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ヒアルロン酸の入れすぎ=ヒアル顔になってしまう原因は?
今泉院長
オーバーフィルドシンドローム、いわゆる“入れすぎ症候群”を防ぐには、医師の技術力だけでなく治療を受ける側の意識も重要になります。たとえば最近多い涙袋形成ですが、若い世代はいいんですよ。でも大人世代になって眼輪筋が衰えると涙袋も下垂するので、注入したヒアルロン酸も下がってしまい、涙袋というかクマのような目袋に見えてしまうことがあるんですね。年齢によって不自然に見える注入もあるので、アプリの加工のようにはいかないと思って治療を受けてほしいです。また医師も、真顔だけを見て施術するのではなく、笑顔になったときに不自然じゃないか確認しながら注入すべき。
SNSで目にする「ヒアルのウワサ」、医師が徹底解説!
「“あごヒアル”で骨が溶けた」って本当?
今泉院長
ヒアルロン酸で骨が溶けることはありません。大量のヒアルロン酸をアゴに注入した結果、骨化したという報告はありますが、未だ真相はハッキリしません。
「ヒアルロン酸は完全にはなくならない」って本当?
今泉院長
ヒアルロン酸は時間とともに吸収されますが、少しは注入箇所に残ります。つまり10入れたら1か2ぐらい残るわけで、これを美容貯金と呼んだりもします。何度も注入を続けていると一部分だけが膨らんでしまったり、バランスが悪くなったりする可能性もありますが、長い目で見ればボリュームロスやたるみの軽減にもつながります。
「体調によってヒアルロン酸でアレルギーが起こる」って本当?
今泉院長
ヒアルロン酸はもともと人体に存在する成分なので、アレルギーの心配が少ない製剤なんです。ただ、ヒアルロン酸分子同士を接着するBDDE(架橋剤)にアレルギーが出ることもあると言われています。そのため、体質によってはアレルギー症状が出る可能性もあります。打って数分でかゆみや蕁麻疹が出る場合もありますし、数日過ぎてから腫れや赤みが出る場合も。ワクチンを打ってパンパンに腫れたケースもあるので、体質や病歴、施術経験などは隠さず申告したほうがいいですね。
「ヒアルロン酸による血管塞栓の危険性」について詳しく知りたい!
今泉院長
正しい層に入れず、血管に注入してしまうことで血管閉塞が起こります。血管にヒアルロン酸が詰まってふさがってしまうため、皮膚が壊死したり、眉間〜鼻の注入だと失明することもありえます。打った部分があずき色になって痛みが強くなるようだと血流障害が出ている可能性があるので、すぐに医師に報告を。早めにヒアルロン酸溶解注射を打ってヒアルロン酸を分解する必要があります。
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イラスト/二階堂ちはる 取材・文/穴沢玲子
Edited by 西村 美名子
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