肌にこだわるのは、
ハイブランドの服を着る上の礼儀
主演ドラマ『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。』に主演中の板垣李光人を間近で見ると、まずはその頭の小ささに驚かされ、そして全くもって「毛穴レス」なツルツルの肌に驚かされる。「美」を追求する「メイク男子」の最高峰は、「ヲタクなので、好きなことは探求しちゃうんですよね」と笑うが、その結果において女性に一歩もひけをとらない。何かすごい秘密やこだわりがあるんじゃないだろうか。
「いえいえ、そんなことないです。油断するとすぐに肌が荒れちゃうほうなんですよ。一番響くのは寝不足なので、午前1時までには寝るようにしています。コスメが合わないこともあるけど、こればっかりは使ってみないと良さもわからないので……ただやっぱり怖いので、合うものを見つけるとあんまり浮気はしないほうですね。最近では美容皮膚科に行くようになり、サプリも飲んだりして、割と安定するようにはなってきました。肌にこだわるのは、ハイブランドの服を着る上での礼儀だと思っているから。量産されていない服って、作り手の魂が宿っている、ある種の美術品だと思うんです。そこに対する敬意として、できることはやらなきゃいけないなと。だってキレイな花も、花瓶が貧相だと映えないじゃないですか?」
自分にふさわしい役なら
どんな役でも躊躇はない
特定の社会の価値観によって決めつけられた「男らしさ/女らしさ」=ジェンダーを超越した、まさにジェンダーレス。新作の主演ドラマで演じている主人公、スタイリストの相馬周(めぐる)は、その存在感のままのーーファッションやメイクを当たり前のように楽しみ、通常運転で女性に間違われることもしょっちゅうというキャラクターだ。だがそれ以上にキャラクターと共通する点は、「多様性=カラフルであること」が当たり前の世界を望んでいることだろう。
「撮影に入る前から、周くんの生き方だったり、芯の部分に関しては、自分に近いものがあると感じていました。自分がもともと考えているようなことが、そのまま周くんのセリフとして出てくるということもすごく多くて。だから役を作るというよりは、シーンごとに「板垣李光人」と「周」の比率を少しずつ調整しながら、基本は素直に演じました。そのほうが見てる方たちに伝わるんじゃないかなと思ったし。自分が演じるにふさわしい役であれば、どんな役であっても演じることに躊躇はぜんぜんありません。自分の考えていることや、この時代に発信する意味があることを、作品を通じて発信できるのっていうのも、なかなか贅沢なことだなと思います」
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無いもののようにスルーしても、結局は一時的な気休めにしかならない