連載 VOCE特別インタビュー

【井手上漠】『情熱大陸』出演!性別にとらわれない新時代のモデル「否定されても、好きを貫いて」

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「かわいすぎるジュノンボーイ」としてデビューして以来、自分らしく生きる姿が支持を集め、モデル、タレントとして大活躍中の井手上漠さん。21歳になった今、国際メイクアップアーティスト検定1級を取得し、更に活躍の幅を広げている。インタビュー後編となる今回は、過去の自分と同じように悩んでいる人々へのメッセージを聞いた。

幸せは得るものではなく、気づくもの

──活躍の幅をどんどん広げている今、叶えたい夢はありますか?

私は目標はたくさんあるんですが、夢がないんです(笑)。その目標というのも「幸せ者になりたい」、本当にそれだけ。美輪明宏さんの言葉で「幸せは永遠ではない。寒いときにお風呂に入って、そのときは幸せでも20分も経ったらのぼせる。眠たいときに大きいベッドにダイブして幸せを感じても、一時間後には気絶している。幸せって小さな部分を切り取っても永遠ではない。では、どうしたら幸せでい続けられるか? それは、小さな幸せに感謝する心を持ち続けること」という旨の言葉があって。簡単に聞こえるけど、実はすごく難しいことだと思いました。子供の頃なら、きれいな色一つ見るだけで感動できていたと思うんです。きれいな色に出合えて嬉しい、きれいな花を見つけて嬉しい、あの感情って、どんどん人は忘れていくじゃないですか。成長すればするほど初めてのことが減っていくから、最初は感動したものも、どんどん当たり前になって、感謝することができなくなる。気づくことすらできなくなっていく。

幸せって、私は得るものではなくて、気づくものだと思っています。家に帰って寝る布団があるだけで幸せなはずなんですけど、人はもっと大きな家に住んで、大きなベッドで寝たいとか、どんどん欲が出てきますよね。それは人生の目標になるから悪いことではないけれど、その前の段階でベッドで寝れることが幸せだと気づいて感謝できたら、人は幸せでい続けられるなと。謙虚である心、前に進み続ける強さ、自分に自信を持つこと。いろんなものが揃ってこそ、小さな幸せに気づき、感謝できると思います。そういう意味を含めて「幸せ者になりたい」というのを目標に掲げています。

──若い世代に伝えたいことは?

「好きこそものの上手なれ」ということですかね。自分らしさと好きなことはイコールで、好きなことの中に自分らしさがあると思います。やっぱり私もここまで美容を追求してこれたのは、結局好きだったからなんです。そこで、好きだけじゃ通用しないと思ったときに資格を取ることを決めました。その選択肢の中で辛いことがたくさんあったけど、乗り越えられたのは、やっぱり好きだったから。結局「好き」に戻ってくるんです。好きなことを好きでい続ける、好きなことを人に否定されても自分の中で好きを貫けたら、それはとんでもない魅力になるし、大きな武器になる。だから「好き」ということはとても素晴らしいことだと、強く伝えたいです。

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好きなことがないと思っている人へ

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