教えてくれたのは…
ALOOP CLINIC & LAB 院長
山﨑研志先生
酒さや敏感肌などの皮膚疾患の臨床研究を専門に行う中で、皮膚自然免疫から表皮角層機能の研究、メラノサイトの基礎研究に長年従事。エイジングによるシワ、シミ、たるみなどの肌悩みに、皮膚科学の観点からアプローチできる皮膚のプロフェッショナル。
「酒さ」ってどんな病気?
「鼻や頬、額などに症状が現れやすい慢性的な皮膚疾患。赤みやニキビのようなブツブツができて、ほてりやかゆみを感じたり、皮膚の下にある毛細血管が透けて見えたりすることもあります」
酒さに関するお悩み、一問一答!
Q1. 酒さはどれぐらいの期間で治りますか?
A. 早ければ、ブツブツは数ヵ月で改善します。赤みはゆっくりと改善していきます。
山﨑先生
悪化させる因子を排除し、正しいスキンケアと治療を行えば、ブツブツなどは数ヶ月で改善することが多いです。ただ完治はしにくいので、赤みはゆっくりと改善していきます。治療を継続して悪化させないようにすることがポイント。
Q2. 病院に行かないと治りませんか?
A. ホームケアだけでは、酒さの症状は治まりにくいです
山﨑先生
ニキビのように見えても対処法は異なるため、ホームケアだけで酒さの症状を緩和させるのは難しいと思います。ただ、気を付けるべきポイントは、酒さはステロイドの塗り薬で悪化してしまうということ。アトピー性皮膚炎の治療薬として処方された塗り薬で酒さが誘発され、悪化することもあるため、皮膚科医のほうでも注意が必要です。
Q3. 赤ら顔と酒さは別物ですか?
A. 酒さの症状に、赤ら顔があります。
山﨑先生
酒さは赤ら顔を来す代表的な疾患です。酒皶以外にもアトピー性皮膚炎や膠原病など赤ら顔になる皮膚疾患がありますので、赤ら顔の診断は皮膚科専門医に相談してください。
Q4. 酒さをセルフで診断する方法はありますか?
A. 赤みが出ると同時にほてりを感じたら酒さの可能性大
山﨑先生
寒暖差などで赤みが出ることはよくありますよね。酒さの場合は、赤みに加えて、ほてりやヒリつきを感じることが多いので、それが目安になるのではないでしょうか。
Q5. 酒さの赤ら顔は、敏感肌の傾向がありますか?
A. その傾向が強いです
山﨑先生
紫外線や温度差、季節の変わり目などにヒリヒリしたり、かゆみを感じたり、赤みが出やすいなどの自覚がある人は気をつけたほうがいいと思います。
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酒さは冷やすと治るって本当?