ついにベッキーは『カジダイコウ』を手に入れた!
数ヵ月前に“謎の正義感に駆られた時代遅れの頑張り屋”である事をこの場所に書いていた私。仕事と育児でてんやわんや。こなさなければならないタスクが増えると、テンパり、イライラし、パンクする。でもあまり人に頼りたくないから自分でやろうとして、またパンクして……。それを繰り返して日々を過ごしていた。ありがたいことにお仕事が増え、いよいよどうにもこうにも自分の機嫌が取れなくなった頃。『もう家事代行に頼ろうかな。でも頼りたくない気持ちもある』とつぶやいたら親友から『絶対頼んだほうがいい!』と言われた。その子が言うには『家事代行の方に家を掃除してもらうと、なんか、家が喜ぶの!』とのこと。何ともすてきな感覚。『家が喜ぶ』。そんな世界があるのか。親友の言葉だから、心が動いた。でもまだプライドが邪魔をする。とりあえず家事代行サービスのホームページを覗いてみる。まだ頼むと決めたわけでは無い。でもちょっとだけ覗いてみる。すると体験した方々の感想があった。そしてそこに決定的な文言があり、私は頼むことにした。『一人暮らしですが家事代行頼みました! 自分の時間が増えて最高です!』わあ! 一人暮らしの方も家事代行を利用する時代なのか!……まぁ、時代も何も、昔からそういう方はいるだろうが、初めて知る情報だった。ならば、私も頼んでみようかな。背中を押された。
家事代行サービス初日は掃除の仕方や、お皿をしまう場所の説明など、少しの頑張りは必要だったが、回数を重ねるごとにコンシェルジュさん(サービスしてくださる方をそう呼ぶらしい)との阿吽の呼吸も生まれ、今では本当に本当に助かっている。私は月に3回ほど、3時間のサービスを利用していて、主に掃除を手伝ってもらっている。コンシェルジュさんがいると私も必然的に家事のエンジンがかかり、結果3時間で6時間分の家事が捗る。最高だ。家も私も喜んでいる。
仕事と育児の隙間は“やりたいこと”の前に“やらなきゃいけないこと”が立ちはだかる。掃除、片付け、手続き……それらをやり終え、“さあ! 大好きな料理をやるぞ!”と思う頃には体が疲れていて、残り時間も僅かで、結局少しの簡単な物しか作れない。でも誰かがその“やらなきゃいけないこと”をやってくれるだけで、“やりたいこと”にベストな状態で取り組めるのだ。これは本当にうれしい。私はこれからも家事代行サービスを利用しながら、自分の人生を楽しもうと思う。
プライドが邪魔したり、世間体を気にしたり。でも勇気を出して一歩踏み出すと、思っていたよりいい未来が待っている。私は学んだ。
さて。等身大すぎる自分を表現してきたこの『新こきゅう』ですが、次回が最後の連載となります。また次回、ふらっと覗きに来てください。いつもありがとうございます。
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ベッキー/Becky
1984年生まれ。神奈川県出身。14歳で子ども向け番組『おはスタ』でデビュー。以降、バラエティやトーク番組、雑誌などで活躍。2019年にプロ野球指導者の片岡保幸さんと結婚し、2020年春に第一子、2021年春に第二子を出産。2021年には「第14回ペアレンティングアワード」でママ部門を受賞。洋服のデザインや絵画制作も行い、カラフルなアクリル画が印象的な「Becky art」も人気。YouTubeチャンネル「ベツキイ!!!!」も、絶好調配信中。また、自身初のスキンケアブランド「NaturaLUNA...
」のプロデュースもしており多方面に活躍の場を広げている。
撮影、イラスト、文/ベッキー 撮影(ポートレイト)/猪原悠
Edited by 渕 祐貴
公開日: