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教えてくれたのは…
スキンケア成分ハンター
竹岡篤史さん
世界中にまだまだ存在する隠れた美容成分を探索し、研究する美容成分開発者であり、スキンケア成分ハンター。2016年には、ヨーロッパを代表する美容・コスメイベント「In-cosmetics」にて、イノベーションアワード金賞を世界で初めてアジアから受賞。最近では化粧品メーカーなどから講演のオファーが殺到! 製薬企業とともに共同研究・開発を続けている。
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「美容&成分トレンド」ニュース
エイジング対策で外せないのは【セノリティクス(老化細胞除去)】!
竹岡さん
ここ数年で認知度が上がり、注目されているのが“セノリティクス”。老化を意味する“senescence”と、対抗を意味する“lytics”を合わせた言葉で、老化細胞の除去を意味しています。細胞分裂を停止し、本来なら消去されるはずの細胞が酸化やストレスにより死なずにゾンビ化すると老化細胞になります。これが腐ったミカンのようにまわりの健全な細胞にまで悪影響を及ぼすことから、老化細胞を除去することは若返りにつながると注目されているんです。
細胞のゾンビ化を進める主な要因3つ!
●紫外線
●ストレス
●酸化
竹岡さん
紫外線やストレス、酸化によって細胞がゾンビ化した老化細胞は、加齢とともに増加して体内に蓄積。するとSASP因子(老化した細胞が発する炎症性のタンパク質群)が誘発されて慢性炎症が起こり、肌だけでなく体中で老化現象を引き起こすわけです。細胞がゾンビ化するのを抑制すること、さらにSASP因子を抑えることが、セネッセンス(老化)に対抗する“セノケア”の重要ポイントとされていて、いま世界中で研究が進んでいるんですよ。
セノケアでこんなことが期待できる!
【1】「コスメの効き」がもっと良くなるかも?
竹岡さん
ゾンビ化した細胞を消去すると肌がどうなるのかあまり分かっていなかったのですが、最近になり、ペプチドに対する肌の反応が3倍になったというデータも出てきています。つまり美容成分の効きがよくなったということで、ゾンビ細胞が増えるとコスメのスキンケア成分に反応できる細胞が減っているという証明になるわけです。
【2】「ゆらぎ」に強い肌になるかも?
竹岡さん
“ゆらぎ”もまた、老化細胞によって起こる現象なのではという仮説があるんです。生きているといろんな“ゆらぎ”があるじゃないですか。その原因はストレスやサーカディアンリズムだと言われていましたが、ここにきてセネッセンス(老化)も“ゆらぎ”の原因なのではないかという説が浮上。人によってコスメの効きに差があるとか、ちょっと前まで効いていたのに効かなくなるとか。これもゾンビ化した細胞のせいだとしたら、セノケアでゆらぎにくい肌と体になることが考えられます。
肌のターンオーバーに!「メラトニン」
竹岡さん
人間を含む生物の基本的な機能には、約24時間のリズムがあります。これをサーカディアンリズムといい、睡眠ホルモンのメラトニンがおもに調節をしているんですけど、このメラトニンが脳だけじゃなく肌にも作用しているということがわかり、注目を集めています。表皮細胞にメラトニンの受容体がたくさんあって、免疫だとかターンオーバー再生などに深く関係していたんですよ。メラトニンにアプローチする化粧品は今後も増えるんじゃないでしょうか。
たとえばこんなアイテム!
イキイキとした肌を保つ!「ケルセチン」に期待が
竹岡さん
野菜や果物に存在するフラボノイドの一種であるケルセチン。血流改善や抗がん作用、生活習慣病予防がよく知られていますが、オートファジー(細胞内のタンパク質を分解する仕組み。健康な細胞を維持するために必須)を誘導することもわかっています(私も実験して確認済み)。つまり、ダイエット目的だけでなく、美容目的でケルセチン配合のものを飲んだりするのもアリってこと。
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遺伝子に着目!「エピジェネティクス」
竹岡さん
生まれたときはみんな、基本的にキレイな肌じゃないですか。それが生活習慣や食事、日々のストレスなどでバラつきが出てゆらいでしまうわけです。遺伝子が働きすぎたり、うまく働かなくなったりして、肌に悪影響が出るということですね。それをどうにかしてバランスを整えて、肌の力を引き出していこうというアプローチがエピジェネティクス。いわば後天的な遺伝子の活性の調律であり、長寿美容では絶対に無視できない分野。
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