医師の立場からスキンケアを吟味
皮膚科医
友利 新先生
女優も駆け込む潤いケアのスペシャリスト
エステティシャン
瀬戸口めぐみさん
豊富な知識でスキンケア企画を担当
美容ライター
穴沢玲子さん
これを基準にチョイス! 正しいクレンジング&洗顔の選び方
不要な汚れはオフしながら潤いをキープするには、正しいアイテム選びが必須!
【クレンジング】
大事なのは“何を落とすか”。塗ったアイテムで選ぶこと
瀬戸口さん
クレンジングを選ぶときは、肌質よりも落としたいものによって変えるべきです。アイテムを重ねるほど落としにくくなるので、洗浄力の強いものが必要に。
最低でも2種類! メイクの幅で使いわけても
穴沢さん
しっかりメイクをした日とUV下地ぐらいしか塗らない日では、洗浄力に差をつけたいところ。季節によって2~3種類を使い分けると肌調子も安定します。
プルーフ処方に注意! 実は落ちていないこともあり
友利先生
とくに気をつけたいのが皮脂に強いタイプのメイクアイテム。植物性オイルだとなじみにくく、落とせないことも。オイルだからスル落ちとは限らないんです。
◆オイル
[長所]
油由来の汚れをすっきり落とせる
オイルが主な成分なので、基本的にメイク落ちがよく、洗い上がりはすっきりとした肌に。
[短所]
洗浄力が強いから肌負担が不安
メイク汚れなどをよく落とす反面、肌に必要な皮脂まで落としてしまう危険性がある。
[向いている肌質]
オイリー肌・普通肌
洗浄力が強いので乾燥してしまうことも。すすぎもれがあるとニキビや毛穴汚れの原因に。
[こんなメイクに]
- ウォータープルーフ日焼け止め
- 下地
- ロングラスティングファンデ
- フェイスパウダー
- フィックスミスト
◆バーム
[長所]
クッション性ありで肌負担は少なめ
オイルなみにクレンジング力は高いけれど、クッション性があるので摩擦は少ないとされる。
[短所]
落としすぎて乾燥することも
洗浄力の強さはオイル級のため、乾燥する危険性は同じぐらい。保湿ケアはしっかりと!
[向いている肌質]
オイリー肌・普通肌
毛穴の黒ずみケア効果があるものも多いので、毛穴悩みが気になる肌には使い勝手よし。
[こんなメイクに]
- ウォータープルーフ日焼け止め
- 下地
- ロングラスティングファンデ
- フェイスパウダー
- フィックスミスト
◆ミルク
[長所]
まろやかな質感で必要な潤いをキープ!
乳液のようにやわらかなテクスチャーが特徴的。潤いを奪いすぎないから乾燥感も少ない。
[短所]
濃いしっかりメイクは落ちていない可能性が
洗浄力があまり強くないものが多いので、メイクとなじませるのに時間がかかるという面も。
[向いている肌質]
普通肌・乾燥肌
潤いを奪いすぎないからこそ、乾燥しがちな肌にピッタリ。優しくなじませることが大事!
[こんなメイクに]
- 日焼け止め
- 下地
- ファンデ
- フェイスパウダー
◆ジェル
[長所]
摩擦のリスクがもっとも低い!
弾力のあるテクスチャーで、手と肌の間でクッションになりやすいために摩擦になりにくい。
[短所]
洗浄力に関してはジェルの性質による
一般的なジェルはオイルフリーで洗浄力が弱め。油性ジェルだと濃いメイクも落とせる。
[向いている肌質]
敏感肌・乾燥肌
界面活性剤の配合量やオイルの量によって異なるけれど、基本的には敏感肌や乾燥肌向き。
[こんなメイクに]
- 日焼け止め
- フェイスパウダー
【洗顔】
最大のポイントは上質な泡づくりにあり
瀬戸口さん
洗顔は泡の質が命です。弾力と密着力のある泡ほどクッションになってくれるので、肌への負担が減ります。手の上にのせて逆さまにしても、数分落ちないような泡が理想ですね。
\上質な泡とは……?/
泡立てたあと数分間逆さまでも落ちないこと!
かたすぎる泡は広げにくいので注意が必要!
やわらかいものは泡立ちが早くきめ細かな泡になる
瀬戸口さん
チューブ洗顔料は一般的に、かためのテクスチャーだと泡立てにくく、やわらかいものほど泡立てやすい傾向に。
VOCE7月号増刊付録の洗顔ネットを使おう!
石井美保さん考案の泡立てネットできめ細かな泡を!
