「好き」に根拠を。国際メイクアップアーティスト検定1級を取得。
──昨年、国際メイクアップアーティスト検定1級を取得されたと伺いました。モデル、タレントとしてのお仕事もある中、挑戦しようと思った理由は?
元々「美容を仕事にする」というのが中学生の頃からの夢だったのですが、当時の私は美容の仕事というと美容師さんという選択肢くらいしか知りませんでした。でも芸能のお仕事を始めて色々な人とお話しするようになり、美容というジャンルのなかでも、様々なお仕事があるということを知りました。私はジュノンボーイのオーディションをきっかけに芸能界に入ったのですが、美容を趣味だけではなく将来的にはビジネスとしてもやりたいと思ったときに、きちんと資格を取ったうえで発信をしたほうが、見てくれる方々への説得力があると思ったし、自分にとっても必要なことだと思っての決断でした。ずっと「好き」だけで美容をやってきましたが、きちんと資格を取ることで、その「好き」に根拠をつけたいと思い、国際メイクアップアーティスト検定に挑戦することを決めたんです。
──資格がなくても漠さんの人気があれば、コスメのプロデュース業などで美容を仕事にすることも可能だったと思います。そういった方法を選ばなかったのはなぜですか?
プロとしてしっかりとした知識と技術を身につけたかったんです。なので、まずは学校に通って0から学ぼうと思いました。公表していなかったのですが、お仕事のために18歳で上京してからすぐに美容専門学校に通い始め、そこから2年間通いました。勉強は楽しかったですが、やはり甘くはない道で。国際メイクアップ検定1級となると特に難しく、好きで選んだ道なのに苦しくなるほどでした。
検定の内容は筆記と実技。筆記は得意で、実技にも自信がありました。3級から2級に上がるのは比較的簡単だったのですが、1級となると突然難易度が上がり、試験を受ける前段階でのチェックでもなかなか合格ラインをもらえなくて……。それが正直きつくて、大好きなはずの美容もちょっと嫌いになりそうなくらいでした。でも、やっぱりそこで面白いと思えたのは、「こんなところ誰も見ないでしょ」という1、2㎜の差や細部までのこだわりで遠くから見たときの印象まで大きく変わって「メイクってなんでこんな面白いんだ!」ということを改めて気づかされ、よりメイクの魅力に取り憑かれたから。それが唯一、続けられた理由だと思います。今、その面白さをより強く感じているので、やっぱりちゃんと勉強して良かったと思っています。
──ご自身のYouTubeチャンネルの動画の中では、美容の商品をプロデュースしたいという話もありましたね。どんなものを作りたいですか?
プロデュースしたいものはたくさんありすぎて困っちゃいますが、コスメってすごく深いので簡単なことじゃないですよね。もし自分のコスメブランドを立ち上げるとしたら、ブランドの印象が一度完成してしまったらそこからイメージを変えるのはなかなか難しい。色みや質感、使用感、香り、パッケージもそうですが、最初にどんなものを出すかによってブランドの印象が決まるので最初が肝心だなと思っています。なので今後そういったコスメブランドをやるとしたらYouTubeをみなさんとのコミュニケーションのツールとして役立てたいなと思っています。こういうものが欲しい、こういうアイテムがあればこういう人が助かるのでは、など、リアルな声を刺激としていただきながら、反映する形で製品化を構想していきたいと今考えています。私が個人的に欲しいものは無限にあるので(笑)。
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自分の発信でジェンダーの垣根を壊していきたい