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エフシージー総合研究所
フジサンケイグループの調査研究機関。商品テスト、商品研究、テレビ番組の撮影協力等。
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いま買うならどれ? 本命の一品が見つかる! 秋冬ファンデーション、ガチ検証!
今シーズンもめざましい進化を遂げた数々のファンデ。でも欲しい効果が本当にあるかどうかは試してみないとわからない! ということで、人気ブランドの新作10品で実験開始。使い心地も仕上がりも大満足の優秀作を探して!
【TEST.1】透明感はある?
中身を抜いた卵の殻にファンデを塗り、内側から発光体で照らしたときの光の透過具合を見る。塗布部分が暗くならず透けるものは、透明感があるとみなす。
01:RMK
透け感はあるけれど塗った部分はわかってしまうので、透明感はいまひとつ。
02:アディクション
比較的、色がのるファンデなのに、塗布部分は光が透過。透明感のあるタイプ。
03:アルブラン
塗布したのがどこかわからないぐらい透けている、透明感バッチリのファンデ!
04:エスト
ファンデを塗布した部分がくっきりと暗く。透明感があるとはいえないかも。
05:カネボウ
塗ったところが暗く影になっている。色も濃くて、不透明な仕上がりである。
06:カバーマーク
しっかりと光が透過! 薄づきということもあり、かなり透明感があるタイプ。
07:SUQQU
かなり色がのるファンデということもあり、光は透過せず透明感はイマイチ。
08:セルヴォーク
しっかり色がのっているのに、塗布部分は光が透過している。透明感がある!
09:トーン
塗ったところがほんのり透けている! 比較的、透明感のあるファンデだ。
10:ルナソル
透け感はあまりなく、塗ったところがわかる。透明感はいまひとつという感じ。
【TEST.2】水や皮脂に強い?
同量ずつのファンデを塗布した人工皮革を用意。汗に見立てた水と皮脂に見立てたモデル皮脂を滴下し、なじみ具合を見る。滴が丸い形状を保つほど、水や油に強い。くずれにくさをここで検証!
01:RMK
きっちりとはじいているのがよくわかるのは水分のほう。皮脂はなじんではないが少し広がっている。
02:アディクション
水分、油分ともに少しだけ広がっているのがわかる。しかしファンデとなじんで色が濁るまではいかない。
03:アルブラン
水分はファンデとなじむことなく、きっちりはじく。でも皮脂ははじかずに広がってしまった。
04:エスト
水分は球状に近い形ではじいているので、水には強い。でも皮脂は広がってしまい、色も濁っている。
05:カネボウ
水分はきっちりはじいているが、皮脂は広がってしまっている。とはいえ、色は混ざっていない。
06:カバーマーク
油分はきっちりはじいているものの、水分のほうが広がってしまった。汗や水には注意が必要かも。
07:SUQQU
水分はコロッと転がりそうなぐらいはじいているのに、油分はだらりと広がって色も濁っている。
08:セルヴォーク
水分、油分ともに広がっているのがわかる。ファンデとなじんでしまい、色が白っぽくなっている。
09:トーン
水分も油分もだらっと広がり、ファンデと完全になじんでしまった。どちらにも弱いファンデだ。
10:ルナソル
広がってはいるものの、水分はなじんでいない。油分もかなり広がっているが、ファンデが溶けてはいない。
【TEST.3】肌色を明るくする?
ファンデの色の明るさを分光測色計で測定する実験。一般的な肌色を想定した肌模型(ブランク)を100として算出した。
数値が大きいほど、肌色を明るく見せるファンデということ。各ブランドから提供されたファンデの色で実験したところ、一般的な肌色よりもかなり明るくなるのが09。次に04、それから03、07、10が同率で続く。05、そして01はかなりトーンが暗め。健康的な肌色に仕上がりそう。
【TEST.4】毛穴は隠せる?
すだちの皮の表面にファンデを塗り、毛穴に見立てた凹凸がどれぐらい目立たなくなるか観察するという名物検証。凹みにファンデがどう入り込むか、そして埋めるかをチェックしていこう。
01:RMK
全体をちゃんと覆って、凹みなどが目立ちにくい感じに。毛穴カバー力は高いほうだ。
02:アディクション
全体をファンデが覆っているが隠しきれず。凹みを埋めているが、目立ってしまう部分も。
03:アルブラン
皮全体をある程度は均一に覆っているけれど、薄づきということもあり、隠しきれず。
04:エスト
ムラなく表面を覆っている。凹凸に入り込み目立たなくしているので、カバー力はある。
05:カネボウ
キレイに全体を覆っている。凹みを自然な感じに埋めていて、毛穴カバー力はバッチリ!
06:カバーマーク
薄く均一に覆っているが、凹みに入り込んだところがかえって目立つ。カバー力は低め。
07:SUQQU
しっかり全体を覆っている。凹みを自然な感じに埋めてくれていて、毛穴カバー力は高め。
08:セルヴォーク
ファンデが全体を覆うけれど、凹みに入り込んだところが少しだけ目立つような印象も。
09:トーン
皮の表面全体を覆っているけれど、凹みに入り込んだところが逆に目立ってしまった。
10:ルナソル
皮表面をつるんとした感じで覆った。凹みは悪目立ちせず、ちゃんとカバーされている。
【TEST.5】カバー力と持続性は?
すりガラスにファンデを塗布し、シミをイメージした文字の上にのせる。モデル皮脂を付着させ、その前後で文字がどのくらい隠れ、透けてくるかを観察。5段階で評価する。数値が大きいほどカバー力が高いということ。
01:RMK
02:アディクション
03:アルブラン
04:エスト
05:カネボウ
06:カバーマーク
07:SUQQU
08:セルヴォーク
09:トーン
10:ルナソル
色ムラなどの悩みを目立たなくする高いカバー力を持ちながら、時間が経過してもその効果が薄れにくいのは04、05、07の3品。01も、最初から高いカバー力を誇るこの3品ほどではないが、色ムラを目立たなくする効果があって、なおかつ時間が経っても効果が薄れないタイプだ。08、09、10は2段階もカバー力が下がるので、時間経過で変化が出やすいといえそう。塗って時間が経ったら、お直しするなどのケアが必要だと思われる。06は経時変化はほぼないけど、もとからかなり薄づき。肌悩みが少ない人に向いていそう。
【TEST.6】うるおう?
前腕の内側にファンデを塗布し、塗布前と60分後の水分量を測定する。変化量をグラフ化したのが下のグラフで、数値が高いほどうるおうということ。秋冬ファンデの重要ポイントと位置づける人も多いと思われる項目なので、乾燥肌の人や、しっとりした質感のファンデを望む人は、しっかり見極めよう。
10品中、最もうるおい効果があったのは06。ぷるんとしたユニークなテクスチャーのファンデは、圧倒的なまでの差をつけてトップに躍り出た。とはいえ2位の07、3位の01もかなりいい数値。しっとり効果が欲しい人はぜひチェックを。09、10はこのテストではうるおい効果がイマイチ。塗り方や肌質によっても変わってきそう。軽い感触が好きな人は09を。10はオイルファンデなので油分が欲しい人向き。
【TEST.7】くすまない?
すりガラスにファンデを塗布してからモデル皮脂を付着させる。その前後でファンデの色がどうなったかをチェックするのがこのテスト。全体的にファンデが暗く変化するものは、くすむタイプとみなす。時間が経過しても肌の印象が変わらないのは、どれ?
01:RMK
02:アディクション
03:アルブラン
04:エスト
05:カネボウ
06:カバーマーク
07:SUQQU
08:セルヴォーク
09:トーン
10:ルナソル
モデル皮脂を付着させたあとに色が暗く変化するファンデは、塗って時間が経つとくすんだ印象になるもの。朝塗って、夕方になってもくすんだ感じにならないのは、01、05、06、07の4つ。02や03、04、10は少しくすむ危険性があるので、下地などで対処したほうがいいかも。08と09は皮脂によって経時変化が出やすいタイプ。オイルコントロールなどでサポートしたほうが安心!
【TOTAL】仕上がり&総合評価
最後は、モデルの肌に実際に塗ったときの印象をチェック。見た目の美しさはもちろん、小鼻のまわりの赤みなどはカバーできているか、毛穴は目立たなくなっているか、肌の質感はどう変化するかなど、総合的に観察をしていこう。塗布時ののびのよさも参考に!
01:RMK
毛穴をカバーしつつ、しっとり肌をキープ
みずみずしい感触のジェルタイプ。かなりフィット感があり、広げるとピタッととどまるような塗り心地だ。色ムラや表面の凹凸はきちんとカバーするので、毛穴が目立つと悩んでいる人にもピッタリ。時間が経ってもくすみにくいけれど、アラが透けたりヨレが出てきたりする可能性も。
落ち着いた色でマットな仕上がり。自分にあった色を選ぼう。
02:アディクション
美しいツヤが生まれて透明感もバッチリ!
ゆるくのばしやすいリキッドタイプだが、ズルズルすべらずしっかりフィットする。シミなどの色ムラはほどよくカバーしてくれるけれど、毛穴はうまく隠さないと目立ってしまうかも。透明感があってツヤのある仕上がりになるが、時間が経つとくすみやテカリ、ヨレが出るのでお直しは必須。
ナチュラルな色づき。肌にのばしやすく、密着感があるのも優秀!
