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たたききゅうりは「たたかない」が正解!?
オギ
いよいよ「たたき」と思いきや、たたかないってどういうことですか!?
小田先生
めん棒を使ってもいいのですが、力加減が難しく、どうしてもつぶれすぎたり、飛び散ったりするんですよね。めん棒を持っている人も少ないしね。
オギ
そうなんです、私がやるといつもキッチン周りに飛び散っています……。
小田先生
めん棒よりも「木べら」を使うのがおすすめです。木べらの「面」を使えば適度につぶすことができ、粉々になったりしないんです。
小田先生
割れ具合が少ないと思ったら、木べらの角度を変えて割るといいですよ。この段階で最終形までつぶそうとすると、ボロボロになったり、形がそろわなかったりするので、ある程度つぶしたら、包丁で4~5cmくらいの長さに切りそろえます。
オギ
「切りそろえる」という発想がなかったです……。たたききゅうり=たたかねばならぬ、と思い込んで、たたき割ることだけに集中していました(笑)。
小田先生
「水っぽくなる」というお悩みは、きゅうりの中心にある種をある程度取っておくことで解決します。そのまま残しておいてもいいのですが、味が薄くなる原因になるので、種が多いと思ったら取っておきましょう。全部取る必要はありませんよ。
小田先生
種を取り終わったら、手で割っていきます。
オギ
お店で見るたたききゅうりです! たたき割った感があるのに、形がキレイ。しかも、きゅうり=青臭いのが当たり前と思っていたのですが、先ほどから爽やかでおいしそうな香りが!
小田先生
これも板ずりの効果です。ブルームは爽やかな香りが表面に出るのを防御しているので、板ずりしてブルームを落としてやらないと、この香りがしないんです。板ずりしていないきゅうりは、青臭いです。
オギ
私のたたききゅうりが青臭いのは、そのせいだったんですね……。
小田先生
では、味付けをしていきましょう。ボウルにきゅうりと調味料を入れ……。
小田先生
手で軽くもみ込んでいきます。
小田先生
砂糖をひとつまみ加えると、味にまとまりが出ますよ。
小田先生
最後に、ザーサイと刻みごまを加えて混ぜます。
完成!
オギ
たたききゅうりが、こんなにちゃんとした料理になるなんて! 私のボロボロ残骸きゅうりと全然違う……。水っぽさゼロで、ごま油の風味もきいています。
小田先生
たたききゅうりで、こんなに喜んでもらえるなんて(笑)。塩気のあるザーサイは、味が決まりやすいのでおすすめですよ。
【今回の学び】たたききゅうりは「たたかない」!
今回、何より衝撃だったのは、料理中とにかく静かだったこと。私がたたききゅうりを作るときは、ダンダンと爆音が響くので、お隣さんから苦情が来たらどうしよう……といつもおびえていたんです。たたききゅうりは、「たたかない」「押して割る」「切りそろえる」のはもちろん、板ずりの意味も判明し、いつにも増して学びの多い回でした。
次回予告:パラッとした「理想のチャーハン」の作り方
撮影/国井美奈子 監修/小田真規子 イラスト/大窪史乃 取材・文/伊藤彩子
Edited by 西村 美名子
公開日: