連載 元タカラジェンヌ特集!

元宝塚歌劇団・宙組トップ娘役【潤花】退団後初登場!真風涼帆さん・芹香斗亜さんへの想いも語る!

更新日:

退団公演は「最後だ」と思うよりも、とにかく芝居に集中していました

元宝塚歌劇団 宙組 潤花さん
VOCE編集部
VOCE編集部

卒業公演となった『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』での想い出を教えてください。


潤さん
潤さん

東京公演の千穐楽まで、「これが最後」だとは思わなかったです。最後の挨拶で皆さんを顔を見て、「あ、私、皆さんと一緒に舞台に立つのは最後なんだ」とそこで実感したくらいで。「最後だから」というより、私も含めて皆さん作品に集中していたので……。演出家の小池修一郎先生が退団と重ねたセリフをつけてくださったりもしていたんです。


VOCE編集部
VOCE編集部

はい。客席から舞台を観ながら、それらのセリフで涙が出たりしましたから……。


潤さん
潤さん

ありがとうございます。そこは真風さんとも「自分たちは意識せず、お客様に感じていただくように、自分たちはこの作品の中で役として生きていこう」と最初からお話ししていたんです。客席からのすすり泣きは聞こえてきましたが、お芝居中は集中していましたし、“退団”を意識することなく舞台袖でも普通に立っていました。袴でご挨拶する直前まで真風さんと写真撮ったりしていて(笑)。


VOCE編集部
VOCE編集部

退団を身に染みて感じたのはいつでしたか?


潤さん
潤さん

宙組の皆さんが集合して、お稽古が始まって……、というタイミングです。今でも現役の皆さんと連絡を取っていて、「お稽古が始まった」と聞くと「自分はもう辞めたんだ」と……。


VOCE編集部
VOCE編集部

今でも真風さんとご連絡を取られていますか?


潤さん
潤さん

はい! 取っています!!


VOCE編集部
VOCE編集部

どんなお話をされるんですか?


潤さん
潤さん

観劇をご一緒させていただいたり、あと、お誕生日のときもご連絡しました。何かあるごとにご連絡はしているんですけど、今はお忙しいとも思いますので……。


VOCE編集部
VOCE編集部

観劇はやはりパートナーとして過ごしてきた真風涼帆さんとセットで行くことが多いのですか?


潤さん
潤さん

たまたまお仕事が被っていなかったり、お互いに日程があったりすれば、という感じですね。「〇〇日に行くけど、一緒に行けそう?」みたいな感じでお約束します。


VOCE編集部
VOCE編集部

では、退団されても関係性はあまり変わらないんですね。


潤さん
潤さん

はい、変わらないです。 毎日はお会いできてないですが、今までと変わらず、引き続き仲良くさせていただいています!


VOCE編集部
VOCE編集部

トップ娘役さんはよく、「退団後に相手役の方の舞台を観て涙が止まらなくなった」という話をされますが、潤花さんはいかがでしたか?


潤さん
潤さん

分かります!!! 先日、柚希(礼音)さんのディナーショーに真風さんも出演されていて観劇させていただいたのですが、やはり涙が止まらず……。寂しい涙とかではなく、自分がずっと真風さんのお相手役をして同じ舞台に立っていたので、まずは客席からそのお姿を見るのが久しぶりだったというのがありまして。もうひとつは、柚希さんと紅(ゆずる)さん、そして真風さんのお三方の並びを見て、「ああ、素敵だな」と。


VOCE編集部
VOCE編集部

それはグッときますね! お二人で演じられた作品で特に好きだったものはありますか?


潤さん
潤さん

全部です!! 全部、全部大好きなんですけれど、お芝居が楽しいって思ったのは『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』です。その次の『バロンの末裔』は正塚晴彦先生の作品だったので、私はかなり楽しかったです。あと、『NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-』もすごく好きでした。


VOCE編集部
VOCE編集部

『NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-』は再演ということもあって、観客側も楽しみな作品でした。


潤さん
潤さん

『NEVER SAY GOODBYE』は歌も芝居も身に染みて、とても勉強になった作品でしたね。この頃はコロナで公演が止まったりした時期でもあったので、組子の皆さんも私自身もさらに作品に対する集中力が高まっていて……。だから、すごく生きていることを楽しみながら演じられました。『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』は宝塚では珍しい、現代が舞台のナチュラルなお芝居ができたので思い出深いです。私がトップ娘役になって初めての日本人、かつ等身大のお役だったので楽しかったですね。


潤花さんは常に“満開”というイメージの素敵な笑顔で、楽しそうに退団の話、そして相手役だった真風さんのお話をしてくださいました! 同時退団という大きな岐路を乗り越え、それぞれの道を歩き始めたお二人ですが、今も在団中と変わらない様子でお話しされている姿が目に浮かびます。何よりも、「真風さん♡」と名前を呼ぶ潤花さんの瞳がキラキラで、心から真風さんのことを思っていることが手に取るように分かりました!
さて連載2回目では潤花さんがこれから向かっていく【女優】という道についての想いや、デイリーライフについて伺います! ぜひお楽しみに。

潤花さんの元気いっぱい&チャーミングな未公開カット!

【潤花さん・プロフィール】

潤花(Hana Jun)
北海道旭川市出身、1997年9月19日生まれ。2016年に102期生として宝塚歌劇団に入団。星組公演「こうもり/THE ENTERTAINER!」で初舞台を踏み、その後雪組に配属。チャーミングな雰囲気と華やかなダンスで注目を集め、2017年に望海風斗・真彩希帆トップコンビ大劇場お披露目となる公演『ひかりふる路』で新人公演初ヒロインを務める。その後も3度にわたって新人公演ヒロインを務め、早くから抜きん出た存在に。2020年9月7日付で宙組へ組替え、2021年2月22日付で宙組トップ娘役に就任。真風涼帆の2人目の相手役として、「シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-/Délicieux!」で新トップコンビ大劇場お披露目。2023年6月11日『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』東京千穐楽を持って、真風涼帆と共に宝塚歌劇団を同時退団。女優として活動をスタートさせる。

撮影/大坪尚人 取材・文/前田美保

Edited by 三好 さやか

公開日:

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