目次
「メシマズ」とは?
「作るメシがマズイ」の意。ネットの世界では「味が極端にマズイ」「見た目も味もひどい」など、激しいものを指すことが多いですが、この連載では「料理歴はそこそこあるのに味が微妙・たまに成功するけれど、だいたいおいしくない」といった意味で使用しています。
【登場人物】
教えてくれるのは…
料理研究家
小田真規子さん
著書やテレビ出演多数! 長年第一線で活躍しているプロ中のプロ。料理初心者にも寄り添ってくれる、手取り足取りなレシピに定評あり。
教わるのは…
エディター オギ
料理歴は大学時代から一応10年以上の独身アラサーエディター。健康や美容に興味はあるが、基本ズボラ。
とりあえず「豚コマ」買っておけば安心??
オギ
豚肉って、角煮なら「豚バラブロック」とか、スペアリブなら「リブ肉」とか、この部位じゃなくちゃ成り立たない!って料理の場合、レシピ通りにその肉を買うんです。とはいえ、そんな料理ほとんど作りませんが(笑)。
小田先生
じゃあ、それ以外の料理のときはどうしてるの?
オギ
正直、とにかく「豚コマ」買っておけば間違いないだろうと思ってました。なにしろ安いので(笑)。
小田先生
うーん……。実際には、同じ豚肉でも部位ごとに特徴も味もかなり違います。
オギ
「豚バラ」が脂多めということはかろうじてわかるんですが、あとは正直見た目も味も違いがよくわかりません……。
小田先生
オッケーです! そういうことなら、部位ごとの特徴を、実際に料理して味見しながら説明していきますね。
同じ調理法で4種の豚肉を食べ比べ!
小田先生
「モモ」「ロース」「肩ロース」「バラ」、この4種類が家庭料理でよく使う豚肉ですね。
小田先生
1種類目の「モモ」は、お尻まわりの肉。動きがある部位なので、脂肪が少なく、赤身の色が濃いのが特徴。肩ロースと比べると、肉質はキメが粗く硬めで、あっさりした味わいです。この中で最もリーズナブルでもあります。
小田先生
2種類目の「ロース」は、背中の肉。背中側の厚く均一な脂身と、なめらかでしっとり、やわらかい肉質の赤身部分が、くっきり分かれているのが特徴。脂身の部分に甘みや旨みが凝縮されています。赤身の部分はしっとりなめらか。そのメリハリを味わう部位です。肉の銘柄によっても異なりますが、一般的に4種類の中で最も高価です。
小田先生
3種類目の「肩ロース」は、肩と背中の間にある肉。運動量もそれなりにある部位で、筋肉の中に脂肪が入り混じり、ハリのある肉質が特徴。赤身はロースと同じくキメが細かく、赤身と脂身がバランスよく混ざり、適度なコクと旨みがあり、変化に富んだ食感が楽しめます。価格はロースの次に高価です。
小田先生
4種類目の「バラ」は、内臓を包むお腹まわりの肉。赤身と脂身が交互に層になり、濃厚な脂の旨みがあります。脂が多いので焼いてもやわらかく香ばしさが出るのが特徴。一方で、その脂によって味が入りづらいので調理する際には脂を除く工夫が必要です。価格は肩ロースに次ぐ3番目です。
次ページ
いざ食べ比べ! 部位が違うと豚肉の味はどう変わる?