スキンケア研究家
三上大進さん
大学卒業後、外資系化粧品会社でマーケティングに従事。2018に日本放送協会入局。業界初となる障害のあるキャスター・リポーターとして採用され2018平昌、2020東京パラリンピックにてリポーターを務めた。
[スキンケア研究家]三上大進(だいしん)さんがお悩みに答える「コンプレックス・サプリ」
【美容編】
Q.肌がゆらぎ、肌あれでピリピリしてファンデーションが浮いてしまいます。このような時は、どのようなケアをしていけばいいでしょうか?(うさ子・39歳)
A.ゆらがない肌づくりのために水分を補うところからスタート!
三上大進さん
肌ゆらぎ、肌あれ、ファンデが浮く、それぞれ原因があると思います。どれに対しても言えるのは“肌に水分が足りてない”可能性が大。乾燥している肌はバリア機能が弱まり、ゆらぎやすく、外的刺激にも弱いのでファンデがのりづらくなります。まずは水分をしっかり補うことで、ゆらぎに負けない肌づくりを目指しましょう。いつものケアにひとつプラスするだけでも、みずみずしさに差が出ます!
Q.長年、鼻の黒ずみ毛穴に悩んでいます。お金をかけて美容クリニックには通えないのですが、私の歳からできること、ありますでしょうか。(ひみつのアッコちゃん・41歳)
A.特に夏場は酸化した皮脂や角栓を溶かして洗浄してあげましょ!
三上大進さん
顔の中でも皮脂腺が多く、黒ずみ毛穴になりやすい場所が鼻。酸化した角栓をオフすることが大切ですが、うぶ毛や色素沈着の場合もあるので、見極めも必要です。ピーリングや酵素洗顔、拭き取り化粧水などでやさしくオフする方法や、クレイマスクなどスペシャルアイテムを投入するのも手。自分の手でムニっと無理やり搾り出すのは、毛穴にとっては逆効果! どうしてもしたい時は、皮膚科で圧出していただいてね。
Q.慢性的に赤ら肌、ニキビもできやすいのが永遠の悩みなのですが、スキンケアで気をつけるべきことを教えてください。(りんぬ・29歳)
A.スキンケアよりも原因究明が先決!
三上大進さん
赤みのある肌が持って生まれたものか、スキンケアのせいなのか、または酒さなどの皮膚疾患によるものか。まずは皮膚科を受診して正しい原因を探りましょう。ニキビには過度なスキンケアよりも、十分な睡眠と休息のほうが効くことが多いです。特に夏場は身体も疲れやすいので、寝苦しい夜こそちゃんとお風呂に入って睡眠の質を上げること。胃の荒れは肌荒れに直結するので、冷たい飲み物は控えめに!
Q.今やっている自分のスキンケアが正しいのかわかりません。ケア方法が合っている、合っていないを見極める基準って?(Tae・28歳)
A.年に2回のナイトキャンプで定期的にアイテムチェックを
三上大進さん
スキンケアを見極めるには4週間のナイトキャンプがオススメ。最初の1週間、夜は化粧水のみで過ごして、肌の状態をチェック。翌週はさらに美容液を、その翌週は乳液やクリームなどのフタものを、最終週はシートマスクや導入などのSPケアものという具合に一種ずつ試すんです。それで肌がよくなればそのスキンケアは合ってるので、スタメンに! 私はこれを年2回、春と秋におこないます。
【生き方編】
Q.大ちゃんが大切にしている言葉や誰かからの教えはありますか?(さっちー・29歳)
A.母がいつも口にしていた言葉が自分を客観的に見るクセをつけてくれました
三上大進さん
私が小さい頃から、母からいつも言われていた「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。うまくことが進んで気が大きくなり、鼻の穴が広がった自分を戒めて、客観的に振り返るきっかけをくれる言葉です。自分の現在地を確認するために(そして鼻の穴を正常にするために)、折に触れては思い出す、大切なメッセージです。
Q.信頼していた職場の人に憶測でものを言われるようになり、ある日、突然無視されるようになりました。わり切ろうと思っても、なかなかわり切れずモヤモヤムカムカしてしまう時があります。どのように気持ちを整理していけばいいでしょうか? 周りの人たちにも誤解されているんだろうなと思うと悲しいです。(うさ子・39歳)
A.信頼される人ってどんな人でしょう?
三上大進さん
職場で円満な人間関係を築くことは確かに理想ですが、うさ子さんが働く目的は、みんなと仲良くすることでしょうか? きっと、もっと意味のあるものですよね。自分の職務に責任を持ち、目標に向かって仕事をする人はいつだって素敵で、そういう人こそ信頼に値します。うさ子さん、今日も一日も本当にお疲れさまです。自分の仕事と自分自身を、明日も信じていきましょう!
Q.転職しました。慣れない仕事で焦る気持ちに加えて、転職先の男性上司にパワハラ、若手女子社員はフルシカト。転職したことを間違いにしたくなくて我慢してますが、体重が8キロ減ってメンタルやられかけてます。大進さんなら仕事は辞めずに続けますか?(きつつき・50歳)
A.一番大切なのは自分自身です。正当に評価してくれる場所を探して
三上大進さん
これまで本当によく頑張りました。耐え抜いたきつつきさんを、抱きしめたい。ご質問にお答えすると、私なら大至急辞めます。転職したことは間違いではありません。頑張り続けようとした努力は、意味のあること。正解です! ですが、きつつきさんの人生において、何より大切なのはきつつきさん自身。正当に評価してもらえる場所を探すことを次の正解にしてね。
Q.職場で後輩に仕事を教える時、注意する時、どのように伝えればいいのかすごく悩んでいます。 特に注意をする時に、冷たい言い方になってないかと心配になって、うまく伝えられなかったりしてしまいます。大ちゃんは、仕事においてどんな事に気をつけて、どんな風に思っている事を伝えていますか?(bihadanbo・36歳)
A.注意するときは、相手のいいところまでセットで渡す!
三上大進さん
bihadanboさん、とっても優しい人! 相手を思いやる優しい心をお持ちです。一つだけ言えることは、注意をする出来事は、その人がそれなりに頑張って出した結果だということを忘れないこと。注意すべき点はしっかり見極めながら、その結果のプロセスに、評価できることを一つでもみつけてあげること。そういえば旅人が降参したのは、北風ではなく、太陽でしたね。
Information
『ひだりポケットの三日月』定価1540円(税込)/講談社
障害のある左手とやり場のない気持ちをいつも受け止めてくれた「ひだりポケット」。そこにはたくさんの物語が詰まっていました。
生まれもった障害、NHKパラリンピックリポーターとしてのコロナ禍での奮闘、自己肯定感が生まれた美容との出合い、セクシャリティのこと。
「足りないものを憂うのではなく、あるものを活かす」。不自由な時代を生きる私たちに気づきを与える1冊です!
撮影/岩谷優一 ヘアメイク/George スタイリング/Fukami 取材・文/前田美保
Edited by 中田 優子
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