“アラフォーです”とあえて口にする理由
2023年11月、田中みな実さんは37歳になった。とはいえその美は衰えることを知らず、肌、髪、ボディラインのすべてが完璧であることは変わらない。それでも彼女は“アラフォーです”とあえて口にする。その理由とは?
「けっして自虐ではなくて、言葉にすることでじわじわとその事実を染み込ませているのだと思います。そうしないと、年齢を自覚するのを忘れてしまいそうだから。メイクもファッションも昔と違って型にハマらず、個々の自由を尊重する傾向にありますよね。でも、それであるとき突然、『若づくり』『イタイ』だなんて言われるようになったら、つらすぎます(笑)。年齢を重ねることに関しては、前向きでも後ろ向きでもありません。ただ、なるべく緩やかに、納得のいく形のエイジングを模索したい。若さにしがみつくでも、老いに抗わないわけでもなく。
実際、まだまだ30代後半のエイジング入門編のページをめくったばかりのひよっこに何を語れるわけでもないので、私が知る美しい先輩方のお話を。輝きを放ち続ける人たちは皆一様に清潔感があって聡明で、美をアップデートしながらカッコよく生きています。生き様を感じる皮膚感には愛しい魅力があふれていて、表情まで豊かに。そんな人たちを傍で見ていると、平等に訪れる変化を嘆いて落胆している場合ではないと気付かされます。今は、希望を胸に笑顔で前を向いてみようと思うのです」
ときには“ストイック”と形容されるほど美容にアクティブな彼女が、今年に入って、シンプルケアの魅力に開眼したという。
「数ヵ月前、ひどい肌荒れに見舞われて、洗顔後は皮膚科のワセリンのみのケアを余儀なくされました。1週間ほどで回復したのだけど、以降も試しにワセリンのみで過ごしてみることに。一時はコストもかからないし、最高の美容法だと歓喜するほど肌の調子がよかったのですが、おでこや目元、頰あたりにぶわっとちりめんジワが出現! ひどい乾燥状態に陥ってしまったのです。やはり化粧水は必須だと、大慌てでヒアルロン酸たっぷりのローションと美容液で丁寧に保湿するシンプルケアを徹底したら、みるみる肌が復活。あれもこれもとスペシャルケアを毎日欲張っていたけど、肌が求めるものを入れ込んであげる大切さを知る貴重な経験でした」
諦めではなく受け容れる。それでも前を向き続ける貪欲さで、美容をいつまでも楽しみたい!
撮影/菊地泰久(vale./人物) ヘアメイク/林由香里 スタイリング/西野メンコ 取材・文/中川知春
Edited by 松本 薫
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