お話を伺ったのは…
ハーバード大学・ソルボンヌ大学客員教授
根来秀行(ねごろひでゆき)先生
医師・医学博士。最先端の臨床、研究、医学教育の分野で国際的に活躍し、現在は新型コロナウィルスワクチンの開発にも力を注いでいる。『ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の超呼吸法』(KADOKAWA)など著書多数。
呼吸のリズムを変えるだけで気持ちまで変わる
鼻呼吸+腹式呼吸をベースに呼吸のタイミングを変えるだけ。集中力アップやリラックス、快眠まで自由自在。どの呼吸も息を吐ききってから行って。
【4・4・8呼吸】プレッシャーに負けそうなとき
ストレスを受けると交感神経が優位になり、心拍数や血圧が上昇して、緊張から頭が真っ白に。そんなときはこの呼吸で副交感神経を優位にして、交感神経の暴走をストップ。また全身の細胞呼吸も活性化。眠れないときにも◎。
4秒で吸って→4秒止める→8秒で吐く
腹式呼吸を数回行ったら、4秒かけて鼻から息を吸い、4秒止める。8秒かけて鼻から息を吐く。これを4回くり返す。
【4・8呼吸】緊張をとりたいとき
吐く息を長くするだけの基本の呼吸法。4秒で吸って、8秒で吐くのにこだわらなくても、吸った秒数の倍の時間で吐くことを心がけて。副交感神経のスイッチをオンにして、緊張をとり除き、気持ちを落ち着かせてくれる。
4秒で吸って→8秒で吐く
おなかをふくらませながら鼻から4秒で息を吸い、おなかをへこませながら鼻から8秒で息を吐く。好きな回数を行って。
【10・20呼吸】究極のリラックス状態で深い睡眠に
興奮しっぱなしで交感神経が高い状態が続いた日の寝る前にはコレ。1分間にたった2回の深い呼吸ははじめキツイかもしれないが、最初はできる範囲で大丈夫。照明を落として、呼吸だけに意識を集中することで、深い睡眠に!
10秒で吸って→20秒で吐く
下腹と肛門の力を抜いて、おなかをゆっくりとふくらませながら10秒で鼻から息を吸う。おなかをへこませながらゆっくりと20秒かけて鼻から息を吐く。できれば20回ほど。
【5・5・5呼吸】集中力を高めて能力を発揮する
副交感神経を高め、適度な緊張を保ちつつ上がりすぎた交感神経を整える、過酷な状況でも心身をコントロールする呼吸法。不安や興奮、恐怖をその場で抑える効果がある。慢性的なストレスで常に呼吸が浅くなっている人にも最適。
5秒で吸って→5秒止める→5秒で吐く
まず息を吐ききったら5秒息を止め、おなかをふくらませながら5秒で息を吸う。5秒息を止める。おなかをへこませながら5秒で息を吐く。5回くり返す。
イラスト/Ayumi Nishimura 取材・文・構成/山本美和
Edited by 岡部 奈央子
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