連載 VOCE特別インタビュー

【窪塚洋介】まっすぐに生きている。長渕剛さんか、俺か

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【窪塚洋介】まっすぐに生きている。長渕剛さんか、俺か

どこかエキセントリックなキャラクターで誰にも真似できない個性を持った俳優。そんなイメージを持つ窪塚さんは、21歳のとき、映画『GO』に主演し、史上最年少で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞、最近では海外へと活躍の場を広げ、俳優人生のなかで、何度も変身して、そのたびに新しい自分になってきたと話す。そんな俳優・窪塚洋介だからこそ生まれた、自分に自信を持ちたいすべての人へ送るユニセックススキンケアブランド、AQX(アックス)とともに、後編では窪塚さんの俳優論、家族のこと、SNSとの関わり方などついてお話をうかがう。

前編:3月18日公開からのつづき>

【窪塚洋介】最高に醜い天使から最高に美しい悪魔まで、何でも演じられる

最高に醜い天使から最高に美しい悪魔まで、何でも演じられる

——最近は海外での活動を積極的に行なっているのですか?

窪塚洋介さん※以下、窪塚:昨年(2020年)、ハリウッドでの仕事の話もあったけどね、けっきょくまだ始まってもいなくてこんな状況だし、いつやるねん、て感じ(笑)。まあでも焦らず、マイペースにね。本当にやりたいものだけをやっていくようにしたいなと思ってます。特に役者はベルトコンベアみたいに次から次へとやっていく方法もあるけど、べつに、ハリウッドだからとか、海外の作品だから、「もうなんでもやります! あざっす!」みたいなことではないからね。日本で作品を選ぶのと同じように海外の作品も選ばないと、それってどうなのって感じだし。話題作だから面白くもない役をやる、これは出ておいたら良さそうだからやる、みたいなことで選ぶのは俺の中ではかっこわるいことだから、そういうのは自分はやらないということをちゃんと表現していきたいなって思いますね。

——窪塚さんが選び取った役はきちんと思い入れがあるからこそ、伝説として残っていくんですね。何か作品を選ぶ軸みたいなものはありますか?

窪塚:うーん、全部は比べられないけど、多分そこは直感だと思う。この監督だから、この人が出ているからではなくて、台本を読んで本当に自分がやりたいと思うかということ。べつにどんな役でもいいしね。

——最近ではいままでとは少しイメージと異なる、映画『ファースト ラヴ』の真壁我聞役で演じた“静”の姿が印象的でした。

窪塚:そうですね。まあ、あれは一周まわってきた今だからこそできた役なのかなって。役者を始めた頃はどんな役でもやれる“ゼロ”な人でいたいと言っていたけど、気が付いたら自分の色みたいなものが勝手に出てきてしまったんですよ。そういう役を選ばなくなったものもあるけど、自分の色のせいで来ないような役もあった。でも、いつでも常に最大のレンジを取っておくというのは変わっていなくて。最高に醜い天使から、最高に美しい悪魔までレンジを取っておけば、多分何でもできる。ホームレスでも、気さくなおっさんでもね。自分のワクワクに自由に任せらえるよう、役者として最大のレンジを取っておくのは自分の真髄という感じかな。

——それは、ドラマ『I.W.G.P.』や映画『GO』など、演じたキャラクターの色が強くですぎたということですか?

窪塚:うーん、まああれは各々のキャラだからもうちょっと外側にあるものだけど、どちらかというと、中にある俺の本体の色が出ている感じかな。自由に生きている、まっすぐに生きているみたいな俺自身の色があるから、そのことによって来ない役もあるだろうし、逆にそうじゃない役をやったときもうまく効かせられるかもしれないし。もちろん、自分が選ばない役もあるし、ワクワクできないってなるものもあるかもしれないよねって感じ。

【窪塚洋介】息子には息子の道があるから、尊重している

息子には息子の道があるから、尊重している

——最近では息子さん(窪塚愛流さん)も俳優活動を始めていますが、そういうことはお話ししたりしますか?

窪塚:直接的にはあまり言わないかな。俺が言っていることを知りたいなら、今まで無数に世にでているメディアがあるし、本も書いているから勝手に吸収すればって感じ。どちらかというともう少し具体的なことを色々と話していますね。台本の本読みに付き合ったり、とかね。あと、俺が読んで面白かったコラムを読んでみなと渡すこともあるよ。

——窪塚さんといえば、裏原宿ストリートの象徴であり、ファッションや髪型などそのスタイルに憧れた人も多いと思います。息子さんは窪塚さんをどんなイメージで見ているのでしょうか?

窪塚:もちろん俺の服を着させてきたこともあるし、なんなら気が付いたら俺の服を勝手に着てるよね。たぶん、俺が思っている以上に息子のなかで、俺の存在は当たり前で自然なことなんだと思う。俺の仲間とも会うから、知らない間にコネクションもできていたりするしね。でもね、俺の服だけ着てればいいのにと思うけど、あいつはあいつで、お小遣いで服を買ったりしているんだよね。あいつにはあいつのセンスがあるし道があるから、それは尊重して無理強いはしない。もちろんそれは息子に限らず誰にでもするかな。

——正直、こんなにおしゃれで理解のあるお父さん羨ましいです。

窪塚:俺もね、自分に育てられたかったです(笑)

——窪塚さんはインスタライブやYouTubeなどSNSでの発信でファンとの交流を積極的に楽しんでいますね。

窪塚:まあ、あれは宣伝のツールの一つだと思って、あんまり依存しないようにはしているよ。俺、Instagramは0フォローだし。誰かに“いいね!“をしたとかしないとか面倒くさいじゃん。でも、今は自分がメディアになれる時代になったから、俺が20代の頃に願っていた状況になれていると思う。芸能界というダムを決壊させる風穴を開けたのもインターネットやSNSの力だと思うし。それは、してやったり、という感じ。想いをダイレクトに伝えられるからこそ、今までオブラートに包まれていたものや演出されていたものをファンも見抜けるようになっていると思うんだよね。何て言うかな、ちゃんと生きてきた人は報われる時代になっているのかなと思う。今まではどうしても作られたものと一緒に肩を並べなきゃいけなかったから、どっかでそういう人の化けの皮がやっと剝がされるみたいな感じで気分がいいとは、思ってしまうよね。

【窪塚洋介】自分なりにまっすぐに生きることで、成り立つ仕事

自分なりにまっすぐに生きることで、成り立つ仕事

——大人になるにつれ、そういったピュアな想いは、ちょっとずつ揺らいだり、忘れてしまったりするように思います。窪塚さんがその感情を純度高く、まっすぐに生きていられるのはどうしてですか?

窪塚:ちゃんと生きているのかな、っていう感じだけど。まあまっすぐですね。長渕剛さんか、俺かっていう(笑)。でも、たとえそうじゃない生き方を選んでも、本人がそれでいいならそれでいいで思うし、誰にでもまっすぐ生きろとは言わない。ただ、俺はこうやって自分なりにまっすぐに生きている姿に共感してもらったり、いいねと言ってもらえたりして成り立つ仕事で、そういうのを見せているわけだから、まっすぐじゃないといけないなとは思うけどね。

——今ではSNSも広がり、窪塚さんの生き方がより評価されてきているのでしょうか。

窪塚:昔はそのせいで芸能界の窓際族になっていたけどね。よく、「窓のサッシの上を歩いています」とか言ってた(笑)。もっと楽に生きられるのにと言われたこともあったし、俺も思っていました。だから今の方が楽だと思う。当時よりね。

——それでも、むき出しで尖っている感じだからこその影響力はあったと思います。選択肢が山ほどある時代に何を選び取るのか。仕事への向き合い方など、「何かをやらない」ということはそれ自体が強いメッセージとして届けられたのではないでしょうか。

窪塚:そう思ってくれる人たちに届けたいなとは昔から思っていて。例えば、やらないという選択でメッセージを伝えることを今は意識的にしている。俺はYouTubeの番組を持っているけど、あれはマネタイズしていないの。卍LINEのMVは別だけど、役者や本名でやっているものに関してはコマーシャルを一切入れていない。それは、皆がYouTuberになってそれで食う、みたいなこの時代に対するアンチテーゼというか。あとね、YouTubeは間を詰めて編集するのがセオリーって言うけど、俺はほとんど編集していないんですよ。ダダ流し。変な間とかもいっぱいある。でもさ、全部間を詰めていったら何かを考える余韻もない。そういうのが大事じゃん。音楽もそうだよね。間があるから、乗れたり、浸れたり、考えられたりするけど、それを全部詰めていったら、何も考えないやつになっちゃう。何も考えたくないやつに発信していくことってどうなのかなと思って、そこへのアンチテーゼっていうところもあるんだと思う。

