【齋藤薫さん特別寄稿】
ロート製薬がなぜ肌ラボを生んだのか?
ビューティジャーナリスト
齋藤薫さん
「肌ラボ」こそ、コスメ界“下克上”の急先鋒!
今、コスメ界にかつてないほどの地殻変動が起きている。ひとことで言うなら、下克上。いわゆるプチプラコスメが、プレステージコスメを上回るような信頼と評価を得てしまう……それを当たり前に感じるような新しい時代が来ているのだ。
その急先鋒となっているのが、他でもない「肌ラボ」。既に誕生から20年、売り上げ個数でドラッグストアNo.1※1を記録するほど、今やドラッグコスメの代名詞ともなっているブランドだけれど、この「肌ラボ」以前と「肌ラボ」以降では、プチプラコスメの意味が変わってしまったほど、コスメ市場に多大な影響を与えている。これほどの低価格で、なぜこんな凄い化粧品が作れるの?
「肌ラボ」のラインナップが増えるほどに、業界内にそういう疑問が巻き起こるほど、価格と中身に良い意味でのギャップがありすぎる、歴史的なコスパの良さが驚きを呼んでいるのだ。
「高いものほど効く」という法則は、もはや普遍的なものではなくなった。それにしても、プチプラ系の化粧品が言ってみれば1桁違う価格のスキンケアと遜色ない効果をもたらすとしたらどうだろう。それこそ、化粧品の価格って何なのか? みたいなことまでわからなくなってくる。ともかくそういう途方もない境地を見せてくれたのは確かなのだ。
プチプラコスメほど、バックボーンを見なきゃダメ
ではなぜ「肌ラボ」なのか? そこには納得の理由があった。結論から言うなら“生みの親がロート製薬だったから”。プチプラコスメほどバックボーンが重要で、製薬会社であるというだけで信頼性は充分すぎるほどだけれど、なぜロート製薬が肌ラボを作ったのか、それ自体もきちんと知っておくべきなのだ。ロート製薬は言うまでもなく、老舗の製薬会社。もちろん化粧品を作る製薬会社は少なくないけれど、ロート製薬はそういう意味でも実は一線を画す。
まず、スキンケア界に新風を吹き込んだご存じ「オバジ」も、ロート製薬発。高名な皮膚科医であり、スキンケアにも精通するオバジ博士が唱える「肌本来の力を目覚めさせる“攻めるケア”で、結果を出すことこそが重要」というSHR理論に基づく高機能化粧品。その当時、低刺激であることを何より重要と考えるのが“製薬系コスメ”であったのに対し、効果に特化したオバジの誕生は革命的だった。
一方で、“製薬系”初と言っていい百貨店向け高級ブランド「エピステーム」は、ロート製薬が誇る再生医療研究や目薬のオーソリティーとしての知見を余すところなく生かした先進のエイジングケア※2として、最前線で効果を競っている。
そう、ロート製薬は化粧品開発においても結果ありき、エビデンスに何よりこだわる稀有な“製薬系”と言えるだろう。肌に負担をかけないのは当然のルールとして、効果に強くこだわるのも、製薬会社の使命であると考えた。それも今に始まった話ではなく、歴史を紐解くと、そもそもロート製薬がなぜこれほど熱心に化粧品に取り組んだか、なるほどなストーリーが見えてくる。
胃薬、目薬、肌軟膏……世の中が変わるたびに市販薬を作ってきた
創業は1899年。モットーは「世の中にないものを作ること」。125年前に食生活が変化したのを受けて「万病の元は胃にある」と、胃腸薬「胃活」を発売した。今でこそ「胃腸トラブルは万病の元」がひとつの常識になっているけれど、それを明治時代に啓蒙し、市販薬を作って提供したこと自体、開拓者精神に溢れていたのを物語る。さらに1909年には、日露戦争終結後にトラホームと呼ばれる伝染性の結膜炎が流行したのを受け、いち早く点眼薬「ロート目薬」を発売。その後、今の目薬の形に近い、滴下式の新容器を作って、目薬業界にも革命を起こしている。
つまりは、社会の変化に常に目を向け、とても身近な、誰にでも起こりがちなトラブルを、医者に行かずに治せる薬を提供したいと、世の中にない薬を発明するのがロート製薬だったわけで、実は肌に対しても同じ思いを持っていた。それが、今から約50年前の「メンソレータム」発売につながるのだ。
日本の家庭ではその50年前からずっと“皮膚トラブルなら、何でも「メンソレータム」”というくらい、国民的な肌の治療薬であり続けているわけで、それは胃腸薬や目薬と同じ、みんなの日常的なトラブルに、いつも身近に寄り添う薬を作りたいという強い使命感の表れだったのだ。
こんなにウソのない使命感を持つ化粧品って、なかった
じゃあロート製薬が化粧品ブランドを次々に世に送り出したのはどうしてなのか? これは、製薬会社が提供する健康の先に美があって、それが人を幸せにするという仕組みに心を動かされたから。
そして「肌ラボ」は、“精一杯の効果”と、“ずっと続けてもらえる価格”を両方諦めないという、とてつもなく高いハードルへの挑戦だった。何よりそれが人を幸せにすることと確信したから。
また同時に揺るがぬ信頼を得るためには、常に美肌づくりの主役である有名成分をできる限り手厚く、リミットまで配合すること。極潤はナノ化ヒアルロン酸※3、白潤はトラネキサム酸※4というふうに……。とりわけヒアルロン酸は、乳酸発酵ヒアルロン酸※5、ヒアロリペア※6、8種のヒアルロン酸同時配合と、極潤シリーズにおいてみるみる進化させてきた。ひとつの成分をとことん追究する姿勢が、奥行きある全方位のスキンケアを生んだのだ。
もちろんそれは、価格との戦い。でも1000円前後というミニマルな価格にこだわり続け、そのぶん、別のところでコストダウンするという努力を惜しまなかった。もちろん地球環境にも配慮しながら。
そうやって信頼を得ていくと同時に、“製薬系”が考える「一品ケアの未来形」をアピールしていった。基本のキの「化粧水」、すべての肌のマストケアである「保湿」、そこに財産のすべてを注ぎ込み、独特のとろみや心地よい浸透までが存分に心を満たすのに、どこまでも簡潔、だからすべての人が無理なくずっと続けていけることに心を砕いた。肌に不要なものは与えずにシンプルに徹しながら、肌をとことん潤すのは、処方的にひどく難しい。ただそこも決して諦めることがなかった。この保湿化粧水一品でここまでキレイになれるのだということを知らしめるだけで、人々にどれだけの安堵と幸福感、自信までを与えられるか、計り知れないから。
人生100年時代のため、誰もがイキイキと生きるための潤い構想?
ひょっとすると「肌ラボ」は人生100年時代をも意識して成長を続けているのではないか? つまり従来のスキンケアとしてだけではない、これからは年齢を問わず性別を問わず、老若男女すべての人が、長い人生を美しくイキイキと生きていくために、歯磨きのように当たり前に、肌の調子を整える潤いを求めるようになってくるはず。そこまで考えた一品ケアは、未来永劫、掛け替えのない存在であり続けるのではないかと思うのだ。
もうわかったはず。「肌ラボ」は、何も売り上げ1位を目指してきたわけではなく、むしろ一人でも多くの人が“肌も丸ごと健康だから幸せでいられる未来”を追い求めてきただけ。その結果、大ヒットとなった。これほどウソのない使命感を持った化粧品ってあっただろうか。愛される理由は、まさしくそれ。そこに尽きるのである。
美賢者たちも大満足の保湿力“私はこうやって肌ラボで潤い倒します”
充実のラインナップ
全商品“ヒアルロン酸”を配合! シリーズごとにヒアルロン酸の種類を使い分けるこだわり設計
乾いた肌にスッとなじむやさしいとろみ
■極潤ヒアルロン液>>
販売名:ハダラボモイスト化粧水d 170ml ¥814(編集部調べ)
肌が本当に求める潤いを追求したスタンダードタイプ。必要のないものはできる限りそぎ落としたシンプルな処方。肌になじませたあとはモチモチに。
まるで美容液のような潤いが続く!
■極潤プレミアム ヒアルロン液>>
販売名:ハダラボスーパーモイスト化粧水c 170ml ¥990(編集部調べ)
こっくりとしている濃厚な質感なのに、肌に広げるとスッとなじんでもっちりと。潤いを長時間キープしたい人、美容液感覚で取り入れたい人におすすめ。
シワ改善しながら透明感※7もアップ!
■極潤 薬用ハリ化粧水>>
販売名:ロートH薬用リンクル化粧水La 〈医薬部外品〉 170ml ¥1100(編集部調べ)
有効成分としてナイアシンアミドを配合。コラーゲン生成を促進し、シワを改善しながらシミ対策※8も。もちろんヒアルロン酸配合で潤い効果も。
さっぱりとした使用感で潤いも明るさも
■白潤 薬用美白化粧水>>
販売名:ロートH薬用美白化粧水La 〈医薬部外品〉 170ml ¥814(編集部調べ)
美白有効成分のホワイトトラネキサム酸※9、肌荒れ防止有効成分のアラントインを配合。さらにハトムギエキス※10なども入っていて、肌状態を整えながら明るく!
美白&抗炎症成分配合で効率よくシミケア
■白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水>>
販売名:ロートHP薬用ホワイトニング化粧水La 〈医薬部外品〉 170ml ¥990(編集部調べ)
ホワイトトラネキサム酸とグリチルリチン酸2Kを有効成分として配合。シミができる初期段階にアプローチできるから、曇りなきしっとり肌が目指せる。
肌荒れ、大人ニキビ※11を健やかに
■薬用 極潤 スキンコンディショナー>>
販売名:ハダラボ薬用化粧水b 〈医薬部外品〉 170ml ¥922(編集部調べ)
2つの抗炎症成分※12を配合し、ニキビや肌荒れを防ぐ。和漢植物エキスを含む5つの潤い成分※13が肌にスッとなじみ、しっとりさせつつも表面はベタつかない。
「パーツごとに使い分けて全身を隙なく保湿」
八木アリサさん(モデル)
乾燥する季節になってきたので、肌ラボのローションを贅沢に全身使いしてます。まず基本となるのは、ゴールドの極潤プレミアムと赤の極潤エイジングケア。どちらもとろみがあるからマッサージしやすく、なじませるうちにモチモチになって気持ちいい! そして夏に日焼けしてしまった足の甲や腕はブルーの白潤でケア。背中は汗や乾燥でニキビができやすいので、グリーンの極潤トラブルケアをたっぷりと。体のパーツによって聞こえる悲鳴が違うから、成分や使用感がバッチリなものを選べる肌ラボのローションはボディケアにも使いやすいんです。
「肌の暦に合わせた使い分けでとことん潤いやすい肌づくり」
水井真理子さん(トータルビューティアドバイザー)
せっかく6種類もあるのですから、時季により変化する肌状態、“肌暦”に合わせて使い分けてみて。そのときどきにピッタリな一本を取り入れることで、お手入れの満足度が高まるし、肌のコンディションも整います。
◆1・2月
カサカサ肌をじっくり保湿
水井真理子さん
乾燥してシワやくすみが出てくる真冬は、エイジングケア効果がうれしい。
◆3月
美白仕込みプラス肌荒れ防止も!
水井真理子さん
3月は美白ケアの準備をしたい時季。肌荒れ防止効果もあるのでこれがばっちり。
◆4・5月
皮脂による肌悩みをすばやくケア
水井真理子さん
気温と湿度が急上昇して皮脂トラブルが出がちなので、この一本で予防を。
◆6〜8月
夏の間はずっと本格美白を継続
水井真理子さん
紫外線ダメージをすばやく鎮火! 首のうしろや肩などにも忘れずに塗布を。
◆9月
美白しながらダメージケアも
水井真理子さん
夏の肌トラブルを引きずりがちな時季なので、美白※8&肌荒れ防止ケアを投入して。
◆10月
潤いを引き込んで保湿強化スタート
水井真理子さん
グッと涼しくなってきたらこれにスイッチ。潤いをため込める肌に整えます。
◆11・12月
ヒアルロン酸を肌の奥※14までしっかりと
水井真理子さん
乾燥してくる季節は、ヒアルロン酸※15をしっかり浸透※14させて保湿力を感じよう。
「くすみが気になるときはコットンパックで潤いをみちみちに」
剱持百香(VOCE編集部)
肌をワントーン明るくしたいときは、白潤プレミアムをコットンにたっぷり浸して顔に貼りつけ、5分間のパック。シートマスクより顔の形にピタッと合わせられるし、小鼻の脇や目の下など、赤みが気になる部分まできっちり覆えるので、オーダーメイド感覚でケアできます。剝がしたあとは極潤のエイジングケア化粧水※16をなじませて潤いを満タンに。ブライトニング、肌荒れ防止、そしてハリ、と2本で欲しい効果が網羅できて、効率よく光がめぐる肌になれます。
潤いみちみち肌で
\メイクの崩れも防ぎます/
※1 インテージSRI+基礎化粧品5カテゴリ(化粧水・乳液・美容液・クリーム・フェイスマスク) セルフ+薬系市場:主要シリーズ別 2007年6月~2024年5月 販売個数
※2 年齢に応じたうるおいケア
※3 加水分解ヒアルロン酸(うるおい成分)
※4 美白有効成分
※5 乳酸球菌/ヒアルロン酸発酵液(うるおい成分)
※6 加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル(うるおい成分)
※7 うるおいによる
※8 メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ
※9 トラネキサム酸(美白有効成分)
※10 ヨクイニンエキス(うるおい成分)
※11 ニキビを予防する
※12 グリチルリチン酸ジカリウム、イプシロン-アミノカプロン酸(すべて抗炎症有効成分)
※13 ヨクイニンエキス、ドクダミエキス、カモミラエキス(1)、ヒアルロン酸Na-2、スクワラン(すべてうるおい成分)
※14 角層まで
※15 加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、ヒアルロン酸クロスポリマーNa、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、ヒアルロン酸Naアセチルヒアルロン酸Na、加水分解ヒアルロン酸、乳酸球菌/ヒアルロン酸発酵液、加水分解ヒアルロン酸Na(すべてうるおい成分)
※16 年齢に応じたうるおいケア
提供/ロート製薬コミュニケーションコール(肌ラボ)
0120・503・610
https://jp.rohto.com/hadalabo/
撮影/nara(vale./人物)、大原敏政(aosora/静物) ヘアメイク/田中宏典(水井さん)、小松胡桃(ROI/八木さん、剱持) スタイリング/川﨑加織 取材・文/穴沢玲子 構成/大木光
Edited by VOCE編集部
公開日:
この記事に登場したコスメ(5件)