上質な泡が出てくるポンプ式の洗顔料を活用
穴沢さん
ヘタりやすいイメージのあるポンプタイプの泡も、最近はかなり進化。
洗うだけじゃない! ケア成分だけを肌に留める、スキンケア効果の高い洗顔料をチェック
洗っているときが絶好のエイジングケアタイムになる、高機能な洗顔料が続々と登場。
穴沢さん
さまざまなスキンケア効果が期待できる“落としケア”が発売されていますね。
友利先生
SUQQUは洗ううちにカプセルが溶け、中から油性の保湿成分が出てくる。これはまさに洗うエイジングケア!
穴沢さん
アルビオン、クラランスも贅沢な美容成分たっぷりですね。エストはフェイスラインのもたつきやたるみに着目。リンパ管や細胞間の水分バランスにアプローチするから、すっきりとシャープに!
瀬戸口さん
洗顔は泡が大事な要素なので、上質な泡にするために各社、技術を磨いていますね。
穴沢さん
時間が経っても泡同士がくっつかず、水を加えるとどんどん泡立つコスメデコルテがいい例です。酸化皮脂などを取り去り、毛穴もキレイに。YSLも毛穴浄化系ですよね。
友利先生
エクシアも、不飽和脂肪酸が酸化した活性アルデヒドを洗浄する、浄化系のエイジングケア洗顔料といえます。
穴沢さん
糖化による細胞の炎症や過酸化脂質に着目したエピステームは、大人肌の強い味方!
各社の技術力が光る! 新作クレンジングは、ストレスフリーな使用感のよさに注目
メイクとのなじみがよくてすすぎもラクラク、しかもあと肌しっとりならば言うことナシ!
友利先生
メイクとのなじみが悪かったり、あと肌がつっぱってしまったりするものは、今季はほとんど見られませんね。
穴沢さん
まるで美容オイルをなじませたような感触のRMK、乾いた肌にもすばやく広がって、やわらかくほぐしてくれるMEMは、使用感のよさが格別です。クレンジングって面倒になってしまうので、この使い心地はうれしいですよね。
友利先生
dr365は、保湿しながら角栓にもアプローチできる成分を配合してます。THREEはクレイと植物オイル、精油で汚れすっきり、あと肌しっとりを実現しているんですね。
穴沢さん
バームからオイルになり、水を加えるときめ細かく泡立つというランコム、薄いメイクならミルク、濃いメイクだとオイルのような性質に変化するメディプラス。使い心地に特徴のあるものも要注目!
ワンステップでキレイに! 時短も叶える“ダブル洗顔不要アイテム”で賢くケアを
肌負担を減らしたい、時間をかけずメイクを落としたいという気持ちに応える優秀作がこちら!
穴沢さん
クレンジングと洗顔をワンアイテムでこなすプラダ ビューティやトワニーアンドミーは、一度で終わらせられる分、肌へのダメージも少なそう。
友利先生
マイルドピーリング効果のあるPHAを豊富に含んだFASは、ごわついてくすみやすい肌にピッタリ。ただ、ダブル洗顔不要のものを使うときは、ポイントメイクリムーバーを併用するのが基本です。
穴沢さん
濃いアイメイクにはリムーバーが必須ですよね。みずみずしいユリアージュのジェルは夏に最適。ビオデルマは新しいミセラーテクノロジーを搭載し、オイルと水のいいとこ取り。カナデルもオイル級のメイク落ちですし、処方技術でクレンジング力と潤い力を高めているものがダブル洗顔不要というのは、かなり使い勝手がいいと思います。
肌がゆらいだときの味方! 不要なものだけきっちりオフ、敏感肌対応の“落としケア”
肌状態がイマイチなときこそ“落としケア”を見直すとき。新作で効率よく洗顔して。
穴沢さん
ゆらいでいるときは、洗うたびに肌の乾燥が加速する気がするんですよ。
友利先生
不要なものだけを落として潤いをキープするのが洗顔の理想ですが、今季はクレスク by アスタリフトに代表されるように、ゆらぎ肌を研究して生まれた洗顔料が登場していますね。
穴沢さん
ノブも敏感肌のためのスキンケアブランドですが、これマイルドながらピーリング効果があるんですね!
友利先生
ゆらいでターンオーバーが乱れると古い角質が蓄積してごわつきますから。
穴沢さん
ファミュやリサージは、とにかく泡立ちにもこだわっています。
瀬戸口さん
きめ細かな泡を優しく転がすようにして洗うことが、敏感肌をいたわる洗顔の第一歩ですからね。
撮影/nara(vale./人物)、沖田一真(静物) ヘアメイク/神谷真帆 スタイリング/滝沢真奈 取材・文/穴沢玲子 構成/大木光
Edited by 大木 光
公開日:
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