「美容」から考え直す、当たり前

「自分で自分の顔を撮るなんて、正気か?!」些細なことにも四苦八苦、自己肯定感低め人間の厄介な日常。

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「自分で自分の顔を撮るなんて、正気か?!」些細なことにも四苦八苦、自己肯定感低め人間の厄介な日常。

自己肯定感の低さをどうにかしたいとは思いつつ、「自分が好き」とは一生言える気がしない……。そんな人なら共感必至なのが、横川良明さんのエッセイ『自分が嫌いなまま生きていってもいいですか?』。今回は書籍から、自分が嫌いなことで直面するあれこれを綴った一編「自撮りが苦手」をお届けします!

この記事を書いたのは…
横川 良明(よこがわ・よしあき)さん

ライター

横川 良明(よこがわ・よしあき)さん

エッセイスト、ライター。1983年生まれ。テレビドラマから映画、演劇までエンタメに関するインタビュー、コラムを幅広く手がける。2020年、webマガジン「mi-mollet」にてコラム「推しが好きだと叫びたい」を連載。2021年、この連載をベースにしたコラム本『人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた』(サンマーク出版)を発表。以降、“推し活”の語り手としてメディアにも多数出演。その他の著書に『役者たちの現在地』(KADOKAWA)がある。twitter:@fudge_2002

自撮りが苦手

自分嫌いな人間というのは、往々にして面倒くさい。わざわざ引っかからなくてもいい石にいちいち丁寧につまずき、傷を負ったり足を挫いたりしている。はたから見ると、「なぜそうなる……」と思うような支離滅裂なことも、実は自分嫌いな人間にしか通用しないロジックにのっとって実行されているものだったりするから、余計に厄介なのだ。

なので、まずは自己紹介も兼ねて、自分嫌いな人間が何気ない日々の中でどんなことに煩悶しているかを語ってみたいと思う。ここから始まる七転八倒は大半がくだらないものばかりだ。どうか遠慮なく「くっだらね〜」と笑い飛ばしてほしい。

とにかく写真が苦手である。携帯電話にカメラがつき、すっかり写真は日常の中でも馴染みの深いものとなった。今やなんということのない場面でもパシャパシャパシャパシャみんな写真を撮っている。

恐ろしい。確か日本で初めてカメラ付き携帯電話を発売したのはJ-PHONEだったと記憶しているけれど、つくづく余計なことをしてくれたと思っている。何が写メールだ。対抗してドコモがi-shotというサービスを打ち出してきたもののまったく浸透せず、ひっそりとサービス終了したことをみんなは忘れてしまったのか。僕はこういう他人の失敗や落ち度をネチネチ引っ張る性格の悪い人間なので、はっきりと覚えている。任天堂のバーチャルボーイと同じくらい全然定着しなかった。まあ、その写メールも今や死語というか、いまだに「写メして」なんて言うと、それだけでアラフォー以上であることがバレるリトマス試験紙みたいになってしまったけれど。

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こんな顔を記録して残そうなんて、正気か?!

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