令和ロマン
慶應義塾大学のお笑いサークルに所属していた東京都出身の髙比良くるま(左・29歳)と、神奈川県出身の松井ケムリ(右・30歳)が2018年に結成。2023年に「M-1グランプリ」優勝。
【令和ロマン特別インタビュー】
「最近、ますます令和ロマンのネタがおもしろい」。そんなふうに世でつぶやかれている理由は、ルックスにもあった!? “作戦”として磨き上げられた肌やボディの真実、そして未来予想図まで。
「どんな見た目でも武器に変えられる」(KEMURI)
ノイズを消すためのスキンケア
くるまさん
最近、“ウレアカ(YouTubeチャンネル『売れたら垢抜けるってホント?』)”でいろいろな美容法にチャレンジしているからなのか、“美容男子”という印象を持たれがち。だけど、自分としてはニキビだらけでマイナスだった肌をゼロ地点に戻す、そんなリセット的な作業をしている感覚。だから、スキンケアはがんばれるけれど、下地を塗るとかメイクをするとかプラスαの美容は、正直面倒くさくて。日常的には使えないなぁ。
ケムリさん
よく漫才のためにも肌をキレイにしているって言っているよな。
くるまさん
肌荒れがあるとコントのキャラに影響することもあるし、お客さんに笑いだけに集中してもらうためにも、肌の“ノイズ”は消しておいて損はない、と思っている。
ケムリさん
たしかに見た目って大事。
くるまさん
ケムリ先生が痩せていた時代、俺ら、最高にスベり散らかしていたからな(笑)。
ケムリさん
コンビとして体が大きいと面白さが増すって気づいて10kg増量したのは正解だった。
くるまさん
そう、観客の笑いの量が全然違う!
「メンズコスメ」というトラップ
くるまさん
しかし、ケムリ先生のなにをやっても荒れない無敵の美肌が羨ましい。俺なんて、中学時代にニキビができて、ラグビーの練習でスクラムを組むたびに強靭な尻と尻に顔を挟まれてはニキビが潰れて悪化……。それで悩んでドラッグストアでニキビケアを謳っていた洗顔料を試したときに「肌が違う」って感じたのが、スキンケアをする原点だから。
\くるまさんのニキビ肌時代/
中高のラグビー部時代に、ヘッドギアに覆われたフェイスラインからこめかみまでニキビが勃発。皮膚科で治したあともニキビ跡に悩む。
ケムリさん
その当時、ケアをする男は、たいていメンズコスメを選んでいた印象だけど……。
くるまさん
そう! それこそが男性がコスメに興味を持ったときにハマりがちなトラップだと思う。パッケージに「男性のために開発」とかって書かれていると、メンズ向けのコスメ以外は物足りない気がして手が出しにくくて。でも、俺みたいに肌が弱いと、メンズ向けのものだとヒリヒリ感じたりすることもあるわけで。これから美容と向き合う方には、対象の性別は問わずに選んでいいと、声を大にして伝えたい。
ケムリさん
ほ~(棒読み)。
くるまさん
興味なしか(笑)。
ケムリさん
いやいや、俺も中学時代ニキビが多発したときにはメンズコスメを買ったし。
くるまさん
そんな時代があったとは知らなかった。
ケムリさん
市販のニキビ薬も塗って、治っては再発して、を繰り返して。でも、気づいたら完治していた。それで……高2で洗顔もやめました。
くるまさん
美を極めた美容家みたいだな(笑)。
ケムリさん
ええ、究極の引き算美容です(笑)。
\ケムリさんのスリムボディ時代/
「芸人をやっていなければ、痩せて健康的でいたい(笑)」というケムリさん。一時期は運動と食事制限で今より30kgも体重が少なかったとか。
全部がんばらなくていいできることからやってみる
くるまさん
ま、でも、ケムリ先生みたいに、「なにも手入れしません」というのも選択肢のひとつ。
ケムリさん
俺みたいにメンズコスメが合う人はそれもよし、男性がいわゆる女性向けのコスメを使ってもよし、みんな自由でいいってことだな。
くるまさん
そう、美容は強要するものでも、されるものでもないから。人にはそれぞれコンプレックスがあって、俺はその根幹となっている一番イヤな部分が肌荒れだったからケアをがんばっているけれど、肌が荒れていても気にならない人だっているし。
ケムリさん
メンズ美容が流行っているっていうのは小耳に挟むけれど、できないものはできない。
くるまさん
そう、頭ではやったほうがいいことはわかっているけど、できないこともある。たとえば、枕カバーはシルクがいいというけど、それ以外にオシャレ着洗いするものがないから洗うのが億劫で、むしろ不潔な状態に。なら、バスタオルを枕に巻いて毎回取り替えればいいなって。洗顔もそう。シャワーを顔に直接当てるのはダメージがあるけど、洗面器を使って洗顔する時間はないから、肌に優しい柔らかいミストに切り替えられるシャワーヘッドにしてみた。ルールを守って息切れしてやめちゃうより、自分ができることにアレンジすればいいでしょう。がんばりすぎるのは続かないから。
ケムリさん
無理はいけないよ。(プシュッ)
くるまさん
って、コーラ2本目開けているし!
ケムリさん
がんばりすぎない自然体(笑)。
「M―1グランプリ2023」優勝し、一躍有名に!
過去最多の8540組がエントリーした2023年大会。即興的な漫才スタイルで視聴者や審査員を笑いの渦に巻き込み、見事王者に。
これからも見た目をチューニングしていきたい
くるまさん
いろいろないい仕事をさせてもらえるようになって人気モデルさんや俳優さんに囲まれる環境になったら、まわりの肌のキレイさと自分の肌の差が気になって、もう恥ずかしすぎて。だから、これからも引き続き、肌のメンテナンスは続けていくのは確かですね。それは、かつてニキビ肌に悩み、低くなった自己肯定感を取り戻すための糧にもなるから。
ケムリさん
今日のVOCEの撮影みたいにメイクすることも増えるのか? 今のくるま、相当かっこよくなっているけど!
くるまさん
あなたもKing Gnuのドラムみたい!
ケムリさん
髪型だけな(笑)。
くるまさん
メイクの話だけど、そのときどきに向き合っているシチュエーションの笑いに必要なら女性的なメイクをするのも面白いかな、と。ただ、自分でやるのは、どうしても面倒で。そのハードルを越えられるのか!? というのが問題。ケムリ先生の見た目は今後変わる予定は?
ケムリさん
今のボディは、臨界点(笑)。面白いと健康のハザマです。笑いの源になるこの“体積”は変えずに、“中身”の脂肪と筋肉のバランスを入れ替えていけたら理想だね。
「コンプレックスは人それぞれ。だから、人に美容を強要しない」(KURUMA)
撮影/渡辺宏樹(TRON) ヘアメイク/KATO(TRON) スタイリング/井田正明 取材・文/金子優子
Edited by 佐藤 水梨
公開日: