遂に吉高由里子が大河に降臨!
真打ち登場──。個人的にはそんな感慨を抱いている。何のことかというと、2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』で主演を務める吉高由里子(35)のことである。自称・吉高由里子ファンクラブ会員(といっても会員は某女性誌編集者と2人のみ)の私は、かねてから、数多いる日本の若手~中堅の女優の中では、吉高由里子がナンバーワンの存在だと思ってきた。その最大の理由は何かというと、彼女が内包するギリギリで奇跡にも近い人間力バランスだ。
そしてその奇跡のバランスは、間違いなく『光る君へ』で最高の威力を発揮するはずだ。だから私は、彼女が次期大河の主演に決定した一昨年の5月から、とにかく嬉しくて楽しみで、1年半以上も先に予定された放送開始がずっと待ちきれずにいた。それが、遂に幕を開ける。
そこでこのたび、その開幕記念として、喜びと期待を込めて吉高由里子応援記事を投稿させてもらう運びとなった。一見、身近にもいそうな素朴な雰囲気を持つ吉高由里子はなぜ国民的女優へと上り詰めていったのか。その彼女が主演を務める『光る君へ』がなぜ期待を裏切らないものになると予想するのか。いちファンの目線を超えた客観的な分析をもって、詳しく、熱くお伝えしたいと思う。
平安中期という時代設定に覚えた不安
すでにご存知の人も多いと思うが、2024年の大河ドラマ『光る君へ』で吉高由里子が演じるのは、あの『源氏物語』の作者として知られる平安時代の作家、紫式部だ。下級貴族の家に生まれたまひろ(吉高由里子)は、和歌や漢詩に秀でた父のもと、文学の才能を開花させていく。やがて『源氏物語』を紡ぎ始めたまひろは、想い人である藤原道長(柄本佑)のバックアップを受け、その類まれなる才能を大きく花開かせていくのだった。
……という物語であるのだが、実は当初、吉高由里子が演じるのが紫式部と聞いたときは一抹の不安を覚えたものだった。というのも、NHK大河といえば戦国時代以降を舞台にした作品がほとんど。平安時代を描いたものは過去60作以上にもなる歴史の中で、数えるほどしかない。つまり、それだけお茶の間になじみが薄いということだ。
しかも最も近いところで描かれた『平清盛』(2012年)は、平均視聴率が12.0%と当時の過去最低を記録してしまっていた。『光る君へ』は源平時代より前の平安中期と、さらになじみの薄い時代設定だけに、この発表を聞いたときは正直、吉高由里子といえども「大丈夫だろうか?」と思ってしまったのだ。
しかしおそらく、その心配は杞憂に終わるだろう。これは決してファンの欲目で言っているのではない。その理由はデータが示していて、吉高作品というのは見れば見るほど満足度がジワジワ上がってくる場合が多いからだ。
『わたし、定時に帰ります。』(2019)や『知らなくていいコト』(2020)、『最愛』(2021年)など、彼女が近年主演を務めた作品の視聴率推移を見てみると、どれも序盤から中盤までは伸びそうで伸びきれず同じ辺りをウロウロしている印象なのだが、終盤になると植物が硬い殻を破って一気に芽吹くかのように、グンと数字を伸ばす。それだけでなくSNSでも議論や考察が活発になるなど、大きな盛り上がりを見せるようになるのが恒例パターンなのだ。
次ページ
吉高由里子、最強の魅力は“危うさ”
- 1
- 2