MOVIE:INTERVIEW
中川大志
アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』で“声”の芝居に挑戦した中川大志さん。担当した恒夫は大学4年生で、共感できる部分も多かったとか。「22歳の僕にとっては、まさに等身大の人物。車椅子生活をしてきたジョゼという女の子のワガママに振り回されながらも、彼女が時折見せる素の一面にドキッとしてしまったり……。ギャップに惹かれていく過程は、同じ男として素直に共感できました(笑)。ジョゼと恒夫の繊細な関係性が魅力の物語なので、しっかりと気持ちを声に乗せることに集中して収録に挑みましたね」
原作の同名小説も、2003年に公開された実写映画も、根強い人気を誇る不朽の名作。今回は切ないストーリーにアニメーション映像を掛け合わせることで、また新たな魅力が引き出された。「ジョゼの夢の中のシーンがすごく幻想的に表現されていて、完成した映像を見て僕も感動してしまいました。やっぱり別世界に没入できるような表現はアニメならではですし、劇中の人間模様も含めて、優しい気持ちを持ち帰ることができる作品に仕上がっていると思います」
2020年だけでも、コント番組でリモートコントに奮闘したり、ライブステージで生の芝居や歌を披露したり、あらゆる分野で無限大の才能を発揮している中川さん。どんなミッションでも失敗を恐れずに挑戦できることが彼の強みだ。「『100%できる』とわかっていることよりも、『できるかどうかわからない』ことに挑戦する方が、ワクワクするじゃないですか。不安でドキドキするからこそ、やりがいも大きいわけで。これからも、チャンスがあればどんどん“初体験”に挑戦していきたいですね。どんどん失敗を重ねることが成功への近道だと考えたエジソンのマインドで突き進みたいと思います(笑)」
Q.年末年始にやりたいことは?
A.「こたつで鍋」ですね(笑)。ずっとアウトドア派だったものの、この1年すっかりおうち時間が好きになりました。
Q.映画館ではどの辺りの席に座りたいタイプ?
A.スクリーン全体が視界に収まる後ろの席が好きです。それとバターどばどば系のポップコーンも欠かせません!
Q.今後、叶えたい夢は?
A.素直に好きだと思える今の仕事を継続していくことが、いちばん大きな願望です。具体的な野望は……まだ秘密です(笑)。
中川大志(なかがわたいし)
1998年6月14日生まれ。東京都出身。2009年に俳優デビュー。2021年に映画『犬部!』が公開、2022年にNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演予定。W主演映画『砕け散るところを見せてあげる』(2021年4月9日全国公開)が、第36回ワルシャワ国際映画祭の国際コンペティション部門への出品が正式決定している。
アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』
幼いころから車椅子で過ごしてきたジョゼ(清原果耶)が大学生の恒夫(中川大志)と知り合い、恋愛と、人生のきらめきを知る……。原作は芥川賞作家・田辺聖子の青春恋愛小説。2003年には妻夫木聡、池脇千鶴主演で実写映画化もされた名作を、リアルかつイマジネーションに溢れたアニメーションで描く。2020年12月25日公開。
撮影/池満広大(TRON) ヘアメイク/池上豪(NICOLASHKA)スタイリング/山本隆司 取材・文/浅原聡
Edited by 松本 薫
公開日: