──おふたりは2021年のドラマ『プロミス・シンデレラ』で初共演。その頃から、二階堂さんはカメラマンとして眞栄田さんを撮影してみたいと思っていたのでしょうか?
二階堂「そうですね。郷敦君が現場で何気なくたたずんでいる姿や、力の抜けた瞬間を見ていて、すごく“絵になる人”だという印象を持っていました。その後、マネージャーさんも含めて一緒にご飯に行った際に『いつか撮らせてほしいです』と言ってみたら、その場で郷敦君が快諾してくれたんです。『全然いいッスよ!』みたいな軽やかなノリでしたが、そういう彼のクリエイティブに対する前向きな情熱を映し出すことができたらいいなと思っていました」
──眞栄田さんとしては、シンプルにワクワクするオファーだったのでしょうか?
眞栄田「一人の表現者として二階堂さんのことをリスペクトしていますし、僕にはない視点や考え方を持たれている人なので、一緒にものづくりさせてもらえるのは本当に光栄な機会でした。ただただ撮影が楽しみでしたね」
──今回の写真集『A Beautiful Blink』は176ページの大作です。どんなコンセプトを掲げて撮影に挑んだのでしょうか?
二階堂「ロードムービーを紡いでいくような感覚で、郷敦君のバックボーンが見えるような作品にしたいと思っていました。そして、彼はボーダーレスでいろんな垣根を越えていける存在だし、会う度にどんどん進化しているので、変化を恐れずに前に進んでいく強さや美しさを撮りたいな、と。そういうビジョンをベースに、スタイリストさんやヘアメイクさんと打ち合わせを重ねて一緒に世界観を作っていきました」
眞栄田「僕としては、映画やドラマと違って役を演じるわけではないので、まっさらな気持ちで二階堂さんの感性を取り込むことに集中しました。事前にダイエットをするようなこともなく、ありのままの自分で飛び込みました」
──2日間で集中して撮り下ろしたそうですが、印象的だったシーンはありますか?
二階堂「やっぱり撮影初日のファーストカットは緊張しましたね。郷敦君に会うのは久しぶりだったし、カメラマンと被写体として対峙するのも初めてだったので。ただ、その少し張りつめた緊張感が、無精髭をたくわえた郷敦君のワイルドな雰囲気に合っていた気がします。その日はロックアーティスト風の衣装や、ザ・日本男児のふんどし姿まで、かなり攻めた衣装で撮影を行ったのですが、どれも瞬時に自分の身体に馴染ませてしまう姿に感銘を受けました」
眞栄田「確かに初日の撮影は緊張感があって、あえて具体的な言葉を交わさずに、瞬発力で対応させてもらった感覚があります。奇抜な衣装も、二階堂さんの期待を裏切らないように胸を張って着させてもらいました(笑)」
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ふたりの美の秘訣は?