「学生時代の初恋を思い出して、ピュアな部分を演じました」
―映画『ライアー×ライアー』では、ヒロイン・湊の幼馴染、鳥丸役を演じられた小関裕太さん。役が決まった際のお気持ちを教えてください。
「お話をいただいてから原作を読んだのですが、とにかく物語が面白くて。透も、湊も、僕が演じる鳥丸も、みんなちょっとした秘密があるんですよ。そこがすごく魅力的で、役者として演じがいがありそうなこの役を僕が演じられるんだ、と思ったときにすごく嬉しくてワクワクしました」
―優しくて紳士的な性格かと思いきや、積極的で男らしいというギャップを見せるシーンも印象的でした。役作りで特に工夫された点はありますか?
「原作もありますし、監督と色々話し合いを重ねながら考えていたんですが、最終的には“ピュアな鳥丸くん”を演じるというところに辿り着きました。大学生や20歳くらいになって周りの友人たちがたくさん恋愛をしているけれど、彼自身はそんなに恋愛経験がない。でも、そんな自分を隠すように頑張っている男の子という風に。だからこそ恋愛に積極的に見えたり慣れているように感じるシーンがあるけれど、何回か観ていると、実は頑張っているだけなんだな、というのが伝わるんじゃないかな」
―ピュアな烏丸くんを演じる中で、小関さんと共通する点はありましたか?
「僕も学生時代はあまり恋愛に積極的ではなかったので、烏丸くんを演じているときは、自分の初恋を思い出しました。好きな人に『ノート見せて!』や、『今何してるの?』など、本当にたわいも無いことを話しかけるだけでも緊張しながら勇気を出す瞬間。声が震えないように話しかける、みたいな感覚や感情が当時の僕と重なったので、思い出すことですごく演じやすかったです」
―日本建築が好きなキャラクターでもありましたが、その点は?
「そんなに詳しくは無いんですけど、歴史は好きです。神秘を感じるような遺跡は、写真だけでなく目の前で見てみたいですね。マチュピチュとか行きたい! あと僕はスーツが大好きでネクタイやシャツを集めたりしているので、いつか遺跡とスーツを掛け合わせた写真集を作ってみたいなぁという願望がふわっとあります。遺跡って昔のものだけど、スーツは現代を追って新しくなっていくファッション。昔のものと最先端を掛け合わせたら、面白いものができあがるんじゃないかなと思うんです」
―お持ちのスーツやネクタイの数は、結構多いんですか?
「スーツ自体は3〜4着くらいなんですが、ネクタイがめちゃくちゃ多いです。自分で買うものやいただいたプレゼントはもちろんですが、祖父からもらったネクタイがたくさんありますね。70年〜80年代のネクタイって裾広がりのシルエットで珍しいデザインなので、今のファッションに取り入れるのはすごく難しいんですよ。でも、祖父の想いがこもっているし、苦労人だった祖父が仕事につけていったものを身につけるという感覚を、僕自身が背負いながら服を楽しんでいる部分がある気がします」
「松村北斗くんとの現場での会話は、SixTONESの近況報告(笑)」
―主演の松村北斗(SixTONES)さん、森七菜さんとの共演はいかがでしたか?
「楽しかったです! 松村くんとは実は学校が一緒だったので、仕事現場というよりは学校の友達って雰囲気だなぁという感じで……(笑)。『SixTONESの(田中)樹くんや(京本)大我くんどうしてる?』なんて話をよくしていました。七菜ちゃんは今回が初めましてだったんですが、何かを投げると跳ね返ってくるし、投げるものを変えれば変わったものが返ってくる。鏡のような、反射神経が素晴らしい方だなと感動しました。共演をする前からどんな方かなと楽しみだったんですが、目の前にしてもお芝居が魅力的で、自然体な女優さんだなと思いましたね」
―今作のメインテーマでもある“嘘”。今まで小関さんが嘘をついたことは?
「どちらかというと、本当のことを思ったまま言うことで誰かが傷付くのはあまり好きではないので、そういうときはちょっと嘘をついちゃいます。優しい嘘ってやつなのかなぁ。ちょうど去年『四月は君の嘘』というミュージカルをやる予定だったときに、バレたら傷付く場合もあるし、『本当に優しい嘘って何だろう?』とか色々考えたりもしたんですよ。でもやっぱり、傷付けないのであれば嘘をつくべきなんじゃないかな……という結論になりました。ちなみに僕は小さい頃から子役をやっているというのも影響しているのかもしれませんが、自分の好きな人が噂になるのがすごく嫌で。『気になっている人いるの?』という質問に対して、『今はいないんだよね』みたいな嘘は、今でもついちゃうかもしれないです(笑)」
―(笑)。それだと、本当に好きな人から誤解されたりしませんか?
