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エフシージー総合研究所
フジサンケイグループの調査研究機関。商品テスト、商品研究、テレビ番組の撮影協力等。
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使いやすくてしっかりガードしてくれるのはどれ? 本命UV下地 ガチ検証!
美肌を維持するうえでの大敵である紫外線を、どんな場面でもしっかり防ぐ優秀UV下地はどこにある!? 春夏の頼もしいパートナー探しに役立ててほしい、UV下地の実験を今年も決行。汗や皮脂に負けないか、保湿効果はあるか、肌色は明るくするかなど、8つのテストでじっくり検証して!
【TEST.1】テクスチャーは?
UV下地をのせたボードを垂直に立て、1分経ったあとの変化を見る。長く垂れるものはゆるめで粘度が低く、動きの少ないものは粘度が高い。
01:アディクション
02:アリィー
03:イハダ
04:N organic Vie
05:オバジ
06:カバーマーク
07:クレスク by アスタリフト
08:サンカット
09:ドクターシーラボ
10:プリマヴィスタ
10品の中でもっとも粘度が低く、ゆるいテクスチャーなのが2.0cm垂れた03。10も1.6cm垂れたので、シャバッとゆるいUVケアといえそう。01、04、09は動いたとはいえ0.1cmとごくわずか。0cmとまったく動かなかった02、05、06、07、08と同じく、クリームのような粘度の高さだ。
【TEST.2】のばしやすい?
化粧品や塗料などを、一定の厚みでのばすための道具を使用して検証。同量のUV下地をのばしたときにどうなるか、均一にのびるかどうかもチェック。
01:アディクション
02:アリィー
03:イハダ
04:N organic Vie
05:オバジ
06:カバーマーク
07:クレスク by アスタリフト
08:サンカット
09:ドクターシーラボ
10:プリマヴィスタ
途切れずに28cm以上のばせたのが01と03。ムラなく27cmのばせた10、ほとんど透明な04、最初と最後に少しムラが見られる08ものびはいいといえる。02、07はややのばしにくいタイプ。肌には丁寧に塗り広げたい!
【TEST.3】保湿効果は?
前腕内側にUV下地を塗布し、塗る前と塗って60分後の水分量の変化をグラフ化。数値が高いほど水分量が増えているので、保湿力が高いとみなす。乾燥肌にうれしいのはどれ?
保湿効果がもっとも高いのは06。次いで04、01、02、08という結果になった。このグラフでいうと、10や07、05はさっぱりした使用感のUV下地。肌タイプやその日の気温、湿度などによって選ぶといいかも。
【TEST.4】UVカット効果は?
紫外線を受けると色が変わるシールの上に、UV下地を塗布したガラスを置いて紫外線を照射。シールの色を測定して、無塗布のときと比べたUVカット率(%)を算出した。
(1)普通に塗ったとき (2)水をつけたとき (3)モデル皮脂をつけたとき (4)こすったとき
普通に塗ったときのUVカット率の高さを、水がついても皮脂が出てもこすれてもキープできるのは09。10、08、01、そして05も、あまりUVカット率が下がることなく高いプロテクト力を維持しているといえそう。07もこすれに気をつければ、しっかりUVカットできそうだ。02は水や皮脂によって、03と04、06は水とこすれによって数値がやや下がる傾向に。同じ条件でもこの結果どおりになるとは限らないが、UVお直しの頻度やタイミングの参考にして!
【TEST.5】ベタつかない?
肌模型にUV下地を塗布してから星形パーツをつけたときの枚数を数える。多くついているものほど、ベタつきがちだとみなす。
01:アディクション
ついたパーツは7枚とやや多め。多少、ベタつきのあるUV下地だ。
02:アリィー
たった1枚しかつかなかったので、ベタつきはほとんどなし!
03:イハダ
7枚はこの中では多いほう。ややベタつきのあるテクスチャーだ。
04:N organic Vie
7枚とやや多いけれど、保湿力が高いことを考えれば納得の結果。
05:オバジ
ついたパーツは10枚。この10品の中では2番目のベタつき。
06:カバーマーク
7枚とやや多い結果に。保湿力があるぶんややベタつくタイプ。
07:クレスク by アスタリフト
10品の中ではもっとも多く、13枚ついた。かなりベタつく下地。
08:サンカット
たった1枚しかつかなかったので、サラッとした下地といえる。
09:ドクターシーラボ
ついたパーツは2枚。ベタつきは少なく、サラッとしたあと肌に。
10:プリマヴィスタ
サラッとしているテクスチャーで、ついたパーツも3枚となった。
【TEST.6】白浮きしない?
