食べ過ぎで胃腸を崩した女子
食べ過ぎで胃腸の調子が悪いので、とりあえず甘酒を一杯だけ飲んでみたものの効果が出ず……。全食を甘酒に置き換えるなど、甘酒生活を実施。
それ絶対、NG!
教えてくれたのは……
甘酒探求家・甘酒ソムリエ
藤井寛さん
東京農業大学大学院農学研究科食品栄養学専攻博士前期課程修了。甘酒づくり歴27年、甘酒にまつわる情報を収集し発信するウェブサイト「あまざけ.com」を運営。甘酒は日本が誇る発酵食品であるという信念のもと、各地の甘酒を探し求めるとともに発酵文化の発信をおこなう。講演会やセミナー、テレビ、雑誌などで活躍中。著書に『発酵あんこのおやつ』『発酵ベジあんのおかずとおやつ』(ともにWAVE出版)『甘酒のほん』(山川出版)『元気をつくる!麹の甘酒図鑑』(主婦の友社)。
森永製菓(株) 研究所 健康科学研究センター
森貞夫さん
食品の保健機能の研究および機能性を活用した商品の開発を担当。
ダイエットにいいって本当!? 甘酒の成分とは?
数年前、甘酒ダイエットがブームになって以来、甘酒をダイエット中のおやつとして活用している人が増えています。でも甘酒って甘いけど、ダイエットに本当にいいの?と、疑問に思うことも。実際に甘酒にはどんなダイエット効果が期待できるのか、甘酒探求家の藤井寛さんに聞いてみました。
甘酒を“一食置き換えダイエット”に活用!
藤井寛さん
甘酒はお米を基本原材料とする酒粕や麹からつくられる、日本で古くから飲まれている発酵飲料です。麹甘酒は発酵する過程で、お米に含まれる炭水化物やタンパク質、脂質が麹菌の酵素によって消化分解されて糖やアミノ酸に変わるため、お米よりも甘く感じられます。
数年前、甘酒がダイエット食品としてブームになったときには、そんな甘さを活用して、ごはんの代わりに一食置き換えダイエットとして、甘くて水分量が多く、腹持ちのよい甘酒を活用していた人が多かったようです。
甘酒にはエネルギー代謝を促すビタミンB群が豊富!
藤井寛さん
とはいえ、原材料はお米ですから水分量を除けばお米と同じカロリー。飲み過ぎるとカロリーオーバーになります。
それ以上に麹菌で発酵された甘酒がダイエットにいいと言われるのは、米麹をつくる過程で生まれる豊富なビタミンB群です。また酒粕にも酒造りに関わった微生物がつくり出したビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は炭水化物やたんぱく質、脂質をエネルギーとして代謝を促す大事な成分。その含有量はお米に比べて3~4倍といわれています。飲み過ぎに気をつけて、朝食やおやつ替わりに甘酒を上手に活用すれば、ダイエットに役立てることもできると思います。
ダイエットにおすすめの飲み方 朝食替わりやおやつに
藤井寛さん
甘酒をダイエットに活用したいと思ったら、おすすめは朝食かおやつ。朝食をとる時間がない人や朝から食欲がない人は、ぜひ朝食に甘酒を一杯飲んでから出かけましょう。すぐに栄養素として吸収されるブドウ糖を含んだ甘酒を飲めば、朝の目覚めがよくなり、何も食べないときよりも活動的に体を動かすことができると思います。また、おやつに高カロリーのお菓子を食べるなら、自然な甘みで満足度の高い甘酒を飲めば、カロリーを抑えることも。
寒い時期には温めて、暑い季節には冷やして、一年を通して甘酒は、甘いものがやめられない女子のおやつにピッタリです。
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甘酒でお通じ改善! 正しい飲み方は?