【窪塚洋介】奥さんにも使ってもらっている。自信を持っておすすめできるコスメ

奥さんにも使ってもらっている。自信を持っておすすめできるコスメ

——今美容業界ではメンズコスメブームですが、メンズコスメとおっしゃらず、ユニセックスとして打ち出したのも窪塚さんらしいなと感じました。老若男女でカテゴライズしない、そういうことが今の時代に刺さると思っています。

窪塚:ありがとうございます。メンズ側からユニセックスっていうのを提案してみるのはいいよね。この黒いボトルにウッドの組み合わせもすごくかっこいいしジェンダーレスに使えると思う。このボトルは使い終わると花瓶になるし、クリームのボトルは薬箱になるんだよ。容器にこだわったのはもちろん、テクスチャーも軽いし使い心地もいい。これだけのものを開発するのは相当時間もかかったけど、俺も毎日使っていていいなと実感するので自信を持っておすすめできますね。

——どちらか一つのコスメでスキンケアが完結するのがいいですね。

窪塚:そうでしょ? じゃあ、なんでこれ2個あんねんっ! てなるんだけど(笑)。 でも、「一つでいいんじゃないの?」という話をしたらそれは違うと。一つでも完璧だけど、二つ使うとより完璧だっていうね。なるほど、と思いこのラインナップにしてみました。口から先に生まれてきたと、俺はよくおふくろに言われてきたけど、これ舌先三寸じゃなくて、ガチだからね。より完璧になるように、まだこの後もいろいろ考えているから楽しみにしていてほしいな。

——コスメは直感のような感覚も大切だと思いますし、窪塚さんの感覚がそのまま伝わるコスメになっているのではないかと思います。先ほど話していた「何でも手を出すのではなく、手掛けていることは大切に育てていく」ということで本物だと感じるし、それが使い続けるきっかけになりそうですね。

窪塚:本当、少しでもいいから体感してほしいですね。ワンチャンでいいので。テクスチャーも心地いいし、使うとなんか癖になる感じ。でもさっぱりしているからメンズも使いやすいと思うよ。梨の香りもいいしね。

——香料としてではなく、肌荒れを防ぐ成分として入れた原料によって、結果いい香りになったというのがいいですね。こだわりの原料なのに価格設定も高すぎず、お子さん含め家族でも使いやすそうです。

窪塚:奥さんにも使ってもらったけど、「すごいいいね」って言っていた。プロダクトの木の色にもこだわったし、蓋を開ける時の音もいいから。袋もつくのでギフトにしてもらえるといいなと。プレゼントとしてもぜひ使ってほしいですね!

AQX モイスチャラインジングトナー
AQX モイスチャラインジングトナー

100ml ¥4400/ダイヤコーポレーション

復活草やヴィーガンコラーゲンなど、肌にうるおいとハリを与える自然の恵みをたっぷりと配合し、1本でリッチな保湿力を実現する化粧水。

モイスチャライジングクリーム
AQX モイスチャライジングクリーム

50g ¥4900/ダイヤコーポレーション

梨のエキスによる香りとともに、ジェルのようにみずみずしいテクスチャーで肌にすっとなじみ、べたつきを感じさせない高保湿クリーム。化粧水と一緒に使用することでさらなる効果を実感。

窪塚洋介
profile
1979年5月7日生まれ。神奈川県横須賀市出身。1995年俳優デビュー。2001年公開映画「GO」で第25回日本アカデミー賞新人賞と史上最年少での最優秀主演男優賞を受賞。映画を中心に活動を続け、2017年公開の「Silence-沈黙-」でハリウッドデビュー。2019年公開のBBC×Netflix London制作の連続ドラマ「Giri/Haji」が話題に。2006年からは卍LINE(マンジライン)として音楽活動を開始。そのセンスをいかし、詩やエッセイ、旅行記を手がけるなど、その活動は多岐に渡る。2021年、ユニセックスコスメ「AQX(アックス)」をローンチ。

撮影/MELON(TRON) ヘアメイク/佐藤修司(botanica make hair) 取材・文/池城仁来 ※スタイリングは窪塚さん私物

Edited by 渕 祐貴

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