黒色の人工皮革にUV下地を塗り、どうなるかを観察する。「UV」の文字がはっきり見えるものほど白くなる。今回はベージュ色の下地も多く、肌色補整効果があることも考慮して、好みのものを選んで。
01:アディクション
白ではないけれどベージュ系にしっかり色づく。パール感もあり。
02:アリィー
ピンク系のパールがキラッとするけれど、白浮きは気にならない。
03:イハダ
やや白浮き。肌の上ではベージュ系の色みでほとんど目立たない。
04:N organic Vie
ベージュ系なので肌の上では目立ちにくいが、わずかに白く。
05:オバジ
文字がしっかり見えるぐらい白くなる。肌色も明るくなりそう。
06:カバーマーク
文字が見えないぐらい透明になった。まったく白浮きはしない!
07:クレスク by アスタリフト
白浮きというより、青くなって浮く感じ。塗るときは注意したい。
08:サンカット
文字がくっきり見えるほど白くなった。肌色は明るく見えそうだ。
09:ドクターシーラボ
かなり白っぽくなるUV下地。肌色を明るく見せる効果は抜群。
10:プリマヴィスタ
かなり白くなった。ベージュ系だが、肌にのせても明るさが。
【TEST.7】肌色を明るくする?
UV下地を肌模型に塗布したときの色を測定。塗っていない肌模型の明るさを100として算出し、数値が大きいほど明るくなるということ。肌色を明るくする効果が欲しいのか、溶け込んで透明になるものがいいのか、好みによって評価も分かれそうだ。
10品の中で肌を明るくするトーンアップ効果がもっとも高いのは05で、2位が01、3位が09、4位08、5位10という結果になった。06は肌色になじんで透明になるタイプ。04や07は、透明ではないけれど、色づきはそれほどないタイプ。トーンアップ効果が高いほど、白浮きする可能性も出てくる傾向にあるので、下地として使いたいのか、デイクリームとして使うのか、場面によって塗り分けをするとよさそう。
【TEST.8】汗や皮脂をはじく?
ベージュの人工皮革にUV下地を塗り、水(青色)とモデル皮脂(赤色)を滴下。表面がどう変化するかをチェックする。はじくものは汗や皮脂に強いけれど、なじむものは弱いため化粧崩れの原因になりそう。
01:アディクション
水、皮脂どちらもかなり広がってしまっている。水はなじんで濁っているような印象もあり、注意が必要だ。
02:アリィー
皮脂ははじき、なじんでもいない。でも水は広がっているので、汗をかいたあとは崩れをチェックして。
03:イハダ
水はきっちりはじいて、コロンと水滴状になっている。でも皮脂には弱いようで、だらっと広がってなじんだ。
04:N organic Vie
水は広がって下地となじんでしまっているようだ。でも皮脂はきっちりとはじいて、コロッと油滴になっている。
05:オバジ
水、皮脂ともにしっかりはじいている優秀な下地! 汗や皮脂が出てもなじんだりせず、耐えてくれそうだ。
06:カバーマーク
水と皮脂、どちらも広がってしまった。水は下地となじんで濁っている感じも。汗や皮脂が出たら注意すべき下地。
07:クレスク by アスタリフト
水ははじいて水滴状になっているが、皮脂は広がっている。濁りはないけれど皮脂には弱いほう。
08:サンカット
水ははじいて水滴状になるけれど、皮脂はだらっと広がってしまい、縁は下地となじんでいる。油には弱いタイプ。
09:ドクターシーラボ
水はなじんで下地と混ざり合っているし、皮脂もやや広がってしまっている。汗、水、皮脂に弱そうなので注意したい。
10:プリマヴィスタ
水ははじいてコロンと転がりそうなほど。その反面、皮脂はだらっと広がってしまい、縁がなじんでいる。
【TOTAL】総合評価
01:アディクション
軽やかにのび広がって紫外線をしっかりカット
垂れるようなゆるいテクスチャーではないけれど、スルスルと心地よくのび広がる使用感。パール入りで肌色を明るく見せる効果も。さらにベージュカラーに色づくので、悩みもカバーしてくれそうだけど、そのぶん、丁寧になじませたほうがよさそうだ。汗や皮脂に弱くても紫外線カット効果はあまり薄れない。でも時間が経つとテカリやヨレが出るかも。
02:アリィー
白浮きせず肌を輝かせるほどよいパール感
ピンクみのあるクリームテクスチャーだけれど色はあまりつかず、パール効果でほんのり上品に輝きをプラス。少しかたそうな見た目でも触れるとやわらかく、塗り広げるうちにフィットする感じだ。ベタつかないのに保湿効果は4番目に高いため、肌質も季節も問わず使いやすそうなUV下地。汗や水で少し崩れそうなので、猛暑の日は気をつけたい。
03:イハダ
隠したい色ムラをさりげなくカバー
2層式でゆるゆるとしたテクスチャー。ムラなくのび広げられるからストレスなく顔全体に塗れる。ベージュ系でしっかり肌に色がつくタイプなので、赤みやくすみなどの悩みをカバーし、肌色を補整してくれる。水や汗をはじくけれど、皮脂で少し崩れる可能性もあり。でも経時変化はほとんど気にならないぐらいなので、お直しできない日に◎。
04:N organic Vie
高保湿でみずみずしい大人にうれしい使用感
みずみずしい感触で、スッとのばせるクリームタイプ。テクスチャー自体はベージュカラーだけど色はあまりつかず、スキンケアアイテムのように肌になじんでいく。保湿効果は第2位なので、乾燥が気になる大人肌でも安心して使えるはず。UVカット効果は水や汗、こすれによって薄れがち。塗って時間が経ったら、UVのお直しをしたほうが安心。
05:オバジ
汗にも皮脂にも負けず肌色を明るくトーンアップ
かためのテクスチャーでフィット感があるぶん、のびは重ため。肌を白くトーンアップする効果も抜群なので、ムラにならないように丁寧になじませたほうがよさそう。水や汗、皮脂をはじく頼もしいUV下地だけど、厚みのある膜ができるので多少ヨレが出そう。ただUVカット効果はあまり変わらないので、お直しできない日にも心強い。
06:カバーマーク
まるで美容クリーム! 保湿力も文句なし
なめらかに塗れるクリームタイプ。ごく薄いオレンジ系のテクスチャーだけど、塗ってみると肌に色はまったくつかないから、塗りムラの心配は無用だ。カバーしたりトーンアップしたりという効果はないので、スキンケア感覚で使いたい人にぴったり。時間が経つと、くすみやテカリが気になるかもしれないので、お化粧直しはそのあたりを重点的に。
07:クレスク by アスタリフト
なめらかな感触で紫外線から肌を保護
見た目はこっくりとした濃厚なクリームでのびも重めだが、塗り心地はなめらか。白く色がつくというよりは、肌にのばすと青っぽくトーンアップするような、不思議な仕上がりのUV下地。水や皮脂にも負けず肌を紫外線から守り抜く効果がありそうだ。ヨレや崩れなどの経時変化も少なめなので、化粧直しができない日でも安心して過ごせるはず。
08:サンカット
みずみずしくのびてベタつき感ゼロ!
やわらかく、みずみずしいテクスチャーでのばしやすい。なじんだあとは白く明るくなるので、トーンアップ効果を期待する人におすすめ。ベタつき感はなくつけ心地は軽やか。でも乾燥するわけではないので、大人から若い世代まで幅広く使えるはず。どんな場面でも高いUVカット効果を維持できるから、汗や皮脂の多い夏場に活躍しそう。
09:ドクターシーラボ
鉄壁のプロテクト力で日焼けをしっかり防ぐ
汗が出ても皮脂が出てもこすれても、紫外線を防ぐ効果が変わらない最強の日焼け止め。ただ見た目ではテカリ、ヨレが出てくるかもしれないので、気になるならお直しを。なめらかな感触だけど、塗るとすぐにフィットしてのびが重たくなるので、手早く広げていきたい。薄いパープルカラーでトーンアップ効果もバッチリ。下地としても優秀だ。
10:プリマヴィスタ
サラッと軽い質感で肌をパッと明るく
シャバッとゆるめのテクスチャーで、肌の上をスルスルとのびていく感じ。ベージュカラーでほどよく肌色を明るくしてくれる。水や皮脂、こすれに負けず紫外線をブロックしてくれるけれど、見た目では時間が経つとヨレが出てくるかも。お直しはそのあたりを注意したい。サラッとしていて春夏に快適な使用感。乾燥が気になる人は塗る前に保湿を。
サイエンスな結論
春夏に使うことを考えれば、もっとも気にすべきは紫外線カット効果。汗や水、皮脂、こすれにも負けずしっかり肌を守る筆頭は09。10、08、それから01と05もカット力をキープするので、真夏の屋外でも安心して使えそうだ。メイク効果とスキンケア効果、どちらを重視するかで評価も変わるだろうが、トーンアップを狙うなら05、01、09。07も青みがあり、肌に塗るとトーンアップする印象だ。保湿効果が高いほうがいいなら06、04、01を使っておけば間違いない。下地のあとすぐファンデを塗りたいベタつき嫌いさんは、02、08、09、10がストレスフリー。スルスルのばせる01、03、10は、塗るときに時間をかけたくない人に最適。使用感の好みや使うシーンで数種を使い分けると、春夏を心地よく過ごせそうだ。
撮影/石田健一(実験)、藤本康介(静物) 実験/エフシージー総合研究所 取材・文/穴沢玲子 構成/佐野桐子
Edited by VOCE編集部
公開日:
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