【長澤まさみ】譲れないこと、何もないです。ずっと変わり続けていきたいから

譲れないこと、何もないです。ずっと変わり続けていきたいから

お仕事では、求められることに対して、ちゃんと理解を深めることを大切にしていて、私の場合、“台本”を読み込みます。子供の頃「問題文をよく読みなさい」って言われたけど、まさに、台本には答えを導き出せるものが潜んでいるから。同じ本を読んでも、読むたびに感じる面白さが異なるのは、書き手がたくさん隠しておいた種から育った芽を、読むたびに摘み取っていくことで、理解が深まっていくからだと思うんです。プライベートでは、毎日、自分の細胞一個一個を褒めます（笑）。

特に嫌なことがあった日は「頑張ってくれてありがとう」を必ず。大人になるためには、自分をいじめてはだめだと思う。「疲れた」ではなくて「ありがとう」というように、幸福な言葉を投げる。いい言葉にはいい気が宿っていて、血流まで良くなるらしいんです。そんな面白いことを教えてくれる友達との会話も欠かせません。いろんな意見を取り込むのが好きだから、ディスカッションします。間違っていたとしても自分の意見を持っていることが重要で、話し合ってそっちのほうがいいと思ったら、コロッと意見を変えてもいいんです（笑）。

自分が理想とする人に、急に切り替わることは不可能だけど、その理想を課題に、毎日、小さな努力を繰り返していくことで、心が豊かに育ち、理想にも近づけるのかなとも思います。今の自分で満足したくないし、自分の意思で自分は変えられるからこそ、いつでもチャレンジできる人でいたい。変わり続けていくことに前向きなんです。

長澤まさみ／Masami Nagasawa
1987年6月3日生まれ。静岡県出身。『世界の中心で、愛をさけぶ』『モテキ』などVOCE世代の青春を彩ってきた人気作の多くに出演。記憶に新しいドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』でも高い演技力が話題となり、数々のアワードで受賞。来春には、長澤さんが物語の鍵を握る主人公の婚約者役を演じた映画『四月になれば彼女は』が公開予定。