お話を伺ったのは……
ウォブクリニック中目黒 総院長
髙瀬聡子先生
皮膚科医。肌状態に適したケア方法を明確に解説。クリニックにはシミや毛穴、敏感などに悩む患者が多く来院。
第一三共ヘルスケア 研究統括部
久保沙耶香さん
製薬会社で製品の安全性・有用性の評価を担当。ブルーライトとトラネキサム酸に関する最新研究にも取り組む。
インターメスティック 広報室
鈴木晴子さん
Zoff店舗での販売経験を経て、現在は広報を担当。メガネを選ぶ楽しさをもっと知ってもらいたいと日々努力。
知っているようで知らない実態とケアを解説
ブルーライトってくすみます!?
Q.そもそもブルーライトって何ですか?
A.可視光線の中ではもっとも波長が短く、強いエネルギーを持つ光
髙瀬先生
波長が長いほど深いところまで届き、短いほど強くなるのが光の性質。ブルーライトは目に見えるギリギリの短さでありながら、紫外線B波やA波よりも長い光なので、強いうえにやや深いところまで影響を及ぼすといえます。
Q.肌にはどんな影響がありますか?
A.炎症を生じさせてシミやシワの原因になることが明らかに
久保さん
ブルーライトに当たると肌に炎症が起き、コラーゲンの低下やメラニン産生促進を誘発することが判明しました。シミやシワなど肌の光老化の一因になるとともに、免疫細胞を殺すことで光老化の促進にもつながってしまいます。
Q.紫外線とどちらが肌に悪い?
A.どちらが悪いとは一概には言えませんが……
久保さん
太陽光にも照明機器にも含まれているため、屋内外・昼夜問わず長時間浴びている光ではあります。
髙瀬先生
紫外線は防御しようという意識があるけれど、ブルーライトは無防備に長く浴びがちなのも問題点のひとつ。
Q.SPFのような、ブルーライトを防ぐ指標はある?
A.いまのところ、ありません
髙瀬先生
数値は明確じゃないけれど日焼け止めに“ブルーライトも防げます”と明記されているものは選ぶポイントにはなりますね。ブルーライトは紫外線A波と波長が近いため、どちらかというとSPFよりPA値を参考にするといいですよ。
Q.目からくるダメージは?
A.場合によっては自律神経の乱れにつながることも
鈴木さん
朝や日中に浴びるブルーライトは体内時計を整える効果があると言われています。でも夜間に多く浴びると体内時計がずれて睡眠の質が低下するため、寝る前の1時間はデジタルデバイスを見ずに目を休めたほうがいいようです。
Q.美顔器で使われる青い光はブルーライトじゃないの?
A.青色LEDとブルーライト、基本は同じもの
髙瀬先生
皮脂腺に働きかけて過剰な皮脂を抑える、アクネ菌の活性を抑えるなどの働きがある青色LED。紫外線もそうなんですが、青い光も頻度や時間を考慮して正しく当てることで、肌にいい効果を与えることは可能なんです。
\結論/
メラニン産生を促進させることから、ブルーライトは操作しないとくすみやシミの原因になることが判明。太陽光や照明機器、デジタル製品からも照射されているので、無防備に長く浴びている可能性大!
撮影/沖田一真 イラスト/チバアヤカ 取材・文/穴沢玲子、大木光 構成/大木光
Edited by 大木 光
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