「よく誤解される方でした。学生時代は、『小関くんって恋愛に興味ないと思ってた!』と言われたこともあります。ちょっとショックだったなぁ……。それから少し意識変わったかもしれない。ちゃんと恋愛大好きですよってアピールしたほうがいいのかなぁって謎に考えすぎていた時期もありました(笑)。今はそんなことないですけど」
―ちなみに小関さんにとって、嘘から始まる恋はありorなし?
「ありだと思います。場合にもよるんですけど、咄嗟に照れ隠しで嘘をついちゃうこともきっとあると思うんです。実はお互いに好きだったと気付いて生まれる恋愛話とか、たまに聞きますし。気付いたら好きになっていたって話を聞いてすごくドキッとしたこともあるから、そういうのは素敵だなと思いますね」
「ホントの小関裕太を探る、5つの質問」
Q1.最近のおうち時間、何してる?
「ゲーム。最近は塊魂というゲームを1日で全クリしちゃいました。携帯ゲームもそうなんですけど、できる限り進めて、短期間でハイ終わり!ってするクセがあるんです。それでスッキリするから、仕事モードに切り替わるんですよね」
Q2.世間の印象とご自身の素顔にギャップを感じるところは?
「ふんわりしているね、と仰っていただくことが多いんですが、実はディスカッションとかが好きなところはギャップかもしれない。役についての話し合いとかもただ聞くだけじゃなく、事前にたくさん考えて自分の意見を持っていくという行動が好きなんです」
Q3.ボディケアで心がけていることは?
「ストレッチをするためにマッサージをする。筋肉をほぐしてから骨に定着させて、それを維持して次の段階に行く、というのをここ2〜3年くらいしています。ストレッチもマッサージもそんなにすぐに結果が出るものではないので、長い目で見ながら身体を作っていっている最中です。あとは最近ハマっているのが、針治療。もともとは怪我をしたときとかにスポーツ針をよくやっていたんですが、健康な状態で針をやるとより身体の可動域が広がるんですよ。呼吸もしやすくなるし、リラックス効果もあるのでオススメ」
Q4.美しくいるための秘訣は?
「好きなものを追うこと。食べ物、ファッション、絵や色、仕事……。もともと多趣味なんですが、好きなものを追っていると新しい自分の一面を知れるんです。そうすることで、ワクワクするし、気分が高まる。それが生き生きとした肌や表情に繋がるんじゃないかなと思います。ちなみに今一番追っているのは、“寝る前に何をするか?”。制限時間30分や1時間の中で、最大限にできるものを探したりするのが好きです。お風呂に浸かってストレッチをしたり、どこをほぐしたら一番リラックスして眠れるのかを試したり。眠りの質が変わると、見る夢も変わるから!(笑)」
Q5.最後にとびきりの嘘を一言!
「ん〜……鶏肉大好き! いや、本当は好きなんですけど、この間あるロケで鶏を裁くということをして衝撃的だったので、今はちょっと苦手な時期です」
小関裕太(こせき・ゆうた)
PROFILE:1995年6月8日生まれ、東京都出身。2006年、NHK『天才てれびくんMAX』のテレビ戦士として活躍し、子役として俳優活動を始める。主な出演作品はミュージカル『テニスの王子様』(’11)、ドラマ『わたしに××しなさい!』、『ゼロ 一攫千金ゲーム』、映画『春待つ僕ら』(すべて’18)など。現在放送中のドラマ『おじさまと猫』や『知ってるワイフ』、ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMLOT』にも出演している。『小関裕太2021-2022カレンダー FOUR SEASONS』が3月に発売予定。
映画『ライアー×ライアー』
©︎2021『ライアー×ライアー』製作委員会
恋愛経験ゼロの地味女子大生・湊(森七菜)は、同い年の義理の弟・透(松村北斗)と同居中。女癖の悪い透が原因で、お互いに冷たい態度を取り合っている。ある日、親友・真樹(堀田真由)の頼みで高校の制服にギャルメイクで街に出た湊は、偶然にも透に遭遇……! とっさに別人のJK“みな”だと嘘をつくが、それを信じた透は“みな”にまさかの猛アプローチ。“みな”として付き合うことになる湊は別れるタイミングを伺うが、不覚にも透にキュンとしてしまう。同時に、大学のサークル交流会で再会した幼馴染の烏丸(小関裕太)からも告白!? 嘘から始まった前代未聞の<2人なのに三角関係>の行方はー?
2021年2月19日(金)より公開
出演/松村北斗(SixTONES)、森七菜、小関裕太、堀田真由、七五三掛龍也(Travis Japan/ジャニーズJr.)、板橋駿谷、竹井亮介、相田翔子
撮影/大靍円(昭和基地 ¥50 management) ヘアメイク/MIZUHO(Vitamins) スタイリスト/吉本知嗣 取材・文/高橋夏実
Edited by VOCE編集部
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