こんなに歌もお芝居も大好きになれるなんて、音楽学校時代には考えられませんでした。
美夢
幼い頃から宝塚を目指していたんですか?
野々花さん
私は舞台が大好きで、劇団四季に憧れていたんです。でも中学2年生の頃にお世話になっていた先生に宝塚という世界を教えていただいて。初めて観た宝塚は95期生の方々の宝塚音楽学校の文化祭なんです。
美夢
文化祭を! それは珍しい出合い方ですね。
野々花さん
そこで宝塚音楽学校って、こんなにいろいろな芸事を学べる学校なんだ、と惹かれました。その後に95期生の初舞台公演も観劇させていただいて、どんどん気持ちが強くなっていきました。
美夢
そして数年後、99期生として入団されたんですね。
野々花さん
バレエは3歳からやっていたのですが、それ以外のことはまったくやっていなかったので、はじめはお芝居は恥ずかしくてできなかったし、歌は全然声が出なくて苦労しました。
美夢
音楽学校の2年間で開花したのでしょうか。
野々花さん
全然していないです! 下級生時代も本当に戦っていました。
美夢
それでも新人公演の『ファントム』のクリスティーヌ役など、見事に演じていらっしゃいましたね。
野々花さん
クリスティーヌ役は本当に挑戦でした。歌うことが怖かった私に真彩さん(※編集部注:元雪組トップ娘役の真彩希帆さん)が歌の楽しさや、歌に対する向き合い方を教えてくださったので、歌に対する意識が大きく変わりました。こんなに歌もお芝居も大好きになれるなんて、音楽学校時代には考えられませんでしたね。
美夢
出演された作品はどれも大切な作品ばかりだと思いますが、強いて思い出に残った作品をあげるとしたらどれでしょうか?
野々花さん
『39 Steps』でしょうか。自分が卒業を決めて、出演させていただいた作品ですが、これまでのご褒美のような毎日でした。
美夢
専科の凪七瑠海さん主演の作品ですね。
野々花さん
男役を極めていらっしゃるかちゃさん(※編集部注:凪七瑠海さんの愛称)の相手役をさせていただけたのは、毎日とても幸せでした。娘役を本当に大切にしてくださり、舞台上で心から幸せって思わせてくださる、偉大な男役さんです。
美夢
素敵すぎます。
野々花さん
かちゃさんとは『39 Steps』で初めてご一緒させていただきましたが、出会えたことに心から感謝しています。
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