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教えてくれたのは……
日本体育大学 教授/現役ボディビルダー
岡田隆さん
長年、柔道日本代表チーム、日本オリンピック委員会強化スタッフとしてオリンピックのメダル獲得に貢献する一方で、自身もボディビルダーとして数々の大会で入賞を果たす。また、骨格筋評論家「バズーカ岡田」の名で、さまざまなメディアで情報を発信中。著書に『最高の除脂肪食』(ポプラ社)ほか多数、YouTubeチャンネル「新・バズーカ岡田チャンネル」なども人気。
プロテインとの正しい付き合い方は?
1食あたり20gのタンパク質が必要! 不足分をプロテインで補充して
岡田隆さん
肌や爪から細胞まで、人間を形成する主な材料はタンパク質です。そのため、例えサラダばかり食べて体重を落としても、タンパク質が不足してしまうと細胞の生まれ変わりがスムーズにいかず、美しい体をつくることはできません。
タンパク質の1日の目安摂取量は、体重1kgあたり1g(例:50kgの人なら50g)です。筋肉の成長には体重1kgあたり2g(50kgの人なら100g)、もしくは1食20g前後が必要とされています。
体は常につくりかえられており、その主たる材料であるタンパク質が常に必要です。なので一度にまとめて摂るよりも、少なくとも3食に分けて肉、魚、豆類、乳製品などから摂取することが大切です。
しかし、毎食純粋にタンパク質を20g摂るのはかなり難しいんです。タンパク質を多く含む料理(肉でいえば100gくらいです)の用意が面倒だったり、また、忙しい日々を送っていると食事自体もままならないということもあるでしょう。さらに、肉には皮や皮下脂肪といった脂質も含まれるので、きちんとタンパク質を摂ろうとすると、太りやすい脂質も大量に摂取してしまうということもあります。
そんなときに役立つのがドリンクタイプのプロテインやプロテインバー。食事で足りなかった分を、手軽に効率よく補うためにもおすすめです。
摂り過ぎると腸内環境が悪化する原因に!
岡田隆さん
しかし、タンパク質を摂り過ぎるのもよくありません。食べ過ぎると腎臓などに負担をかける可能性があります。また、消化しきれないタンパク質がそのまま大腸に到達しておならが出やすくなったり、便が臭くなったりする可能性も。これは腸内環境が乱れているサインで、やせにくくなるばかりか、不健康にもつながります。毎食の食事で少しずつタンパク質を摂り、足りない分は間食のプロテインで補うようにしましょう。
プロテインの種類を改めておさらい!
筋肉づくりにはホエイプロテイン一択!
岡田隆さん
筋肉の合成に有利なのは牛乳由来のホエイプロテイン。タンパク質含有率が他のプロテインと比べて高く、吸収速度も速いので(約1時間。ソイプロテインは約5〜7時間)筋トレと併せて取り入れるのがおすすめです。
ただし、ホエイプロテインは牛乳由来なので、牛乳にアレルギーのある人や、乳製品をたくさん食べたときにお腹をくだしてしまう人は要注意です。乳製品が体に合わない人は、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)だとお腹をくだしやすいので、少し価格は高くなりますが、ホエイプロテインアイソレート(WPI)やホエイペプチド(WPH)を選ぶといいでしょう。
ダイエットの強い味方! ソイプロテイン
岡田隆さん
筋肉をつけるのではなく、タンパク質不足を補う目的ならば、大豆由来のソイプロテインもおすすめです。
プロテインは消化の時間が短いために腹持ちが悪いのですが、ソイプロテインは飲みごたえがあり、より腹持ちするので、ダイエット中の方に向いていると言えるでしょう。
就寝前に! カゼインプロテイン
岡田隆さん
ホエイと同じく牛乳由来のプロテインですが、不溶性で熱や酸を加えることで凝固しやすくなるという特徴があります。
ソイプロテインより吸収速度が遅く、長時間にわたって血中アミノ酸濃度を維持するため、長く栄養摂取ができない就寝前などに摂るといいとされています。
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正しい選び方&おすすめプロテインを紹介
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