【SPECIAL INTERVIEW】
「香りは、私にとってスペシャル。意識外にあるはずなのにパワフルな影響をもたらす、神秘的でマジカルなものなのです」 ——ナタリー・ポートマン
俳優
Natalie Portman
1981年生まれ。’94年に映画『レオン』のマチルダ役でデビュー。今や誰もが知る世界的俳優として活躍する傍ら、社会問題にも積極的に取り組む。現在、実話をもとにした映画『メイ・ディセンバー ゆれる真実』が公開中。
「自分が望む香りとともに人生を歩んでいます」
1947年にクリスチャン・ディオールによる初めてのコレクションとともにメゾン初の香水として誕生した、愛のように優美に香る『ミス ディオール』。以来、時代のスピリットに呼応するように幾度となく新たな解釈を施してきた。そして今年、フルーティなジャスミンとウッドのコントラストが際立つ、新世代のエスプリを体現する『ミス ディオール パルファン』が登場。この『ミス ディオール』のCMで長年チャーミングな姿を見せているのが俳優のナタリー・ポートマンだ。
「ミス ディオールの歴史と重なり合うように、私の人生も変化を遂げてきました。それだけに、とても特別で大きな存在です」と語る彼女にとって、香りとは?
「私にとって最初の香水は、映画『レオン』の撮影のときに、(主演の)ジャン・レノから贈られたもの。手にした瞬間、“大人になった”と思ったのを今でも鮮明に覚えています。また、幼い頃に“人には、その人自身の香りがある”と気づいたときの記憶もパワフルです。私たちが人とコミュニケーションをとるとき、意識的に重きを置くのは視覚、聴覚、触覚であり、嗅覚は意識外にある。にもかかわらず、香りは記憶とのつながりを持ち、私たちにとても影響を与えているのです。動物の感覚について書かれた本には、“香りを感じる受容体は免疫系に属し、ヒトには嗅覚で病を判別する能力がある”とも記されており、まさにマジカル。私たちの理解が及ばないところと香りはつながっているからこそ、興味深く重要だと思います」
大人になった今も、母から教わったまとい方をルーティンにしているというナタリー。
「香水を空間にひと吹きし、その中を通る。すると繊細に香るのです。他人のためでも身だしなみのためでもなく、自分が何を望んでいるのかを考えて、私は香りを選んでいます。皆さんにも、自分のためにまとってほしいですね」
ミス ディオール展覧会 ある女性の物語 東京・六本木で開催
エヴァ・ジョスパンによる『ミス ディオール パルファン限定エディション』。花々の繊細な刺繡がボトルのリボンやトランクに施され、幻想的で華やかな美しさ。
1960年代に世界規模で展開された『ミス ディオール』ライン。日常に取り入れやすいエレガントスタイルを提案。
1949年に発表された『ミス ディオール』のドレス。そのドレスが展示されたスペースでは、幾千ものシルクフラワーに包まれて花々の香りを体験できる。
『ミス ディオール』の優美な世界観を贅沢に表現した、多幸感あふれる空間
新『ミス ディオール パルファン』の誕生を記念し、世界中を巡ってきた「ミス ディオール展覧会 ある女性の物語」が東京・六本木ミュージアムで今年6月、7月に開催。多くのアーティストにインスピレーションを与えてきた『ミス ディオール』の自由な精神を称え、ディオールが受け継ぐクチュール作品やオブジェとともに、国際的に活躍するアーティストたちとのコラボレーションによるアート作品を展示。五感すべてが揺さぶられると大絶賛の中、閉幕。
撮影/Yuto Kudo 取材/遠藤友子 文/楢﨑裕美 構成/鬼木朋子
Edited by 鬼木 朋子
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