連載 VOCE特別インタビュー

【メイク監修の井手上漠×女装メイクに挑戦する木村慧人】ふたりが感じるメイクの持つパワーとは?【ドラマ『顔に泥を塗る』】

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話題沸騰のコミック『顔に泥を塗る』を実写化したドラマに、VOCEでおなじみの井手上漠さんがメイク監修として大抜擢。その巧みな腕によって超絶美女に変身する「FANTASTICS」の木村慧人さんとともに、 “メイクの力” やドラマの見どころについて語ってくれました。

井手上漠さん×木村慧人さん

7月13日夜11:30からテレビ朝日系にてスタートした新ドラマ『顔に泥を塗る』。SNSを中心に大反響を呼んだ漫画原作の本作品は、メイクが大好きなVOCEファンにとっても興味深い内容になっている。主人公の柚原美紅(髙橋ひかる)は、彼氏の「清楚でいて欲しい」という勝手な希望に合わせてほとんど化粧をしない毎日を過ごす“自己肯定感ゼロ”状態の女性。そんな彼女がメイク男子・高倉イヴ(木村慧人)に偶然出会ったことで、メイクの魅力に開眼。メイクで美に磨きをかけるという“心の武器”を手に入れて、モラハラ彼氏に恐怖を感じながらも前に進み、人生をリセットするという《人生再起ラブストーリー》はきっと心に響くはず。そこで、ジェンダーレスモデル/俳優として活躍する井手上漠さんと、ドラマのキーマンである高倉イヴ役を演じる木村慧人さんにメイクの力についてお話を伺いました。

「誰も否定することなく素直に生きるイヴの姿に共感。自分もそう生きたいと価値観に変化が」by木村慧人

「誰も否定することなく素直に生きるイヴの姿に共感。自分もそう生きたいと価値観に変化が」by木村慧人

井手上さん(以下、敬称略):
私は昔から少女漫画が大好きなのですが、『顔に泥を塗る』の原作を読んで感じたのは、時代に寄り添う新しいラブストーリーだということ。多様性であったり、モラハラ問題など、世の中をとりまくいろいろなエッセンスが凝縮していて、実写化したらすごく時代にフィットした作品になるだろうな、とワクワクしました。木村さんも原作をお読みになりましたか?

木村さん(以下、敬称略):
読ませていただきました。今回僕が演じる高倉イヴという役は、性別は男性、恋愛対象者は女性ですが、メイクや美容が大好きな大学生で、レディースの服を着て女装を楽しむこともあって。周りの目は一切気にせず、自身の大切にしたい価値観や考え方を守る。けれど違うものを否定することはしない。そのうえで、周囲の人生にいい影響を与えていくという生き方にすごく影響を受けましたね。イヴとの出会いで、なにか自分の中の価値観が変わった気がしています。

井手上:
漫画やドラマとか、作品って人を変えることもできるパワーがありますよね。

「プロのメイクアーティストの一人としてドラマ全体のメイクを監修」by井手上漠

「プロのメイクアーティストの一人としてドラマ全体のメイクを監修」by井手上漠

木村:
井手上さんがメイク監修という制作サイドのスタッフとして参加されると聞いて、ビックリしました。新しいなって思いました!

井手上:
今回は演者としてではなく、メイク監修という重要な役割を担わせていただく事となりました。原作ファンの皆さんは実写化するときにイヴ役に誰が選ばれるのか、どんな印象なのか、すごく気になると思います。その期待に応えられるように、そして木村さんがスッと役に入り込んでいただけるようなメイクを提案できればと思っています。

木村:
プロのメイクアップアーティストだったとは……!!

井手上:
ずっと芸能のお仕事と共に美容関係のお仕事もやりたいという夢があって。実は高校卒業後に上京してから美容専門学校に通っていました。小学校4年生から美容がとにかく好きなのだけれど、その気持ちだけで通用するほど甘くないですよね。だから、自己流ではなく専門的な知識を得て自信を後押しするには勉強だ! と思って。国際メイクアップアーティスト1級まで取得しました。

木村:
夢への第一歩ですね。スゴイです! 

井手上:
そう、すごくうれしくて! 今回は、メイク全体のイメージを決めていくのが私の役割なのですが、イヴのメイクに関しては、今まで見てきた“THE女装メイク”にはしたくない、という強い想いがあります。私は生物学的には男性で、それをどう女性的に見せるかというのは研究してきたことなので、私だからできることや見える観点をイヴのメイクに組み込んでいけたらなと思っています。木村さんは、女装メイクの経験はありますか?

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木村慧人さんは女装メイクしたことがある!?

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