03:アルブラン
汗や水にも負けず、透明美肌に仕上げる
かためのクリームテクスチャー。肌にのばすとすぐにフィットして重たくなるので、手早く塗り広げるようにするのが正解。薄づきなのでカバー力はそれほど高くないけれど、そのぶん透明感はある。時間が経つと透けたり、くすんだりしてくる可能性が高いので、こまめにお直ししたほうがいい。
肌トーンを自然に上げてくれるタイプ。マットで素肌っぽい印象。
04:エスト
毛穴をカバーしながら明るい肌トーンに
こっくりとした感触のクリームファンデ。やや重ためなテクスチャーで、塗っていくと早めにフィットする。量がのり、シミや表面の凹凸もしっかりカバーできるところは、悩みが多い肌にはうれしい。時間が経つと、少しくすみが出そう。皮脂が多いとヨレも気になるので、対策は取るべき。
塗れば即、ワントーン明るい印象。ツヤがあるのでくすみも解消。
05:カネボウ
シミはもちろん毛穴も完璧にカバー
ゆるくて、なめらかなテクスチャー。するっとのびて肌に密着するので、テクニックレスで塗りやすい。シミも毛穴も瞬時に気にならなくなるぐらいカバー力が高いけれど、そのぶん透明感は期待できないかも。時間が経ってもくすみにくいけれど、ヨレは出るかもしれないので、お直しを。
ナチュラルな色でセミマットな仕上がり。素肌っぽい印象になる。
06:カバーマーク
抜群の透明感で、うるおいもキープ!
弾力のあるゼリーのようなテクスチャーのため、肌にのばすにはコツがいる感じ。なじんだあとはかなり薄づきで、透明感と保湿力はトップクラス。悩みの少ない乾燥肌を美しく仕上げてくれそうだ。時間が経ってもくすみなどの変化は少ないが、ヨレやテカリは出てきそうなので、こまめに確認を。
厚塗り感はなく、ツヤのある仕上がり。時間が経ってもしっとり!
07:SUQQU
絶妙なカバー力で大人肌の隙をなくす
コクのあるクリームファンデ。のばすときはやや重く、量もしっかり肌にのる感じだ。メイク感のある仕上がりなので、シミも色ムラも、そして毛穴もしっかりカバーしてくれる。うるおい効果も高いから、乾燥しがちな肌におすすめしたい。時間が経つとくずれてヨレたりするので、鏡でチェック。
ほどよくトーンアップして、美しくツヤっぽい印象の肌に仕上がる。
08:セルヴォーク
広げやすいテクスチャーで透明感とツヤを演出
するっとのばし広げやすく、みずみずしいテクスチャーのリキッドファンデ。色ムラを目立たなくするカバー力はあるけれど、表面の凹凸までは難しいかも。隠したい悩みにはコンシーラーや下地などを併用して。ただ時間が経つと悩みが透けてくる可能性があるので、お直しは必要になりそう。
自然な肌色に仕上がるけど、ツヤと透明感があるので明るい印象。
09:トーン
軽やかに広がって、ツヤのある肌を演出
サラッと軽い塗り心地のリキッドタイプ。のばし広げれば透明感のある仕上がりに。色ムラは隠してくれるけれど、目立つ毛穴はカバーできないかも。気になる場合は下地などを併用すべき。水分と油分で変化が出やすい傾向にあるので、オイリー肌の人、汗をかいたときは丁寧にお直しをしたい。
10品中ナンバーワンのトーンアップ効果。肌色がパッと明るく。
10:ルナソル
軽やかにのびて、つるんと毛穴レス!
オイルリッチでゆるく、しゃばっとしたテクスチャー。スルスルとのびるけれど、すべりがよすぎる感じもあるので、丁寧になじませたほうがよさそうだ。濃い色ムラも目立つ毛穴もしっかり隠してくれるけれど、時間が経つとくすみや透け、テカリが出てきがち。オイリー肌は特に注意して!
肌色をほどよく明るくする色み。ツヤがあって、毛穴も消える!
サイエンスな結論
温度や湿度が急降下するこのシーズン、どうしてもカサつきが気になるという人は、06、07、01のうるおうトップスリーに頼りたい。3品ともかなりしっとりする使用感なので、乾燥肌でもきっと満足できるだろう。ここ数年のベースメイクの最重要項目である透明感は、03と06で実現できる。02、08、09も厚塗り感なく美しい肌印象に仕上がるはずだ。ファンデに求めるのはカバー力であり、とくに毛穴悩みが気になる肌には05と07がおすすめ。01、04、10も毛穴カバー力があるので、目立つ凹凸でもキレイにカモフラージュしてくれる。とにかく肌色を明るくしたい人は、09、04、03、07、10を塗るといい。特に09は瞬時に明るい肌になれるファンデ!
撮影/石田健一(実験)、藤本康介(静物) 実験/エフシージー総合研究所 取材・文/穴沢玲子 構成/佐野桐子
Edited by 佐野 桐子
公開日:
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