシャルコンテンツにはニューヨークとして出演しています。知名度がある人が宣伝すると物が売れるということですよね。
屋敷 そうですね。シンプルやなと思いました。ごちゃごちゃ考えても結局は、「芸人として売れる=たくさんの人が知ってる」ということなんやなって、つい最近思いました。
「テレビでゴールデンのMCを何本も持つことが正解でもなくなってきてる」(嶋佐)
ーーこの4月から『ラヴィット』や『NEWニューヨーク』が始まって、環境が激変しました。どのような心境ですか?
屋敷 お客さんにも、起用してくれたスタッフさんにも、「なるべくがっかりさせないようにせな」って感じです。YouTubeは沈めたらあかんなと思う自分たちの船で、そんな船が他にも何隻かできてきた感覚です。自分らが有名になりたいという思いもありますけど、単純に、せっかく起用してもらったんだからスタッフのみなさんに恩返しせなあかんなという心境です。
嶋佐 スケジュール的には今までで一番忙しいんですけど、毎日朝から夜中までという感じではないので、楽しくはやらせてもらってます。けっこうね、めくるめくというか。いろんな現場に行かせてもらって、あっという間に過ぎ去っていくというか。ちゃんとやれてるかどうかわからない現場も多々あり、まぁまぁ楽しくはやらせてもらってますけど、どうなんだろう……という心境です(笑)。
ーーニューヨークは「売れたい」」という欲をちゃんと言葉にしてきたコンビだと思います。今も「もっと売れたい」と思いますか?
嶋佐 あー、どうなんだろう。テレビでゴールデンのMCを何本も持つことが正解でもなくなってきてるし……。それこそ、YouTubeをちゃんとやって、ライブを配信したらオンラインチケットをちゃんと買ってもらえる芸人になるのもいっこの正解だな、と。YouTubeも、劇場も、ライブも、テレビも、全部いい感じになっていったらいいなって。もっともっといろんな人に知っていってもらいたいな、いろんな仕事ができたらいいなと思ってます。