美容医療との向き合い方

【ヒアルロン酸注入の真実】入れすぎ“ヒアル顔”を防ぐには?骨を溶かすってホント?

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【ヒアルロン酸注入の真実】入れすぎ“ヒアル顔”を防ぐには?骨を溶かすってホント?

美容医療の代表格、ヒアルロン酸注入。シワやたるみを改善するのはもちろん、唇をふっくらさせたり涙袋をつくったり、鼻を高くしたりとさまざまな効果が期待できる治療だけど、マイナスの影響や施術後のトラブルには不安もあり。ヒアルロン酸注入のメリット・デメリットを、皮膚科専門医に聞く!

目次

教えてくれたのは…
今泉明子院長
今泉明子院長

医学博士・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。ヒアルロン酸注射とボトックス注射の技術力の高さと症例数の多さが世界的に評価され、製薬会社最大手であるアラガン・ジャパン社、ガルデルマ社から「注入認定指導医」の任命を受ける。さらに、安全かつ正しい最先端の注入治療を牽引していくため、日本で数名しかいないファカルティーメンバーにも選ばれている。

ヒアルロン酸注入、失敗を防ぐために知っておきたい3つのこと

【1】メリット・デメリットをきちんと知る

<メリット>

  • ボリュームアップ、リフトアップ、肌質改善ができる
  • ダウンタイムはほとんどなし
  • 仕上がりに不満があれば溶かすこともできる
今泉院長
今泉院長

加齢でしぼんだ部分やシワ付近に注入してボリュームアップさせたり、面で持ち上げてたるみを改善したりできるのがヒアルロン酸注入の大きなメリット。またヒアルロン酸は高い保水力を持っているので、肌を潤わせて弾力を与えることができますし、コラーゲンやエラスチンの量と質を高める働きもあるから肌質改善効果も期待できます。麻酔クリームなどを併用すれば痛みもほとんどありませんし、治療してすぐメイクできますしね。納得がいかない場合は、ヒアルロニダーゼという酵素を注入すれば分解できるのもメリットといえるのでは。


<デメリット>

  • ついつい入れすぎてしまう
  • チンダル現象など、見た目に関するトラブルが起こりうる
  • 血管閉塞などのリスクがある
今泉院長
今泉院長

ヒアルロン酸注入は今とても人気の治療です。それゆえトラブルが起こりやすいという面があります。1つは過度な注入により不自然な顔立ちになってしまうこと。他にも、チンダル現象のような、皮膚に注入したヒアルロン酸が透けて青白く見えるという可能性もありますね。深い部分に注入した場合はほとんど起こらないのですが、目の下など皮膚が薄いところは注入部位が浅いため、この現象が起こりやすいんですよ。あとは血管閉塞などのリスクも皆無ではありませんし、ヒアルロン酸の分解酵素(ヒアルロニダーゼ)によって腫れや内出血が生じることもありえます。ヒアルロン酸注入は、ゼロリスクで顔かたちを自由自在に変えられる施術ではないと知っておくことも大事。


【2】値段より、ドクターを重視する

今泉院長
今泉院長

注入にまつわるトラブルは、ほぼ医師の技術不足によるもの。厚労省の認可を受けていないヒアルロン酸製剤を使っているクリニックもありますし、解剖学の知識もなくやみくもに注入してしまう医師もいます。価格が安すぎたり、カウンセリングから治療まで同じ医師が診療しなかったりするクリニックはおすすめできません。医師の技術力とセンスを見極めてから治療を受けるべきでしょう。


【3】少量の注入では「理想の仕上がり」にならない場合もあると知る

今泉院長
今泉院長

コストを考えるとなるべく少量で済ませたい気持ちはわかりますが、それでは希望どおりの結果にならないこともあります。注入する量が多いほうが長持ちしますので、ある程度の予算を持って臨んだほうが長い目で見るとお得だったりしますよ。


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“ヒアルロン酸の入れすぎ”はなぜ起こる?

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