手を抜けないし、抜きたくない だからこそ、“人に頼る”を覚えた
メジャーデビューから今年で13周年。これまでずっとパワフルに活動できている秘訣は?
「『助けて』って素直に言えるようになったことは、大きな成長だったと思います。
音楽への熱量はもちろん変わらないけど、30代も半ばになり、年齢的なことに加えてライフステージにも変化があったりして、体力面での変化を感じることが増えましたね。
これまでずっと“歌が好き”という気持ちを信じて、そのときにできる最善を精一杯やってきました。1回のステージで3キロ体重が落ちるくらい、いつだって全力で、必死で。でも、“好きを仕事にする”ってよく言うけど、仕事にするってことは、その道のプロになるということだと思うんです。そしてプロである以上は、キャパオーバーになる前に任せられる部分はきちんと任せることも必要なこと。もちろん好きだからこそ、仕事にまつわる何もかもを自分一人でやりたくなっちゃうんですけどね。昔の私は、頼ることは弱い自分を曝け出すこと、そして自分の音楽に対して手を抜くことだと思っていたけれど、そうじゃないんですよね。クオリティも熱量も落としたくないからこそ、頼る。そして、これもけっこう大事なことなんですけど、頼ったとしても私が手を抜いてるわけじゃないと周囲の人は分かってくれるのだとも、信じる。もちろん、感謝しながら。
それに、ずっと私を見てくださっているファンの方たちにも、かなり助けてもらっていることにも気づいたんです。私自身よりもずっと、私の限界やキャパをわかってくれていて。ライブ中も率先してめちゃくちゃ盛り上げてくれるし、『今日はリリースの記念日だよ』みたいなことまで、SNSのコメントで教えてくれたり(笑)。ありがたくて、幸せです」
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6年ぶりのアジアツアーに込める思いは?