宝塚歌劇団・星組トップスターとして、圧倒的な人気を誇る礼真琴さん。演技やダンスはもちろん、何よりものびやかでどんな音域もカバーする歌声に圧倒されるファンも多いはず。今回リリースするアルバムは、なんと構想1年にも及ぶ力の入った大作とのこと。早速礼さんにVOCEが単独インタビューを敢行! 想像を遥かに上回るフレンドリーさ、そしてチャーミングな受け答えは、読んでいるうちに自然と口角が上がってしまうはず。VOCE読者のための特別動画とプレゼントは記事の最後にありますので、ぜひ最後までご覧ください。
聞いてくださる方の背中を押したい
VOCE
今回は全曲J-POPのカバーアルバムということですが、どんな基準で曲をセレクトされたんですか?
礼真琴さん(以後礼さん)
まず最初は、メロディがささるもの、好きだと思うものを並べてみたんです。そうしたら、50曲くらいあって! その中から曲に込められているメッセージ性を考えながらさらに絞っていきました。「聞いてくださる方の背中を押したい」「みんなが抱えているわだかまりみたいなものに共感したい」……そうやって考え抜いた“選ばれし10曲”です。
VOCE
全10曲、全て聞きごたえがありました!
礼さん
全員元々大好きなアーティストさんばかりです。でも曲を歌わせていただくにあたり、「このアーティストさんと言えばこの曲だよね」というのではない曲をあえてピックアップしたいなって思って。
VOCE
はい、ある意味意外な選曲でした!
礼さん
タイトルだけ見ると「誰の曲だろう?」と思うかもしれませんが、アーティストさんは皆さんご存知だと思います。宝塚歌劇を応援してくださっている方々にも、こんな素敵な曲があるんだ、と感じていただけるとうれしいですし、アーティストさんのファンの方々にも「宝塚ってどんなところかな?」と思ってもらえるきっかけにしてほしいと思ってつくったアルバムです。
VOCE
アルバムのタイトル「REACH」に込められた思いは?
礼さん
私の想いに繋がるワードは何だろうと考えたんです。宝塚とそうじゃないところを繋いでいく架け橋みたいなイメージ、想いが届くよう希望を込めてつけました。
VOCE
一番思い入れがある曲は……全てかもしれませんが、強いて言えば??
礼さん
うーん、やはり1曲目のAdoさんの『ギラギラ』ですかね。2021年のコンサート『VERDAD(ヴェルダッド)!!』をさせていただいたときに歌ったんですけど、そのとき宝塚ファンの反響がすごかったんですよ。宝塚でAdoさんを歌う衝撃と、これをきっかけに「Adoさんを好きになりました!」と言ってくださる宝塚ファンの方もたくさんいらして。そのときに可能性が広がった感覚があったので、この曲はもう一回フルでちゃんと歌いたいなって思ったんです。
VOCE
この曲で好きなフレーズや歌詞はありますか?
礼さん
この『ギラギラ』のストーリーって、自分に対してネガティブな物語なんですよね。その中で、でもある意味開き直って突き進んでいく強さみたいなところが大好きなんです。「正直言って私の顔は、そう神様が左手で描いたみたい」とか、宝塚では絶対歌わないような歌詞が散りばめられている。でも「スパンコールの瘡蓋で身を守る」って歌詞もあって。もしかして自分もスパンコールで何かを守ったりしているのかな、などと考えさせられた曲です。そしてぎらついていたいという姿勢が好きですね。
VOCE
では、一番難しかった曲は?
礼さん
全体的に英語に苦しみました。私、何も考えずに英語のコーラスが入る曲を選んでしまう節があるみたいなんです。レコーディングしてくださった方が流暢な英語を話される方で、英語の発音も教えてくださり、できるだけ本家に近づけたいと頑張りました! 歌の練習ではなく、英語の練習が始まるっていう時間が結構ありましたね。
あと、YOASOBIさんの曲は普通に難しい! テンポも速いし、音もコロコロ変わるし、音の幅も果てしない。それがYOASOBIさんの魅力ですよね。
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桜木みなとさんとのデュエットについて語る!