連載 VOCE特別インタビュー

【くみっきー(舟山久美子)】カリスマギャルモデルの光と闇。多額な借金の返済から見えた本当の幸せとは

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『with』モデルへの転身でギャルから非難殺到。「裏切り者」と言われても前を向き続けたのは、“ギャル枠”にとらわれない力を世に見せるため

『with※』モデルへの転身でギャルから避難殺到。「裏切り者」と言われても前を向き続けたのは、“ギャル枠”にとらわれない力を世に見せるため

──借金を完済したのが23歳。ちょうど『Popteen』モデルを卒業したころですね。その後、大人の女性らしいスタイルを提案する雑誌『with』のモデルに!

くみっきー 当時の『with』は、大人のフェミニンスタイルやナチュラルで上品なコーデを提案する雑誌だったので、もはや違う業種への転職といってもいいくらい別の世界ですよね。あまりに違うジャンルだったためか、SNSには「くみっきー、ギャル捨てた」とか「裏切り者」、「嫌いになった」という言葉がたくさん溢れていましたし、SNSのフォロワーも減って……正直、すごく悩みましたね。この決断は自分自身の成長のためでもありましたが、ギャル界に新しい道をつくりたいと思っての行動でした。いつかはファンの子たちにも理解してもらえるかな、と前向きにとらえていました。

※くみっきーさんが専属モデルとして在籍していたときは、20代〜30代女性向けファッション雑誌。2022年5月号をもって定期刊行を終了し、現在はヴィジュアルインタビュー誌として生まれ変わって不定期に刊行されている。

──ギャル界にどんな新しい道をつくりたいと思っての“転職”だったのでしょうか。

くみっきー 私としては、ギャルを捨てる気持ちなんてみじんもありませんでした。当時、先輩ギャルモデルが、カラコンやコスメ、ファッションなどをプロデュースして、大きな経済効果を生むすばらしい活躍をされていたにも拘わらず、「ギャルは、ギャルの世界の中でしか成長できない」という評価がくやしくて。ギャルという冠を捨てたらなんの価値もなくなるような言われ方をされないためにも、ギャルモデルが一般誌のファッションモデルとして通用するという実績がつくりたいと思いました。それがギャルモデルの卒業後の新しいルートになればいいという期待もあっての“転職”でした。

──ギャルモデルの進路開拓であり、ギャルの可能性を世に知らしめるためだったとは……深い。ですが、なかなか理解されず、しんどいときもあったのでは?

くみっきー そういった苦しい時代を乗り越えるときには、やっぱりギャルマインドを持っていると強い! これは私の知るギャルモデルのみんなに共通することなのですが、ずっとギャルという偏見をまといながら、そこに負けることなく決めた道を究めてきたから、多少の荒波にはびくともしない。人の意見よりも自分のやりたいことに正直に生きるし、そこに対する非難には慣れっこだから軸がブレないんですよね。そんなギャルマインドがきっちり刻まれた私なので、どれだけ「裏切り者」と言われても、必要な準備期間だと信じて前に進むことができたのだと思います。

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ギャルメイクから卒業して新しいステージに

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