連載 VOCE特別インタビュー

【松本潤】13年ぶりの舞台出演!演劇界の旗手・野田秀樹さん率いる『NODA・MAP』で切り拓く新しい扉【前編】

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NODA・MAPのカンパニーはチーム感がすごい!

NODA・MAPのカンパニーはチーム感がすごい!

──久しぶりの舞台ということで、観る側としてはとても期待が膨らんでいるのですが……。ご自身が久しぶりの舞台で表現したいモノや掴みたいモノはありますか?

「僕自身は、ないです。それを言うなら、野田秀樹さんという劇作家が作り出す世界観をどう表現できるか、というところに注力したい。僕だけではないと思いますが、“媒介者”というか……。野田さんが何を描きたいのか、何を表現したいのか、というのを理解し、自分の肉体を通してそのカンパニーの一員になることで、野田さんの描く世界観を表現する一部になれたらと思っています」

──それを実現するために、ご自身が持っている“課題”というものはありますか?

「舞台特有の感覚的なところや自分の身体的な表現方法とか、そういうのをしっかりやらないといけないと思っています。ワークショップで動いてみて、『ああ、舞台の感覚はこうだった!』と思い出している部分もたくさんあります。実際は稽古が始まらないと見えてこないので、これからですかね」

──『あゝ、荒野』に出演されたときは、舞台に立つことに対しての醍醐味のようなものをどう感じられましたか?

「寺山修司さんの作品でしたので、それもまた言葉がすごく印象的でしたし、その作品を通して演出の蜷川さんがどういうイメージを具現化したいのかを感じられるのが醍醐味だと思います。僕らの世代は、いわゆるアングラというか、そういう時代の新宿は知りませんが、当時はゴールデン街を訪れたりして、『昔って多分こうだったんだろうな』って思いを馳せたりする時間も実際にありました。舞台ならではの時間軸の感情というか、その舞台の間だけ、旅をできる感情の波というのがあったので、今回はそれがどんなふうになるのだろうと考えると楽しみです」

──野田秀樹さんの印象について、深掘りさせてください。劇作家、演出家としての野田さんの印象と、共演者としての野田さんの印象はどんなふうに異なりますか?

「ワークショップで一緒に身体を動かすところまではやっていますが、まだセリフを一緒に言い合うことはしていなくて。まだ野田さん自身がみんなの動きを観ているタイミングだと思うので、まだ共演者としての感想は難しいですね」

──では、演出家、劇作家としてのイメージやNODA・MAPに対して持っていたイメージなどをお聞かせください。

「NODA・MAPの作品は、アンサンブルのみなさんを含めたチーム感やクオリティの高さみたいなものが素晴らしいなと、ワークショップに参加していて思います。演出家である野田さんの意図を汲み取るのも早いですし、『野田さんはこういうことを求めているんじゃなかろうか』と思って作ってみると、野田さんが全然違う方向に変えたり(笑)。関係性としてもすごく素敵ですし、結果的に芝居の可能性を広げていくような気がします」

──ついて行くのが大変そうです!(笑)

「野田さんは、常に新しいアプローチ方法はどこにあるかを探るために、僕はあえて難解にしている部分があると思っていて。スタッフのみなさんも、野田さんが『こういうのが欲しいんだけど』と言った瞬間にすぐに用意してくださったりと、野田さんの要望への対応力がとにかくすごい。チーム感が、本当に素晴らしいんです」

13年ぶりの舞台に挑戦するという興奮はありながらも、とても客観的に自分自身やカンパニーを分析する松本さん。公私ともに仲が良いと言われる野田秀樹さんとの共演を楽しみにしていらっしゃるようです。後編では長期間の舞台に備えるためのティップスや、共演者の方々との過ごし方について迫ります。

【プロフィール】

松本潤(JUN MATSUMOTO)
1983年、東京都生まれ。99年に嵐のメンバーとして『A・RA・SHI』でCDデビュー。嵐のコンサート演出等も担い、プロデューサーとしての一面を持つなど多彩な才能を発揮している。23年『どうする家康』でNHK大河ドラマ初出演にして初主演を果たす。主な出演作に、ドラマ『花より男子シリーズ』『99.9-刑事専門弁護士シリーズ』『となりのチカラ』、映画『ナラタージュ』『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』など多数。97年の舞台『Stand by Me』で初舞台を踏み、06年には野田秀樹作、蜷川幸雄演出の『白夜の女騎士』で主演・空飛びサスケ役を演じた経験を持つ。本作でNODA・MAP初参加。

【作品紹介】

出演:松本潤 長澤まさみ 永山瑛太
村岡希美 池谷のぶえ 小松和重
野田秀樹 竹中直人 ほか

【東京公演】2024年7月11日(木)~8月25日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
【北九州公演】2024年9月5日(木)~9月11日(水) J:COM北九州芸術劇場 大ホール
【大阪公演】《9/1(日)チケット一般発売》
2024年9月19日(木)~10月10日(木) SkyシアターMBS
★全公演にて当日券販売あり。

【ロンドン公演】2024年10月31日(木)~11月2日(土) Sadler’s Wells Theatre

公式ホームページ https://www.nodamap.com/seisankaku/

ジャケット59400/mando(mando) シャツ25300/LAD MUSICIAN HARAJUKU(LAD MUSICIAN) パンツ29700/mando(mando) 靴55000/LAD MUSICIAN HARAJUKU(LAD MUSICIAN)

撮影/楠本隆貴 ヘアメイク/竹内美徳 スタイリング/丸本達彦 取材・文/前田美保

Edited by 三好 さやか

公開日:

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