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教えてくれたのは…
日本栄養精神医学研究会 会長・医療法人山口病院 副院長 栄養専門精神科医
奥平智之先生
「メンタルヘルスは食事から」をモットーに食事や栄養を重視した精神科診療に取り組む。鉄欠乏女子を「テケジョ」、栄養の問題に起因するうつ状態を「栄養型うつ」と命名し、「栄養精神医学」の大切さを啓発している。近著に『最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ(主婦の友社刊)』。
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Instagram:@tabete.utsunuke
公式HP:dr-okudaira.com
まずはおさらい! 心の健康を保つために積極的に摂りたい栄養素
✔ タンパク質
✔ ビタミンB群
✔ 鉄
✔ 亜鉛
✔ マグネシウム
✔ ビタミンD
詳しい解説はこちら!
プチメンタル不調に効く食べ物
豚肉
豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛
栄養専門精神科医 奥平智之先生
豚肉の中でもビタミンB1が豊富な部位がヒレ。その次がモモ。ねぎやにんにくに含まれる辛み成分アリシンと合わせるのがビタミンB1の吸収をアップするワザ。豚レバーは、牛や鶏と比べて鉄の含有量が多く、ビタミンAやDもたっぷり含まれています。
牛肉
豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛
栄養専門精神科医 奥平智之先生
牛肉は、豚肉よりも鉄の含有量が豊富。ヒレ肉は牛肉の中でも鉄が多く、ももは、高タンパクで鉄や亜鉛もたっぷり。ロースは牛肉の中でとくに亜鉛がたっぷり含まれていて、レバーには、ビタミンAやビタミンB12、葉酸が、特に多く含まれています。
鶏肉
豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群
栄養専門精神科医 奥平智之先生
手羽先にはコラーゲンがたっぷり。ささみと胸肉には、ビタミンB3(ナイアシン)とビタミンB6が豊富です。ビタミンB群は水溶性なので、スープなどで、汁ごといただくのがおすすめです。
卵
豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群
栄養専門精神科医 奥平智之先生
良質なタンパク質が豊富なだけでなく、ビタミンCと食物繊維以外を含む完全栄養食品。記憶力や集中力、睡眠にも関与するコリンも豊富。卵は、1日で3個食べてもOKです。ただし、食べ続けると遅延型アレルギーの一因になるので、週に2日は食べない日をつくりましょう。
青魚
豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛、ビタミンD
栄養専門精神科医 奥平智之先生
良質なタンパク質とビタミンB群、鉄、亜鉛、ビタミンDといった豊富に含まれる栄養素がしっかり摂れる食材。EPAやDHAなどのオメガ3が豊富であることもポイント。細胞膜のオメガ3の割合が増えると、脳の神経伝達がよくなります。
発酵食品
栄養専門精神科医 奥平智之先生
“幸せホルモン”といわれるセロトニンの9割は腸でつくられています。腸でつくられたセロトニンが直接脳で使われるわけではありませんが、腸でセロトニンを作る腸内細菌が減ると、脳内でのセロトニン生成量が減ると考えられています。また腸管に炎症があると、栄養が吸収されにくくなる、リーキーガット症候群になりやすくなるといった原因から心の不調につながります。こういったことからもわかるとおり、腸と心は深く関係しています。発酵食品や食物繊維などで腸内環境を整えることは、心を整えることにつながります。
にがり
豊富に含む栄養素:マグネシウム
栄養専門精神科医 奥平智之先生
スーパーなどで手に入るにがりには、海水のミネラルがイオンの状態で含まれているため、体に吸収されやすいという特長があり、中でも体に不足しがちなマグネシウムが豊富。ペットボトルの水に数滴たらせば、ほぼ味を変えることなく、ミネラルを摂取することができるのでおすすめです。
良質な油
積極的にとりたい油【オメガ3】:えごま油・アマニ油・魚の油(EPA、DHA)
炎症を抑える効果あり、細胞膜をしなやかにすることで脳の神経伝達がよくなります。
適度にとりたい油【中鎖脂肪酸】:ココナッツオイル・MTC
体内ですばやく燃えて速やかにエネルギーになる元気の源に。抗酸化、抗炎症作用がある。
参考:奥平智之『最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』主婦の友社 2022年
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心の健康のために避けるべき食べ物