連載 VOCE特別インタビュー

【吉岡里帆】2人の女性が描く優しい関係「女性っていざというとき強い。それが2人になったらさらに最強になる」

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──人気原作のドラマを演じる上で、難しさは感じましたか?

「原作のある作品はどうしても時間の都合上内容がぎゅっとしてしまい、説明セリフが多くなってしまいます。刑事のようにならないよう、セリフのなかで自然に状況説明してくというのは頑張ったポイントですね。あと、真尋の感情に困ったら原作を読み返していました。細かく心情を説明していますし、感情も書いてあるので、本には随分と助けられました。湊さんの本が真実ですからね」

──今回、監督を努めたのは映画『ミッドナイトスワン』などを手掛ける内田英治監督です。いつか一緒にお仕事したいと思っていたそうですが、きっかけは?

「仲のいいヘアメイクさんから内田監督のお話を聞いていて、ずっとご一緒してみたいなと。映画『ミッドナイトスワン』を見たときに、あまりにいい映画で心が本当に震えました。草彅剛さん演じる女性と服部樹咲さん演じる親戚の女の子。最初はまったく相いれない2人が出会ったときの化学反応を優しく撮る方なんだなと感じて。人間の関わり合いの優しさを細かく演出をされているように感じたので、そこに私は惹かれました」

──今回の北川さんと吉岡さんの役柄にも通じるものがありますね。

「そうなんです。企画書をいただいたときに共通しているなと。『ミッドナイトスワン』を見たときも狭い2人だけの世界の思いやりの話で、『落日』でも湊かなえさんが描く女性2人の様なので、そういう2人の小さな世界のなかで、関係性を丁寧に表現できるのかなと思いとても楽しみでした」

──吉岡さんはWOWOWドラマ常連ですが、WOWOWドラマはどんな印象ですか?

「何度か参加させていただいていますが、映画を撮られている監督が多く、今回も原作が湊かなえさんという、豪華で重厚感があって、ひとつひとつの作品を丁寧に撮っていく印象です。魅力的なキャラクターも多いですね。今回もセンセーショナルな内容で、女性2人の物語。引き込まれて一気見してしまう面白さがありますので、ぜひ楽しんでいただければと思います」

PROFILE

吉岡里帆
1993年1月15日生まれ、京都府出身。’15年、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で注目を集める。主な出演作にドラマ『レンアイ漫画家』『しずかちゃんとパパ』『ガンニバル」、映画『泣く子はいねぇが』『島守の塔』など。2023年、映画『ハケンアニメ!』で第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。10月公開の映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』、12月公開の映画『怪物の木こり』に出演予定。WOWOW『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』の放送・配信中。

【作品インフォメーション】
WOWOW『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』毎週日曜22時~放送・配信中。
※10月1日(日)22時~第4話(最終話)放送・配信。

新進気鋭の映画監督・長谷部香は、15年前に引きこもりの男が起こした一家殺害事件を映画化しようと、事件が起こった笹塚町出身の新人脚本家・甲斐真尋に話を持ちかける。それぞれ過去に身近な人を失った経験を持つ香と真尋は事件を調べる中で、ある衝撃の真実にたどり着く。二人が各々抱えている過去を乗り越えて『再生』する物語。

ヘアメイク/北原果(KiKi inc.) スタイリスト/安藤真由美(スーパーコンチネンタル) フォトグラファー/峠雄三 構成・文/池城仁来

Edited by 沈 晨棟

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